なぜ、人はSQLをループさせたがるのか:Database Watch(2012年8月版)(2/2 ページ)
今月は2つのユーザーコミュニティを紹介します。DB2のClubDB2ではデータベースの達人が「ダメな設計」を解説し、JPOUGは初の大規模イベントを開催してパネルディスカッションやライトニングトークで盛り上がりました。
JPOUGイベント「データベースと仕事と人生を楽しもう」
7月21日、日本オラクルユーザーグループ「JPOUG」は、「JPOUG> SET EVENTS 20120721」を開催しました。約200名ほどが参加し、こちらも大盛況でした。
最後は大部屋で、エンジニアのスキルとキャリアパスをテーマにしたパネルディスカッションが開催されました。司会は、オラクルの小田圭二さん、パネラーは現場でデータベース管理者をしている方々(写真)でした。会場からの発言も交えながらディスカッションは進みました。
最初の問いは「データベースエンジニアの需要は減るか?」でした。ここでは「仮想化で運用が少人数化」「職人技だったチューニングが自動化されてきている」と「減る」というネガティブな意見が出る一方、逆に「全体としてのパイは増えてきている」と「減らない」というポジティブな見方も出ました。
切実な話もありました。
特に派遣などの立場だと「底辺から脱却しづらい」という悩みがあります。職場によっては派遣にはオラクルのサポートページにアクセスさせない、など「近年、重要な情報が手に入りにくくなり、壁が高くなった」という声も出ました。一方「脱却できた」体験談からは、「転職した。まず環境を変える」や「中長期的な視点が要る。5年先をイメージ」という指摘、また意外なところでは「個人的に綴っていたブログで技術力が認められ、昇進した」など。壁は高いが、何らかの行動を起こす勇気が鍵なのかもしれません。
データベースエンジニアのスキルパスはどうか。
とことん運用を究めるのも1つの道です。パネラーの中には「ユーザー企業所属だが、RACが大好きで8ノードのRACをSIerに頼まず自分で構築してしまった」というツワモノも。しかし、別の道も考えられます。「違う分野にスキルや仕事をシフトするなら?」という問いには、まずインフラ関係が挙げられました。特にストレージ管理は、データベースに近いと言えます。逆方面としてアプリケーション開発という方面もありでしょう。「データベースエンジニアはたこ足配線のように周辺のスキルを身につけやすい」という指摘がありました。
司会の小田氏は「データベースの道を究めるのもありですし、これだけ多くの道もあります。将来は意外と明るいと思いませんか? 悩みがあったらぜひ懇親会で相談してください。データベースと仕事と人生を楽しみましょう」と明るく締めくくりました。
懇親会ではライトニングトークで盛り上がりました(写真)。ごく一部ですが左上から時計回りに、バインド変数を使わずにサーバがスローダウンした経験を話した植木義人さん、オラクルがこれまで買収した意外なものを紹介したコーソルの浅岡萌さん、coderwallの紹介と参加を呼びかけた庄司嘉織さん、データベースエンジニアの幸せと「データベース友の会」の紹介をしたQuatrexさん。笑いあり、発見あり、みなさんお見事でした。
これまでオラクルのイベントというと業務で参加する人が多く、「お堅い」イメージがありましたが、今回は週末開催なこともあり、打ち解けた雰囲気がありました。ユーザー会とはいえ、こんなに楽しそうな笑い声が響き渡ったオラクル関係イベントというのは「初めてかも」という印象です。オラクルユーザーやエンジニアに良い場ができてよかったですね。今後の盛り上がりに期待します。
ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.