初任給400万円超えが当たり前でも4社に1社が失敗するワケ:新卒エンジニア採用に釣られて「既存社員も昇給」
レバテックが2026年卒のエンジニア採用に関する調査結果を発表した。約4社に1社が採用目標に届かない見込みで、初任給および既存社員の待遇見直しが進んでいる実態が明らかになった。
レバテックは2026年1月28日、IT人材を採用する企業担当者1000人とIT人材3000人を対象に実施した調査を基に作成した「レバテックIT人材白書2026」の一部抜粋を公表した。調査は2025年11月12〜19日にインターネット調査で行われた。
同調査によると、エンジニアを採用する企業のうち、「2026年卒の新卒エンジニア採用を実施している」と回答した企業は48.4%だった。業態別ではSIer(システムインテグレーター)やSES(System Engineering Service)などのシステム開発関連会社が最も高い割合を示したが、製造業や金融、小売などITを主事業としない非IT関連の事業会社でも4割を超える企業が実施しており、IT業界に限らず新卒エンジニア採用が広がっていることがうかがえる。
一方、2026年卒エンジニアの採用目標人数の達成度について、2025年11月の時点で「下回った」「下回る予定」と回答した担当者は24.0%に上った。その内訳は、「エントリー目標は上回ったが、採用人数を下回った/下回る見込み」が14.3%、「エントリー目標・採用人数ともに下回った/下回る見込み」が9.7%となっている。2025年の調査と同様に、約4社に1社が内定式の時期を過ぎても目標に達しておらず、採用難が続いている実態が浮き彫りになった。
“4社に1社”が目標未達のワケは、プログラミング教育必修化も影響
新卒採用を実施する企業の73.8%が、選考要素に「プログラミングスキルを含む」と回答した。77.5%の採用担当者が「過去3年以内に、求めるプログラミングスキルが高くなった」と回答しており、小中高におけるプログラミング教育の必修化や、AI(人工知能)による単純作業の自動化を背景に、より高度なスキルを持つ人材を求める企業が増加しているためだと考えられる。
新卒エンジニア採用における課題としては、「求めるスキルを持つ人材の不足」を挙げた回答が51.2%で最も多く、次いで「採用コストの増加」(37.0%)、「応募者数の不足」(36.8%)、「内定辞退率の高さ」(30.4%)が続いた。企業間の競争激化に加え、求められるスキルのレベルが上昇していることが、採用難につながっているとレバテックでは分析している。
初任給引き上げは8割超、既存社員の見直しも波及
2026年卒の新卒エンジニアの初任給については、2025年同様「400万〜450万円未満」が24.2%で最多となった。一方で「500万円以上」とする企業も合わせて2割を超え、高水準の初任給を支給する企業も一定数確認された。2024年度から初任給を引き上げた企業は全体の8割を超えている。特に非IT関連事業会社では約9割に達しており、新卒エンジニアの待遇改善に対する意欲の高さがうかがえる結果となった。
初任給の引き上げに合わせて既存社員の基本給も「引き上げた」と回答した企業は77.5%に達した。これは、既存社員との処遇が逆転しないように、企業全体で給与体系を見直す動きが進んでいることを示唆している。
レバテック 執行役社長 泉澤匡寛氏は今回の調査結果について、非IT関連事業会社でも約9割が初任給を引き上げていることから、「ITエンジニアを自社で育成・確保しようとする企業の意欲が高まっている」との見解を示した。その結果、学生の選択肢が従来のIT企業にとどまらず大きく広がることで、「企業間の採用競争はさらに激化し、今後より新卒エンジニアの採用は難しくなる」と予想している。
こうした動向に対応するために、企業は「初任給の見直しにとどまらず、採用手段の多様化や内定者フォロー体制の充実など、取り組みをより一層強化する必要がある」と同氏は提言している。
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