「全体を見る」ためのビジネスプロセス・BPMの常識:企業システムの常識をJBossで身につける(11)(4/4 ページ)
企業向けアプリケーションのさまざまな“常識”をJavaのオープンソース・フレームワーク群である「JBoss」から学んでいきましょう。企業システムを構築するうえでの基礎となる知識をリファレンス感覚で説明していきます。初心者から中堅、ベテランまで大歓迎!
サンプルを実際に動かして「見える化」を体感しよう
まず、先ほどのjBPMコンソール画面で[Examine]リンクをクリックすると、以下の画面が開きます。
画面の項目の説明をします。
- [Process Link]:対応するプロセスのリンク
- [Name]:デプロイしたプロジェクト名
- [Version]:バージョン番号
- [Process Instances]:プロセスのインスタンスの状態
- [Tasks]:タスク
- [Process Image]:プロセスのイメージ
ここで、[Process Image]リンクをクリックして、以下の画面を開きます。
作成したprocessdefinition.xmlのDiaglamのイメージが表示されます。早速、この処理フローの動作を確認してみましょう。
【start】プロセス
[Start]ボタンを押すと、以下の画面が表示されます。ここで[status]が「Running」になっていることを確認してください。
- [Status]:「Running」状態に
- [Start Date]:実行した日付けが表示されている
[Process Image]リンクをクリックして、イメージを確認してみましょう。
ここで、次のプロセスを実行したいと思います。上記の画面より[Tokens]のリンクをクリックして、以下の画面を開きます。ここでは、プロセスの現在状態を画面に表示します。
[Signal:to state]リンクをクリックすると、トークンにシグナルを送り、プロセスを進められます。
画面の上段部に、「Token signalled」と表示されます。トークンにシグナルが送られたことが確認できました。これにより、プロセスが「end」に進みました。ここで[Process Variables]のリンクをクリックします。
- [Name]:message
- [Value]:Going to the first state!
画面上にメッセージが表示されていることが確認できます。com.sample.action.MessageActionHandlerを実行して、processdefinition.xmlの「Going to the first state!」を表示するアプリケーションをjBPMのサーバ上で確認できました。
【first】プロセス
ここで再度、[Tokens]→[Signal: to end]→[Process Variables]のリンクをクリックして次のプロセスを確認します。
- [Name]:message
- [Value]:About to finish!
「<state name="first">」の「<message>About to finish!</message>」が表示されていることが確認できました。
【end】プロセス
Process Imageを確認してみましょう。
ステータスが「end」になっていることが確認できます。
プロセスの初期化
ここで[Delete]リンクをクリックして「process instance」を削除しましょう。
プロセスが初期状態に戻ったことを確認できました。
「全体が見える」ことが、重要
ここまでで、サンプルプロジェクトを作成して、デプロイから実行までの一連の動作確認を行いました。JBoss jBPMを使用したアプリケーションの動作確認を、Webブラウザ上からグラフィカルなイメージとして見ることができました。この「全体が見える」ことが、ビジネスプロセスにおいて重要なポイントであるといえます。
今回のサンプルアプリケーションは小さいものですが、企業が構築するアプリケーションの規模は非常に大きなものです。このような大規模のアプリケーションの全体像を「見る」ことで改善・構築できます。
本稿ではビジネスプロセスの常識について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。今後、読者の皆さんが日々の業務でビジネスプロセスを意識し、ここでの知識を少しでも生かしていただければと思います。
次回は、「ビジネスルール・ESB・SOAの常識」について解説します。ビジネスプロセスに続いて「ビジネスルールとは一体どういうものなのか」に焦点を当てたいと思います。
筆者紹介
株式会社ビーブレイクシステムズ開発部所属
相原 淳(あいはら じゅん)
専門分野:Webシステム開発・保守
2008年よりビーブレイクシステムズに在籍。
前職では、Javaを用いたWEB系のシステム開発や保守作業に従事。Javaの開発を行っていく中で、オープンソースに興味を持ち、その分野で活躍できるビーブレイクシステムズに転職し、現在に至る。
筆者紹介
2008年より、株式会社ビーブレイクシステムズに在籍
多田 丈晃(ただ たけあき)
システム開発の様々な工程を経験し、果ては新人研修まで担当したが、さらなる高みを目指してJavaとOSSに強いビーブレイクシステムズの門をたたく。
同僚の知識量と能力の高さに驚きつつ、日々研鑽を続けている。
筆者紹介
株式会社ビーブレイクシステムズ技術担当取締役
上川 伸彦(かみかわ のぶひこ)
RDB製品の開発、各種業界団体におけるXML/EDI標準の策定やSOA基盤の設計などに従事。最近は、ITコンサル業よりも、業務システムの構築に携わることが多く、お客さまからの無理難題と向き合う日々を送っている。
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