タブレット端末向け業務システム開発の最適解を探る:高い開発効率と低いランニングコストを両立させるには
Biz/Browserは業務システムをWeb化する際に、高い操作性と入力生産性を実現するユーザーインターフェースを提供する「業務システム専用ブラウザー」だ。1999年のリリース以来、業務システムのWebアプリケーション化における画面作成・実行ツールとして国内1300社を超える導入実績がある。2004年のハンディターミナル向け「Biz/Browser Mobile」、2012年のタブレット端末向け「Biz/Browser AI」リリースを通じて各種デバイスに対応。さらに2014年の「Biz/Browser AI」のiPad対応により、タブレット端末含め業務に使用されるほぼ全てのデバイスをサポートしている。
タブレット端末の普及により、企業ユーザーがITをより効果的に活用できる局面は間違いなく広がった。小売店舗、飲食店のようにバックヤードにしかPCが設置できない現場にも、タブレット端末は入り込みつつある。建設業や製造業の現場のように、PCを持ち込めない過酷な環境で使う場合もタブレット端末は好都合だ。iOS搭載のiPadは、デザイン重視の小売店舗、飲食店などで人気が高い。一方、業務用端末としての利用を狙うAndroidタブレット端末も登場している。
「例えば、Androidを搭載したハンディターミナルも登場しています。過酷な利用環境に耐えるAndroid端末もあります。業務用端末として見たとき、Androidは今後も利用局面が広がるでしょう」(オープンストリーム 事業推進本部 テクニカルサポート部 部長 山根浩樹氏)。
タブレット端末向け業務システム開発における4つの問題点
タブレット端末は魅力的なデバイスだが、企業ユーザーが業務でタブレット端末を活用しようとすると新たな課題に直面することになる。中でも大きな課題は開発環境だ。
「iOSとAndroidに代表されるタブレット端末向けシステムの開発には各プラットフォームに合った新たな開発手法の習得が必要です。そうなると、開発効率を上げることは容易ではなく、しかもiOSとAndroidの間にはアプリケーションの互換性がありません。OSバージョンアップに伴う改修も頻繁に発生します。これらの理由により、開発とその後の運用というライフサイクル全体で見たランニングコストは増大します」
こう説明するのは、Biz/Browserの製品企画を手掛ける岸本信介氏(オープンストリーム プロダクト事業部 製品開発本部 製品企画部 部長)である。
企業ユーザー向けのタブレット端末システム開発で特に問題となるのは、主に次の点である。
- 業務システムの開発環境として見た場合の開発効率が必ずしも良くない
- 開発者が、アプリケーション開発環境を新たに習得しなければならない
- アプリケーションがOSにロックインされてしまい、他のOS上にアプリケーションを移植するのに大きな工数が発生する
- タブレット端末ではOSのバージョンアップが頻繁にあり、アプリケーション側もそれに対応して頻繁な改修が必要となる。アプリケーションのライフサイクル全体を通してみた場合のランニングコストが増大する
iOSもAndroidにも共通するこれらの問題を解決するために、企業ユーザーはBiz/Browser AIに目を向け始めているのだ。
企業ユーザーのタブレット端末活用上の課題を解決する「Biz/Browser AI」
企業ユーザーがタブレット端末を業務システムで活用しようとするとき直面する問題を解決できるツールとして、オープンストリームが提供しているものが、タブレット端末向けのWebベースのフロントエンド開発環境・実行環境である「Biz/Browser AI」だ。
前述の4つの問題点を「Biz/Browser AI」がどのように解決してくれるのだろうか。順に見ていこう。
前提として、タブレット端末向けシステム開発でよく目にする選択肢は、Web(HTML5)ベースのアプリケーションを開発する、あるいはネイティブアプリケーションを開発する、というものだ。どちらの選択肢にも、落とし穴がある。
1.業務システムの開発環境として見た場合の開発効率が必ずしも良くない
