ソニーは5月20日、デジタルコンテンツの管理・配信システム「OPSIGATE」を同日に発売したことを発表した。
これは一般企業や教育機関で動画や静止画を、関連するデジタルドキュメントとともにデータベース化しておき、組織内の幅広いユーザーがWebブラウザで取り出したり、デジタルサイネージなどの端末に自動的に送り込むなどして活用できるようにする製品。すでに立命館大学では映像学科などにおける研究素材を学生が登録・管理する用途で、花王ではマーケティング用の動画の管理に試験導入されているという。
OPSIGATEの開発目的の1つは、同社の放送・業務用ビデオカメラ「HDV」シリーズを利用するユーザーのコンテンツ管理ニーズに応えること。しかし、B2Bソリューション事業本部サービス&ソリューション事業部事業部長の伊藤満氏は、急成長が期待されるコンテンツ管理とコンテンツ配信の双方をカバーする製品はほかにないとして、売り上げ100億円を目指すと話した。
OPSIGATEでは、特に動画の登録と管理を容易にするためのさまざまな工夫がなされている。動画はすべて、元の形式を変換せずに保存。登録時にはプレビュー用のデータを自動生成する。動画の任意のポイントには情報共有者間のコミュニケーションのためのテロップを挿入することができる。任意のポイントのURLも取得でき、これを電子メールなどで送ると、受信者はこのポイントから動画を再生することができる。すべてのコンテンツの再生・閲覧は、元のコンテンツ用のビューアを使って行うため、特殊なソフトをインストールする必要はない。コンテンツはその場で見ることができるほか、ファイルとして取り出すこともできる。従って、営業担当者が販売促進用のコンテンツを選択して自分のPCに保存し、客先で見せるような使い方も可能。
OPSIGATEはコンテンツ管理用のサーバとソフトの基本パッケージ(容量1TBのシステムで400万円程度から)、および「インジェストオプション」(テープの取り込み用)、「モニター再生オプション」(デジタルサイネージを含む端末配信用)、「シンクロナイズオプション」(複数のOPSIGATE間でのコンテンツ共有用)、ディスク制作オプション(DVD制作用)で構成。
2009年秋以降には、大規模配信を実現するオプション製品も提供する。これは中継サーバとエッジサーバから成る。エッジサーバ間でのPtoP配信のような、配信効率を高める技術の組み込みも考えているという。
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