アプリ開発者が新興ストアで儲かるための基礎知識〜Windows 8 Developers カンファレンス2.0レポート(2/3 ページ)
NFCとの連携、アプリ内広告やプッシュ通知の使い方、普及期にあるアプリストアを制する方法、Windowsストアアプリのデザインガイドラインを中心に据えた次世代のUIなどについてまとめてお届けする。
Windowsストアアプリで“アプリ内広告”を使って儲けるには
続いて行われたのは、日本マイクロソフト 森下順子氏による特別セッション「アプリを収益源に変える Microsoftの新しいWindows 8アプリ内広告」。冒頭では他OSとの市場比較や発売されるWindows 8端末(もちろん3月15日に発売されたSurface含む)の数を基にWindowsアプリ市場リーチの可能性が説明された。
続いて森下氏は、Windows 8アプリ内広告の収益モデルについて具体的に説明。「Windows 8ではリッチなUIを利用することでユーザーの利用体験に影響を及ぼすことなくアプリ内広告を導入でき、収益化が実現できる」(森下氏)とのこと。開発者は多彩な広告フォーマットとサイズから自身のアプリに最適な表示方法を選択でき、そのために必要な手順(アカウントの取得やAd SDKの組み込み)も4ステップで行えるよう整備されている。
気になる収益については、「CPM課金モデル」(広告単価×実際に配信されたインプレッション数)を採用しており、分析により収益の最適化をサポートする仕組みも合わせて提供されるという。これらの詳しい情報は、公式のWindows 8広告内アプリの紹介サイト(※日本語版近日公開予定)で見ることができる。セッション後の質疑応答では多くの質問が飛び、アプリ内広告に向けた開発者の期待の高さが分かるセッションだった。
ユーザーの気を引く重要な手段“プッシュ通知”を使うには
続いて、田中孝佳氏がWindows Azureと連携したWindowsストアアプリによるPushの仕組みについて、「WindowsストアアプリでPush通知を使ってみよう」というテーマで講演した。
現在、iOSやAndroidなどスマートフォンやタブレット向けのアプリでは、ユーザーへの情報通知機能としてPush Notification(以下、プッシュ通知)が多く利用されており、NFCとともにO2Oの技術要素の1つとして、スマートデバイスの収益化の面でも注目されている。Windows 8端末においても、例外なく必要になってくる技術だろう。
Windowsストアアプリにおいて有効な通知はニュース速報などの「リアルタイムデータ」とソーシャルネットワーク/SNSからの着信などの「カスタマイズされたデータ」の2種類だと田中氏は言う。
プッシュ通知の実装方法はいくつかあるが今回のセッションでは、個人開発者が無料で試す方法としてLAMPの構築、PaaSの活用、「Windows Azure Mobile Services」といったBaaS(Backend as a Service)の利用、の3種類が紹介された。プッシュ通知の実装はサーバ、クライアントサイド両方の技術的な知見が必要だ。
田中氏は具体例として、「Windows Azure Mobile Services」のデモも行い、実装の手順も紹介した。
またプッシュ通知を実現するには、実装以外にもストアアプリならではの申請時の「お約束」として、アプリ名の登録と関連付けや、プッシュ通知の資格情報の取得が必要となる。
田中氏は「『没入型』とされているWindowsストアアプリでは、プッシュ通知は自分のアプリに向けてユーザーの気を引く重要な手段となるので、今後、どのように活用していくかがマーケティングにおいても重要である」として講演を締めくくった。
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