例えば、Webテクノロジ(HTML5)によりフロントエンドを作り上げる場合、企業ユーザーの要求に見合う開発効率と操作性を両立させることはまだまだ容易ではない。HTML5は高度な表現を可能とするものの、開発の容易さを追求したWebテクノロジではない。また一般的なWebブラウザーは、ユーザーがインターネットを「閲覧」する目的で作られており、業務システムとしての操作性を追求したものではないといえよう。ブラウザーベースではなくネイティブアプリケーションの操作性を求めるユーザーは多い。
その点、「Biz/Browser AI」は、国内1300社を超える導入企業の要望に15年にわたって応え続ける中で培った、業務システムの操作性を高めるためのユーザーインターフェースのノウハウがある。操作性の高いコンポーネントを組み合わせたアプリケーションを使用することで、導入企業のユーザーは迅速なオペレーションを可能とし、業務を遂行することができるのだ。
2.開発者が、アプリケーション開発環境を新たに習得しなければならない
ネイティブアプリケーションを開発する場合、新たな開発環境の習得に高いハードルがある。
例えばiOSアプリケーションでは、Mac OS X搭載端末、Xcode、Objective-C言語(もしくはSwift言語)を組み合わせた開発環境に習熟しなければならない。Androidアプリケーションの場合は、Java言語と、Android独自のフレームワークの習得が必要となる。
その点、Biz/Browserは企業ユーザー向けに作り込まれた専用の設計ツールを備えている。Visual Basic(以下、VB)のようにコンポーネントを組み合わせた開発ができるため、開発を迅速に行える。
また市場環境変化が開発にスピードを求めているとはいっても、リソース・スキル不足に悩む企業も多いのが現実だが、Biz/Browserはそうした企業にも一つの解答を提示する。それは「アジャイル」と「開発の内製化」というキーワードだ。Biz/Browserは操作性の良い専用の設計ツールを備えることで、アジャイル的なアプローチで開発サイクルを加速することができ、ユーザー企業による内製化を実現する。
前出の岸本氏は次のように話す。「低コストで迅速に画面設計ができるため、企業ユーザーの方々の満足度が高いことが、Biz/Browserの特性の一つです。そしてもう一つ、現場のソフトウェア開発者の方々にとっても、Mac OS X搭載端末ではなく使い慣れたWindows上でBiz/Browserの開発環境が動き、iOSやAndroid向けクライアントアプリケーションを開発できることに高い評価をいただいています」
Biz/Browserの開発環境はWindows上で動く。画面設計ツールの機能も企業ユーザーが親しんできたVBの開発環境の操作性に近い。こうした特徴が、現場の開発者にも支持されているというのだ。
3.アプリケーションがOSにロックインされる
iOS向けネイティブアプリケーションとAndroid向けネイティブアプリケーションの開発環境は互換性が全くない。ネイティブアプリケーションの開発は、上記のような開発者のような学習コスト、そして複数OS対応のコストがかさむのだ。一度iOS向けアプリケーションを開発した後、同じアプリケーションをAndroid用に一から作り直した場合、単純に開発コストが2倍以上になることは容易に想像できる。
この点、HTML5ベースのWebテクノロジでは、一つのアプリケーションでWebブラウザー間での動作の違いはないとされてはいる。現実問題としてWebブラウザーの違いだけではなく、OSの違い、Androidのような端末間の違い、そして後述するように、Webブラウザー、OS共に、バージョンの違いによって同じWebアプリケーションでも異なる見た目や挙動が出る場合も多い。Webテクノロジといえども各環境による検証コストは決して少なくないだろう。
「Biz/Browser AI」もWebテクノロジをベースとしているが、Biz/Browser実行環境のアプリケーションをiPad、Android端末にインストールしておくことで、さまざまな環境でBiz/Browserアプリケーションを正しく稼働させることができる。
WebブラウザーがWebアプリケーションの実行環境であるように、「Biz/Browser」はその名の通り、業務向けアプリケーションの実行環境、つまり「業務システム専用ブラウザー」なのだ。しかも、Webブラウザーは複数のベンダーが提供するものだが、Biz/Browserはオープンストリームという一企業が提供するものなので、Webアプリケーションのように複数のブラウザーによる違いが生む検証コストはほとんどない。
