System Center 2012のインストール詳細:System Center 2012を試そう(2)(2/2 ページ)
米マイクロソフトはSystem Center 2012を2012年4月に正式リリースした。日本でもこの製品の本格展開が始まり、ユーザーに向けた評価版ダウンロード提供も、5月11日に開始されている。本記事では、System Center 2012が最終的にどのような製品になっているのか、同製品のサーバ/データセンター管理機能の概要を紹介し、評価版をダウンロードして構成する手順についても示す
Virtual Machine Manager(SCVMM)のインストール
SCVMMを利用するには、Windows展開サービスとWindows自動インストールキットが必要になる。このため、あらかじめインストールしておく必要がある。Windows展開サービスは、サーバの役割から追加する。
Windows自動インストールキットは、マイクロソフトのサイトからモジュールをダウンロードしておく必要がある。
ダウンロードしたSCVMMの圧縮ファイル(EXEファイル)をフォルダに解凍し、Setup.exeを実行する。今回は、VMM管理サーバ、VMMコンソール、VMMセルフサービスポータルの3つのコンポーネントをインストールする。
インストール自体は、ほとんどデフォルトでOKだ。データベースに関しては、ローカルサーバにインストールしてある。このため、同一サーバ名を指定すればOKだ。
Operations Manager(SCOM)のインストール
SCOMをインストールするには、Report View 2010が必要になるため、あらかじめダウンロードしてインストールしておく必要がある。
さらに、環境によってはISAPIのエラーが表示される場合がある。これを解消するためには、IISマネージャーを起動して、「ISAPIおよびCGIの制限」を選択する。ASP.NET v4.030319の動作を許可する。
環境を整えて再度、環境のチェック(Verify Prerequisites Again)を行い、次のステップに進む。
今回SQL Serverのインスタンスでエラーが起こった。これは、SQL Server Agent Serviceが起動していないためだ。SQL Server構成マネージャーのSQL Serverのサービスから、SQL Server Agentを起動する。今後のことを考えて、サービスが自動的に起動するように設定しておく。
SCOMをインストールしたサーバには、System Center 2012 Service Manager(SCSM)はインストールできない。このため、SCOM、SCSMを利用するには2台のサーバが必要になる。
図27 System Center 2012のインストーラーは、環境チェックでエラーが起こった場合、インストーラーを終了しなくても、必要なソフトウェアをインストール後、再度チェックを行えば、インストールが進む。だたし、ソフトウェアのインストール後、再起動が必要な場合がある
Data Protection Manager(SCDPM)のインストール
SCDPMのインストールは、.NET FrameworkやSQL Serverがインストールされていれば、ほとんどトラブルはないようだ。ただ、セットアップ途中でSiSFilterをインストールしたため、再起動が必要になった。
Orchestrator(SCO)のインストール
SCOは、.NET Framework、SQL Server、IISがすでにインストールされている環境であれば、ほとんどトラブルなくインストールができる。
App Controller(SCAC)のインストール
SCACは、.NET Framework、SQL Server、IISがすでにインストールされている環境であれば、ほとんどトラブルなくインストールができる。今回は、IISでいくつかのモジュールが不足していたため、自動的にインストールが行われた。
System Center 2012インストールの注意点
今回は、サーバの台数の都合から、Syetem Center 2012 Configuration Manager(SCCM)とSystem Center 2012 Service Managerのインストールは行わなかった。SCCMとSCCMは、複数のクライアント/サーバが必要となるため、環境が整わなかった。
System Center 2012 Endpoint Protectionに関しては、今回のトライアル版に入っていなかったので、インストールのテストはできなかった。System Center 2012 Unified Installerの項目にも入っていなかったため、System Center 2012ファミリには入っているが、別扱いとなっているようだ。
実際、System Center 2012のインストールを行ってみて、シンプルインストーラーとして作られたUnified Installerが不親切と感じた。各コンポーネントを別々のコンピュータにインストールする必要があるなど、テスト環境としては大がかりすぎる。
このため、System Center 2012のテストを行いたいなら、各コンポーネントを個別にインストールした方がいい。
実際、個別コンポーネントのインストーラーでは、インストール時に不足になっているシステム コンポーネントを指摘したり、必要な設定を指摘したりしてくれる。これなら、System Center 2012のインストールに戸惑うことは少ないだろう。
ただ、1台のサーバに複数のコンポーネントをインストールする場合、メモリやディスク容量、CPU性能がある程度必要になる。このため、必要なコンポーネントだけ、インストールしてテストすべきだろう。
自動化を実現するOrchestratorは、ネットワークを経由して、別のサーバで動作しているコンポーネントと連動するため、1台のサーバにSystem Center 2012のコンポーネントをすべてインストールする必要はない。
基本的に、.NET Framework、SQL Server、IISがインストールされていれば、インストール時に大きなトラブルはないだろう。実際にSystem Center 2012を運用する場合、System Center 2012の各コンポーネントがデータベースを使用するため、System Center 2012とは別に、SQL Serverだけをインストールしたデータベースサーバとして独立して構成した方がいいだろう。
Index
System Center 2012のインストール詳細
Page1
「ユニファイドインストーラー」ではなく、個別インストールを
インストール前に行うべきこと
Page2
Virtual Machine Manager(SCVMM)のインストール
Operations Manager(SCOM)のインストール
Data Protection Manager(SCDPM)のインストール
Orchestrator(SCO)のインストール
App Controller(SCAC)のインストール
System Center 2012インストールの注意点
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