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PEARのライブラリでTwitterにアクセスステップアップ! PHP(1)(2/3 ページ)

PHPは、Webアプリケーションやソーシャルアプリケーションの開発者の間で人気が高い言語です。基本的な文法の習得も容易で無料で使えるというところが受けているのでしょう。しかし、基本を身に付けただけでは、本当の「あなただけのアプリケーション」は作れません。この連載では、PHPのライブラリなどの使い方を解説していきます。(編集部)

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PEARコマンドの準備

 PEARパッケージを使うには、先述の通りpearコマンドが必要です。pearコマンドは公式PEARサイトにあるパッケージのダウンロードやインストール、アップグレードなどの管理のためのツールです。PEARチャンネルに登録されているパッケージの管理もできます。

 多くの場合、PHPをインストールすれば、pearコマンドもインストールされるものですが、そうならないこともあります。そのようなときは、Linuxが備える「yum」や「apt-get」といったパッケージ管理ツールでインストールしましょう。

 例えば「CentOS」などのRed Hat系ディストリビューションならば以下のようにyumを使います。

# yum install php-pear

 Debian系ディストリビューションならapt-getを使います。

# apt-get install php-pear

 以上のようにコマンドを実行することで、PEARコマンドを利用できるようになります。

 WindowsやMac OS XでPEARを利用する方、もしくはレンタルサーバ(共有ホスト)にパッケージをインストールする方は、このWebページを参考にしてください。

PEARをアップグレード

 実は、pearコマンドはPEARの「PEAR」というパッケージ(ベースパッケージ)が持つコマンドになっています。そのほかにもベースパッケージには、PEARライブラリがエラーや例外を発行するときに使う「PEAR_Error」クラスや「PHP_Exception」クラスなどを持っており、PEARパッケージを使うときはこれらのクラスを使うように定められています。

 yumやapt-getでインストールしたベースパッケージのバージョンが古くなっている可能性もあるので、まずはPEARパッケージをアップグレードします。下記のようにコマンドを実行してください。

# pear channel-update pear.php.netRetrieving channel.xml from remote serverUpdate of Channel "pear.php.net" succeeded# pear upgrade pear
pear/Console_Getopt requires PEAR Installer (version >= 1.9.1), installed version is 1.9.0downloading PEAR-1.9.1.tgz ...Starting to download PEAR-1.9.1.tgz (293,587 bytes)....................................done: 293,587 bytesupgrade ok: channel://pear.php.net/PEAR-1.9.1

 ここでは最初にpearコマンドの「channel-update」オプションを利用してPEAR公式パッケージのサーバ情報をアップデートしています。channel-updateオプションは、文字通りPEARチャンネルのサーバ情報のアップデートに使うものです。PEAR公式パッケージのサーバもPEARチャンネルのサーバの一部とも言えますね。

 サーバ情報をアップデートしたら、「upgrade」オプションを使ってPEARパッケージをアップグレードします。上のコマンド実行例では、インストール済みのPEARがバージョン1.9.0になっていたので、最新の1.9.1にアップグレードしています。pearコマンドで利用できるオプションは、

# pear help

で一覧できます。その中でもよく使うコマンドを、表2にまとめました。

オプション 機能
install パッケージをインストール
upgrade インストール済みのパッケージを最新版に更新
upgrade-all すべてのインストール済みパッケージを最新版に更新
list インストール済みパッケージの一覧を表示
channel-discover 新しいPEARチャンネルサーバを登録
channel-update PEARチャンネルサーバの情報を更新します
info インストール済みのPEARパッケージの情報を表示。対応するPHPのバージョンや依存パッケージの一覧を表示
表2 PEARコマンドの主なオプション

Services_Twitterをインストール

 Services_Twitterは、その名の通りPHPプログラムからTwitterを操作するためのライブラリです。PHPのバージョン5.2以上に対応しており、本稿執筆時点での最新版は0.6.3(ベータ版)です。このパッケージを使うと、Twitterのツイート検索やタイムライン取得はもちろん、ツイートの投稿やアカウント管理なども可能です。

 pearコマンドが使えるようになったので、Services_Twitterをインストールします。インストールは非常に簡単で、先ほどと同じようにpearコマンドを使います。

# pear install --force --alldeps Services_Twitterdownloading Services_Twitter-0.6.3.tgz ...Starting to download Services_Twitter-0.6.3.tgz (60,495 bytes)...............done: 60,495 bytes・
・・install ok: channel://pear.php.net/Services_Twitter-0.6.3

 Services_Twitterのインストールでは、オプションに「--force --alldeps」というオプションを付けています。「--force」は強制的にインストールすることを示しており、指定したパッケージや依存パッケージがベータ版やアルファ版であっても強制的にインストールします。「--allpdeps」はServices_Twitterとその依存パッケージをまとめてインストールするという意味です。

 パッケージをダウンロードすると、自動的に展開され、ライブラリのファイルは所定のディレクトリ(PEARディレクトリ)に配置されます。PEARディレクトリは設定により異なります。確認するには、pearのconfig-getオプションを利用します。

# pear config-get php_dir/usr/share/pear

 実際にはパッケージ名に応じて、PEARディレクトリ以下にディレクトリ階層ができ、その中にファイルが配置されます。例えば、Services_Twitterパッケージなら、下記のようにディレクトリができ、ファイルが配置されます。プログラムから呼び出せる機能は「Twitter.php」にあります。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

PHPの設定ファイルにパスを記述

 PEARライブラリの実体はPHPで記述したコードです。ライブラリをプログラムから利用するにはincluderequireといった構文を使って、ライブラリを取り込む必要があります。ライブラリを取り込むには、PEARディレクトリをPHPのinclude_path設定に追記しておくと便利です。

 具体的にはphp.iniファイルを編集し、下記のように記述を加えます。なおphp.iniを編集したら、Webサーバを再起動して設定を反映しておきましょう。

include_path = ".:/usr/share/pear"

 先に、# pear config-get php_dirコマンドを実行して調べておいたPEARディレクトリをパスとして加えているわけです。

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