親和性の高さ、確実なサポートを約束。HP ProLiantサーバー+Windows Server 2012 R2の強力タッグの中身とは?:リリースサイクル加速に最速で追従
多くの新機能で注目を集めているWindows Server 2012 R2だが、マイクロソフトのパートナーがそれぞれ独自の強みを生かして提案している点も魅力の1つだ。日本HPの場合、運用管理の要となる2要件を重視している点が大きな特徴だ。
密接な協業体制により、Windows Serverの進化にいち早く追従
マイクロソフトのサーバーOS製品と結び付きが深いベンダといえば、ヒューレット・パッカード(以下、HP)が筆頭に挙げられよう。同社のx86サーバ製品「HP ProLiant」シリーズは、かつてコンパックから提供されていた時代から広くWindows Serverユーザーに使われてきただけではなく、マイクロソフトにおける製品開発・評価プラットフォームとしても利用されてきた歴史がある。日本HP プリセールス統括本部 サーバー技術本部 サーバー技術一部 シニアソリューションアーキテクトの及川信一郎氏は、同社とマイクロソフトの密接な協業について次のように説明する。
「Windows ServerやSQL Serverは、HP ProLiantで構築された開発・テスト環境上で開発されている他、マイクロソフト製品のベンチマークテストの多くもHP ProLiant上で実行されている。こうしたマイクロソフト製品との密接なつながりが背景にあるため、HP ProLiantはWindows Serverとの親和性の高さや、新バージョンへの対応の早さという点で群を抜いていると考えている」
事実、先日リリースされたばかりの「Windows Server 2012 R2」に関しても、HPではかなり早い段階からプレビュー版をHP ProLiant上で動作検証し、その結果を評価ガイドとして公開している。また、製品版がリリースされてから現時点でまだ数週間しかたっていないにもかかわらず、すでにHP ProLiantシリーズのほとんどの製品が、Windows Server 2012 R2への正式対応を完了している。
こうしたマイクロソフトとの長期にわたる密接な協業関係と迅速な製品開発体制は、Windows Serverをはじめとするマイクロソフトのエンタープライズ製品の利用を考えた場合、「より大きな強みになる」と及川氏は述べる。
「マイクロソフトはWindows Server 2012 R2から、製品のリリースサイクルを短縮すると発表している。しかもこれまでのWindows Serverは『メジャーバージョンアップからSP1が出るまでは様子見』という姿勢がユーザー企業でも見受けられたが、Windows Server 2012以降は新機能の有用性から『最新版を今すぐ欲しい』という要望が増えている。例えば、Hyper-Vが新たにLiunx統合サービス(LIS)を、ビルトインサポートするようになった点なども注目されている。Windows Serverの技術革新と製品リリースにいち早く追従し、対応製品を迅速に用意できる点は、弊社にとって今後ますます強みになるはずだ」
System Centerからハードウェア製品の一元管理が可能に
ちなみに、HPはサーバハードウェアだけでなく、その周辺ソフトウェアについてもWindows Serverの技術革新にいち早く対応してきた。特に、同社が独自に開発したサーバ管理ツールと、マイクロソフトのシステム管理製品「Microsoft System Center 2012」との親和性の高さは折り紙つきだ。
具体的には、HPが自社ハードウェア製品の管理ツールとして提供している「HP Insight Control」の中に、System Centerのプラグインとして動作するモジュール群「HP Insight Control for Microsoft System Center」を含めている。これを用いると、「System Center Operations Manager(SCOM)」「System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)」「System Center Configuration Manager(SCCM)」の管理コンソール画面から、HPのハードウェア製品の管理・監視タスクを一元的に実行できるようになる。
図2 Microsoft System Center 2012 R2から日本HPのハードウェアを一元管理可能(Microsoft System Center 2012 R2には次のリリースから対応)《クリックで拡大》
「System Center 2012は、旧バージョンと比べてアドイン機能の自由度が上がり、単一インタフェースからさまざまな機能にアクセスできるようになった。HP Insight Control for Microsoft System Centerを加えることで、ユーザーはソフトウェアだけではなく、ハードウェアの管理・監視タスクまで同じコンソールから実行できるようになる」(及川氏)
またHP Insight Control for Microsoft System Centerは無償ツールとしてではなく、有償製品としてHPから正式なサポートサービスが提供される。この点も、「Windows Server環境の運用管理を行う上では重要なポイントになる」と及川氏は指摘する。
「一般に、システム運用管理・監視ツールは、万一のトラブルの際、原因がハードウェアとソフトウェアのどちらにあるのか、切り分けが難しいという問題がある。ソフトウェアがハードウェアベンダのサポート対象外の場合はなおさらだ。その点、HP Insight Control for Microsoft System Centerは、HPが正式サポートを提供するため、常に安心して使うことができる。こうしたサポート体制を用意できる点も、長年Windows ServerのOEM提供を受け、ドライバやプラグインを開発し続けてきたHPならではの強みだと思う」
こうした数々の強みを生かし、今後同社ではWindows Server 2012 R2を軸に、Windows関連ビジネスをさらに拡大していきたいとしている。
「Windows Server 2012で、ストレージ管理機能やHyper-Vのサーバ仮想化機能が大幅に強化され、幅広い顧客ニーズに応えられるようになった。Windows Server 2012 R2ではこれらがさらにブラッシュアップされた上、Windows Server 2003のリプレース先としてのニーズも高まっている。もちろん、第8世代となる最新版のHP ProLiantもパフォーマンスアップとともに管理性の大幅向上を実現している。こうした最新技術の恩恵を幅広いユーザーに享受いただくため、Windows Server 2012 R2を搭載したHP ProLiantのソリューションを積極的に提案していきたい」(及川氏)
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