OpenStackとネットワーク仮想化(SDN)、GlanceとCinderによるデータ永続化の話:たまおきのOpenStack Watch(2014年5月)(2/2 ページ)
IcehouseをリリースしたばかりのOpenStack。今回はSDNとの関係や、物理的なストレージ環境を考慮した永続的なデータ格納について紹介していきます。
OpenStackコンポーネント解説(8):イメージ管理サービス「Glance」とブロックストレージサービス「Cinder」
GlanceとCinderは、OpenStackで動作する仮想マシンのゲストOSイメージ管理やブロックストレージを担当するコンポーネントです。
VM停止で消えるデータをブロックストレージに
OpenStackはもともと、仮想マシンインスタンスを終了すると、ゲストOS上で書き込んだデータは消えてしまう仕組みとなっていました。
具体的には、仮想マシンインスタンスの起動が指示されると、Glanceによって指定されたゲストOSイメージがインスタンス起動先にコピーされます。さらにこのゲストOSに対する差分ディスクイメージが作成され、仮想マシンに起動デバイスとしてアタッチされてインスタンスが起動していました。書き込みが発生するとこの差分ディスクに書き込みが行われます。
インスタンスが終了すると、差分ディスクイメージは削除されてしまいます。
この方式を「ephemeral」(つかの間の、はかないの意)と呼びます。ゲストOSを単にシャットダウンしただけでは削除はされず、OpenStack上からインスタンスを終了(削除)した時に削除される点は注意が必要です。
Glanceで数多くのゲストOSイメージを取り扱う場合には、バックエンドストレージとして、オブジェクトストレージのコンポーネントである「Swift」を利用することもできます。
インスタンスが終了した後も永続的にデータを保管しておきたい場合には、Cinderによるブロックデバイスを作成し、仮想マシンにアタッチします。
CinderはiSCSIなどのデバイス領域を使ったり、NFSストレージ上にイメージファイルを作成したりすることができます。また、Glanceで管理しているゲストOSイメージをマスターにしてCinderでブロックデバイスを作成し、仮想マシンの起動デバイスとしてアタッチすることができます。
VMware vSphereなどの仮想マシン環境に慣れている利用者には、こちらの方法が分かりやすいでしょう。ただし、この方法の場合には、インスタンスを起動するノードから起動デバイスイメージを参照できる必要があるので、ephemeralな場合に比べてストレージ接続の設計などに考慮が必要です。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
次号ではアトランタで開催されたOpenStack Summitの内容を出張報告する予定です。ぜひご期待ください。
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