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Wi-Fiベース屋内測位技術をAndroidアプリに組み込むにはAndroidで使えるO2O技術まとめ解説(2)(2/4 ページ)

今注目の「O2O」について、現状や概要を紹介し、O2Oを利用したAndroidアプリを作る際に必要な技術要素を1つ1つ解説していきます。今回は、O2Oの技術要素の1つとして「屋内測位」の概要や、Wi-Fiを利用したものを5つ紹介し、Walkbaseというサービスを例に使い方も解説します

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【5】地図を意識せずに使える「Walkbase」

 Walkbaseはフィンランド発のスタートアップで、Wi-Fiベースのロケーション技術を持っています。彼らの提供するサービスを利用すると、彼らの表現で「room-level location context」、つまりどの部屋に居るのかというレベルで位置情報を特定できます。

 通常位置情報系のサービスだと、地図と組み合わせて利用するものが多いと思いますが、Walkbaseのサービスは地図を特に意識せずに、「どこの場所にいるか」を、例えば「西新宿グランドタワー21Fの南第2会議室辺りにいる」といった、場所の情報として扱います。


Walkbase

 現在はAndroid端末向けのみでサービスされており、WalkbaseのAPIを利用するためのAndroid用のライブラリが配布されているので、それを自分のアプリに組み込めばすぐに利用できます。

 アプリの開発にはサインアップが必要(後で説明しますが、開発ユーザーごとに開発しているアプリを管理し、API Keyを発行するため)で、サインアップするとライブラリをダウンロードしたり、開発者向けのドキュメントを参照できるようになります。

 利用するに当たっての課金情報などは公式サイトを参照してください。APIへのアクセスが月5万アクセスまでは無料です。ちょっと試す分にはこれを超えることはないと思います。

「Walkbase」でWi-Fiを利用した測位サービスを使ってみる

 さて、いくつかWi-Fiを利用した測位技術/測位サービスの例を見てきましたが、具体的な活用イメージを考えるには何かしら具体的な技術やサービスを使ってみるのが一番です。ということで、今回は冒頭でお話した通り、筆者たちのチームで実際に利用可能な測位サービスを使って作ってみた簡単な実装例について説明します。

 使ってみたサービスは「Walkbase」です。次項以降で「Walkbase」の説明も含め、具体的に作ってみたもののお話をします。

リアルでも挨拶しようアプリ「ぺこりん」

 まずは、実際にどんなものを作ってみようとしたのか説明します。

 今回作ってみたのは、スマホを使った挨拶アプリ「ぺこりん」というものです。やろうとしていることは簡単で、Facebook上で友達な人は普通リアルでも友達なはず。なので、「もしリアルで近くにいるのならば、ちゃんと挨拶しようよ」ということを実現するためのアプリです。

挨拶の3つの手段

 「近く」の定義ですが、今回は同じ部屋もしくは同じフロアにいることとしました。アプリは同じ部屋(フロア)に友達が入ってきた場合に通知してくれます。同じ部屋に友達がいることが分かった時点で挨拶することになるわけですが手段は3つあります。

 「同じ部屋にいるのは分かったけど、今忙しくて直接挨拶できないよ!!」というときには、「ぺこり」を通知として飛ばすことができます。

 直接挨拶しにいける場合は、ツカツカとその人に近づいていって、握手をするようにスマホを使って「ペコリ」を交わします。その場合、NFC対応の端末であれば、「タッチでぺこり」機能を利用してぺこりの交換ができます。

 もしNFC対応の端末ではなかった時は、ボタンをそれぞれの端末で同時に押して、同時に押したことがサーバ側で判定されたら、「ペコリ」の交換が成立するという「せーのでぺこり」機能を利用します。

ゲーミフィケーション的要素も

 挨拶を交換すると、挨拶ポイントが貯まっていってバッヂがもらえるといったゲーミフィケーション的要素も入れています。

※ちなみに「ぺこりん」は、記事執筆時点では未完成で、ここで提示するコード類も説明に必要な部分のみを抜粋して利用しています。いずれWi-Fiによる屋内測位だけではなく、GPSを利用した屋外での友達認識を組み合わせて、どこかで公開できたら公開しようかと思います。

なぜ「Walkbase」を使ったのか

 さて、「ぺこりん」で屋内測位を使う部分はというと、友達同士が「同じ部屋もしくは同じフロアにいるということ」を判別する部分になります。今回の要件では、部屋内・フロア内での自分や友だちの位置の特定まではしないことにし、ナビゲーションなどは行わないようにしました。

 ということで、マップ表示は利用しないで、同じ部屋・フロアに入ったかどうか、いるかどうかまでが分かる技術を採用することにしました。そこで利用してみたのが「Walkbase」です。

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