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簡単な操作で可用性を高める“AlwaysOn”次世代SQL Server“Denali”の姿に迫る(2)(2/4 ページ)

Microsoft SQL Serverとして第4世代目の製品となる“Denali”。前回はDenaliに入る新機能の概要をご覧頂いたが、今回は可用性を高める「SQL Server AlwaysOn」に焦点を当てて解説する。

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AlwaysOnを語るキーワード、柔軟、統合、洗練

 可用性グループについてもう少し詳しく見ていこう。9月28〜29日に開催されたThe Microsoft Conference 2011では、同社でSQL Serverカスタマーアドバイザリーチームのプリンシパルプログラムマネージャーを務める多田典史氏写真)が登場し、担当したセッションでAlwaysOnを中心にDenaliの新機能を解説した。

 多田氏は可用性グループの特徴としてデータベース単位で指定すること従来のように共有ディスクを必要としないこと複数のデータベースのフェールオーバーを設定可能なこと複数のセカンダリサーバを設定できることなどを挙げた。加えて可用性グループを「柔軟」「統合」「洗練」の3つの言葉で表現した。この3つの言葉について解説しよう。

 Denaliでは可用性向上のための手段が増え、選択肢の幅は大きく広がった。「柔軟」な構成を採れるようになったということだ。まず、待機するセカンダリサーバは合計で4台まで設定できるようになった。従来のデータベースミラーリングでは1台しか設定できなかったので、大きな進歩だ。フェールオーバーするタイミングは5段階の障害発生レベルで設定でき、手動でフェールオーバーさせることも可能だ。データベースの同期方法は求めるパフォーマンスに応じて「同期」と「非同期」が選べる(後述のウィザード参照)など、それぞれの現場のポリシーに合うように多様な組み合わせから好きな構成を選べるのだ。

 次は、「統合」というキーワードについて説明する。これまで可用性の高い構成を組むにはWindows Serverなど、SQL Server以外の製品の機能を駆使する必要があり、運用作業が複雑になりがちだった。Denaliでは、サーバ管理のインターフェイスはSystem Centerと統合され、簡素な手順で運用監視できるようになっている。可用性グループの設定は手動でも設定できるが、ウィザードでも設定できる。ウィザードの主要なステップは5〜6段階程度とシンプルだ。また従来のデータベースミラーリングでは自動フェールオーバーをさせるにはデータベースサーバのほかに、「ウィットネス」と呼ぶ監視サーバが必要だった。Denaliの可用性グループではウィットネスを置く必要はない。

 改善は機能の差だけではなく性能の差にも表れてくる。先に北川氏が述べたように、待機サーバはただ待機する「スタンバイ」ではなく、読み取り可能な「アクティブスタンバイ」として有効活用できる。そして待機サーバからのバックアップも可能になった。新機能は、既存の機能を改善して「洗練」させたものとも言える。またWindowsの新しいコマンドラインインターフェイスであるPowerShellからの操作も可能になった。

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