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米レッドハットのトットン氏に聞いた、「OpenStack戦争」をどう生き抜く?ハイブリッドクラウド技術提供ベンダへ進化

米レッドハットのバイスプレジデント兼プラットフォーム事業部門長であるジム・トットン氏は、同社がオープンなハイブリッドクラウドのコンポーネント提供ベンダになると説明した。筆者は、IT業界の主要ベンダのほとんどがOpenStackに力を入れてきている状況で、レッドハットはどのような存在価値を今後発揮していくのかと質問してみた。

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 米レッドハットのバイスプレジデント兼プラットフォーム事業部門長であるジム・トットン(Jim Totton)氏は、5月22日に同社日本法人が開催した記者説明会で、レッドハットがLinux OSのベンダからハイブリッドクラウドのコンポーネント群を提供する企業へと進化しつつあることを改めて強調した。


米レッドハット バイスプレジデント兼プラットフォーム事業部門長であるジム・トットン氏

 トットン氏に先立って説明したレッドハット日本法人の執行役員パートナーアライアンス営業統括本部長、古館正清氏によると、企業ITでは、未来がクラウドにあるという認識から、旧来の業務システムをクラウドに対応できるものに移行する機運が高まっているという。また、アプリケーションがWebベースに移行する一方、クライアントも非Windows端末が増えつつある。古館氏はLinux OSが、今後5年で現在の3倍以上の規模に拡大すると話した。

 トットン氏は、現在の企業ITにおいて、「予算が限られている状況下でどのように自社のITを(ビジネスニーズに応じて)進化させていけるか」が最大の課題だと主張する。この課題を解決するには、アプリケーションやデータを、その要件に応じて社内データセンターおよび社外のクラウドサービスに柔軟に配置しながら統合管理できる環境が不可欠とする。同社はオープンソースベースのハイブリッドクラウド構築コンポーネント群(OS/仮想化、クラウド運用基盤、ストレージソフトウェア、ミドルウェアなど)を推進していくことで、企業ITにおける課題の解決に貢献できるとする。

 オープンソースベースのクラウド運用基盤技術であるOpenStackについても、「(レッドハットは)コードのコントリビュータとしてナンバーワン」だと話し、同社の貢献度を強調した。レッドハットはCloudForms、ManageIQといった、ハイブリッドクラウド環境の管理・運用ツールをあわせて提供している。


レッドハットは、実はOpenStack以外のクラウド環境にも対応したマルチクラウド統合管理ツールも持っている

 では、IT業界の主要ベンダのほとんどがOpenStackに力を入れてきている状況で、レッドハットはどのような存在価値を今後発揮していくのかと、筆者はトットン氏に質問してみた。同氏の答えは次の通り。

 「11年前、さまざまな人々が多様なLinuxを推進していた。当社はパートナーや顧客とともに、こうした技術を企業が導入する際の価値をどう提供できるかについて学んできた。こうしてレッドハットは、昨会計年度に13億ドルを売り上げる企業になった。OpenStackについてもLinuxと同様、企業は信頼できる提供ベンダを必要とする。当社はLinuxに対してと同様、(OpenStackについても)オープンソースに強くコミットしている。さらに、富士通、日立、NEC、その他多数の企業との強固なパートナーシップは、OpenStackについても非常に重要だ。こうしたパートナーシップは、RHELの場合と同様OpenStackについても、顧客に選択肢を与える」。トットン氏はまた、レッドハットはRed Hat Enterprise Linux(RHEL)RHELを持っているというという点で、ユニークな存在だとも答えた。

 この答えに、何も新しいことはないようにも聞こえる。だが、好意的に解釈すればこういうことだろう。OpenStackと組み合わせられるハイパーバイザには、複数の選択肢がある。企業やクラウド事業者が、OpenStackでプライベートあるいはパブリックのクラウド環境を構築する際、レッドハットはRHELをベースにしたRed Hat Enterprise Virtualizationを顧客に勧めることができる。さらにその上で稼働するアプリケーションのための仮想マシンOSとして、RHELを推進できる。これに加え、RHELのビジネス利用について同社が獲得している信頼を武器としながら、OpenStackについても企業が安心して使えるような、安定的で高性能な製品として提供していく。一方、他社がOpenStackを何らかの形で顧客の囲い込みに使おうとするなら、レッドハットは「オープンな選択肢」として自社の価値を主張すると。

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