市場環境の変化に対応するスピーディなアプリケーション開発・最適化を阻む大きな課題として、上記のようなOS、Webブラウザーの違いが挙げられる。「Biz/Browser AI」はこの課題をクリアし、一元的なアプリケーション展開と、ユーザーの使い勝手を邪魔することなくプロセス変化に追従できるマルチプラットフォーム開発を実現する。
4.OSのバージョンアップに追従することでコストが増大する
さらに、タブレット端末の急激な進化は、企業ユーザーにとっては課題となってのしかかる。
例えば、業務システムのライフサイクルが5年である場合、1年に1回のOSバージョンアップがあると仮定すれば、ライフサイクルの中で5回ものアプリケーション改修が必要となる可能性が高いのだ。こうした保守作業のランニングコストは無視できないものとなる。
この点「Biz/Browser AI」はタブレット端末向けOSの最新バージョンに対応してくれるため、OSバージョンアップのたびにいちいちアプリケーションを改修する必要はない。Biz/Browserには、これまで長い歴史のあるWindowsのOSのバージョンの違いを吸収して、ユーザー企業にOSのバージョンアップに対するコストを掛けさせなかったという実績がある。このノウハウはもちろん、「Biz/Browser AI」でも生かされている。
このように、タブレット端末を活用したい企業ユーザーにとって、Biz/Browserは開発効率とランニングコストの両面で注目に値するソリューションなのだ。
三菱重工業もBiz/Browser AIでタブレット端末向けアプリケーションを内製化
前述のようにBiz/Browserは今日までに第一生命保険、東京海上日動火災、ヤマト運輸、日本通運など1300社を超える企業に導入されている。その導入理由はどういったところにあるのだろうか。ここでBiz/Browser AIを業務システムで活用する先進ユーザーとして三菱重工業の事例を紹介したい。
三菱重工業は生産現場でAndroidタブレット端末を活用し、ラインの稼働率や生産計画の達成率をリアルタイムに把握する「実績把握システム」や、エンジン向けのキッティング(作業単位で必要な部品をそろえる作業)の指示を紙からタブレット端末に置き換えた「e-KIT報告システム」をはじめ、生産現場を支える重要業務のシステム化を進めている。
同社は、業務システム開発、改修を外注ではなく自社内で行うこと、つまり内製化を前提にツールを選定した。導入の決め手となった理由の一つは、Biz/Browser AIを活用することで、構築、運用ともにコスト削減を実現できることだ。
Biz/Browserを活用すればPC向けアプリケーションと同様にタブレット端末向けアプリケーションも開発でき、iOSとAndroidの両方に対応できる。さらにOSバージョンアップに伴うアプリケーション改修も不要となる。さらにVBに似た親しみやすい画面設計ツールを備えていることも高評価に結び付いた。
「弊社に最初にお声掛けくださったのはユーザー企業である三菱重工業さま。自らBiz/Browser AIを探し出し、採用してくださったのです」(山根氏)。業務システムの自社開発・内製化を重視する同社にとって、Biz/BrowserがWindows、iOS、Androidと多様なOSをサポートしていること、導入が容易であることは大きな優位性となったのだ。
企業ユーザーの支持を得たソフトウェアの詳細は
以上、企業ユーザー向けのタブレット端末システム開発における4つの問題点と企業ユーザーから見たBiz/Browser AIのメリット、導入形態について見てきた。
iPad、Androidというタブレット端末に対応し、企業ユーザーが要求するきめ細かなユーザーインターフェースのデザインに対応でき、高い開発効率と低いランニングコストを両立させるBiz/Browser AIは、企業情報システムの課題を解決する上で、力強い助っ人となってくれることだろう。
10月17日には下記のように大規模なセミナーを開催予定なので、タブレット端末活用に悩む方は、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。
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提供:株式会社オープンストリーム
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月30日