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インディ開発者よ、「ドコモマーケット」で稼ごうぜ!ものになるモノ、ならないモノ(43)(1/2 ページ)

個人開発者には遠い存在だったiモードアプリが、とうとうオープン化される。12月中旬の正式スタートを前に、その「変わり身」の狙いを聞いてみた

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捕らぬ狸の皮算用だってしたくなる、ある「ニュース」

 「100円でアプリを販売して、約5000万人いるiモードユーザーのうち1%が購入してくれたとしたら5000万円じゃん!」

 ニュースを聞いた瞬間、頭の中で計算してしまった。

 そのニュースとは、NTTドコモがドコモマーケットのiモード版を作り、個人でもコンテンツを販売できるようにする、という「WIRELESS JAPAN 2010」における山田社長の基調講演での一節。筆者の「5000万円じゃん!」の下地となっているのは、Appleが展開するiPhone向けのアプリ販売サイト「App Store」からインディ(個人やスモールカンパニー開発者)の成功者が多数登場していることに、思いがオーバーラップしたからだ。

年間2500円の登録料でiモードビジネスに参入可能

 そして去る2010年10月21日、NTTドコモは、「ドコモマーケット(iモード)」への開発者の登録受け付けを開始した。正式スタートは12月中旬だという。登録料は年間2500円で、2011年1月末までの登録であれば、初年度は無料というボーナスまで付いている。iPhoneアプリの開発者登録が年間1万800円なので、何だかすごくお得に感じるが、Android Marketの登録料25ドル(初回のみ)とほぼ同じなだけに、もしかしたら2500円が相場でAppleの方がボッタクリなのか? などと思ったりもする。

 いずれにしても、このNTTドコモの変わり身ぶりには驚きを禁じ得ない。以前はiモードコンテンツを有料で販売したければ、公式サイトとして認めてもらわねばならず、個人開発者はもちろんのこと、スモールカンパニーにとっても相当敷居の高い話だった。

 いや、はっきりいうと、個人開発者は相手にしてもらえなかった。インディからすると、その閉鎖性にあきれかえって「もう勝手にして、僕たちはiPhoneやAndroidで頑張るもんねー」という境地でいたからだ。

ドコモがサーバも用意、ただしテラ銭は20%

 今回の「ドコモマーケット(iモード)」では、単に審査基準が緩和され、個人にもオープンになっただけでなく、NTTドコモの側でホスティングまでしてくれる。インディにとって最大の課題だった「コンテンツサーバを用意して運用する」という、銀嶺(ぎんれい)のようにそびえ立つハードルまでもが一気に取り払われた格好だ。

 アプリ作成のスキルとサーバ運用のスキルはまったく別物だけに、これは手放しで喜べる。筆者は技術者でないので軽々しくはものをいえないが、クリエイティブマインドを発揮してアプリを作ることと、地道にサーバを運用するということの間には、大洋の両岸に立つくらいの隔たりがあると思う。従来の仕組み(コンテンツサーバを自社で用意)の上では、審査基準が緩和されたとしても、インディにはハードルが高かったのだ。

 というわけで、日本人にとってなじみ深く、老若男女が利用するiモードのプラットフォーム上でビジネスができるだけに、「5000万円じゃん!」という期待は否(いや)が応でも膨らむ。

 このところ携帯電話の話題というと、スマートフォンを中心に回っている感があるが、数字だけ追い掛ければ、いわゆるガラケーの方が売れていることは間違いない。そんなわけで、iモードビジネスに参加できるというだけで、やはり、否が応でも期待が膨らむ。

 ちなみに、正確にいうと、iモードユーザー約5000万のすべてがビジネスの対象になるわけではない。古い機種もあるので、「母数は約1500万端末くらいではないか」(ベンダ幹部)という。まあ、それでも100円のアプリを1%の人が購入してくれたら「1500万じゃん!」となり、インディにとっては魅力的な数字であることは間違いない。もちろん、そこから2割のテラ銭(手数料)が差っ引かれることは覚えておこう。

Androidでも個人開発者のアプリを受け付け

NTTドコモ スマートフォン事業部アプリケーション企画担当部長 山下哲也氏
NTTドコモ スマートフォン事業部アプリケーション企画担当部長 山下哲也氏

 NTTドコモの「変わり身」は、iモードに限った話ではない。

 Android向けのアプリを扱う「ドコモマーケット」(こちらは「(iモード)」の文字がない)においても、「個人開発者のアプリの受付を来年早々には開始したい」(NTTドコモ・スマートフォン事業部アプリケーション企画担当部長・山下哲也氏)というから驚きだ(現状は企業のみ受け付け)。

 ドコモは、一部Androidアプリの請求書による代行課金を「spモード」で開始しているので、こちらも大いに期待できる。ちなみにAndroidアプリについては、ドコモの側で「ホスティングはしない。Android Marketにアップロードしてもらったアプリの紹介という形式」(山下氏)だそうだ。

 スマートフォンの将来については、山田社長が前出の講演で、調査会社の数字を引用する形で「2014年には世界市場でスマートフォンの台数が標準機(フィーチャーフォン)の台数を超える」とコメントしている。「スマートフォン」を「Android」と読み替える(WindowsMobileやBlackberryもあるのでちょっと無理がある?)こともできるわけで、インディにとって明るい未来が開けているようにも思える。

 まさに上記「ドコモマーケット(iモード)」との合わせ技で、日本のナンバーワン・オペレーターの用意した巨大プラットフォームでのビジネスにインディでも参画できることになるのだから、重ね重ね、期待は否が応でも膨らむ。

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