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「カタログ性能だけでは推し量れない」システムの最適解に応えるCTC OASC「新システムの性能がカタログの数値と違う!」という事態を招かぬために

「カタログに書いてあったはずの、思い通りの性能が出ない」——実環境に基づく検証によって、システム構築、移行時につきもののこんな悩みを解消する場が、伊藤忠テクノソリューションズの総合検証センター「Technical Solution Center(TSC)」だ。オラクル製品のデモンストレーションや検証に適した施設であるとして、「Oracle Authorized Solution Center(OASC)」の認定を取得した、TSCの特徴を聞いた。

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 新しいソリューションの導入を検討したいが、自社環境に適用した場合でも性能は本当に向上するのか、どのくらい改善が見込めるのか、導入前にしっかり見極めたい——これは企業システム担当者としては至極もっともな考えだ。だが現実には、ユーザー企業が自力で新たな環境を用意して検証を行おうにも、コストや技術者の用意、期間などの面を考慮すると非常に難しい。そうした要望に対応するのが、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の総合検証センター「Technical Solution Center(TSC)」だ。


総合検証センター「Technical Solution Center(TSC)」

 TSCは2005年3月に開設された、国内屈指の規模を備えた技術検証センターだ。約500台のサーバー、約600台のネットワーク機器に加え、合計1PBを超える大容量のストレージなど、幅広いハードウェアで構成されるインフラが用意されている。これらの機器をベースに、200名体制のエンジニアによって、パフォーマンス検証やベンチマークテスト、機能要件の検証、PoC(Proof of Concept)など、顧客の要望に応じた多様な技術検証作業が行われている。

 企業がITシステムに期待する役割はさまざまであり、しかも技術の進展に応じてニーズは変化する。TSCではサーバー接続の検証やリモート接続といったベーシックな検証に始まり、近年注目度の高いサーバー仮想化やスマートデバイスの活用、ビッグデータといったソリューションまでカバーしており、年間2000件以上のペースで検証が行われている。

 特徴の一つは、オラクル製品をはじめとして、マルチベンダーのサーバーやストレージ、ネットワーク機器を用意していることだ。現実のシステムを見ると、単一のベンダーの製品のみで構成されるケースはまれだ。CTCでは長年にわたって蓄積してきたシステムインテグレーションのノウハウを背景に、検証を通じて、多様な組み合わせの中から最適な構成、設定を見いだす手助けを行っている。同様に、企業システムが全て最新の機種でそろえられているなどということもない。TSCでは最新モデルはもちろん、2世代前の機器も用意しており、互換性を確保しながらシステム移行を進めるのに必要な情報の洗い出しが可能だ。

OASC認定で、より深く、よりきっちりと検証できる環境を実現

 2014年4月、このTSCが「Oracle Authorized Solution Center(OASC)」の認定を取得した。オラクルのエンジニアとCTCのエンジニアが密接に連携し、顧客の要望に沿った形でのソリューション検証を、よりきめ細かく実現していくことになる。

 オラクル自身、東京を含む世界11カ所で、同社ハードウェア、ソフトウェアを基盤としたシステム構築を支援する技術検証センター「Oracle Solution Center」を展開している。OASCはそのパートナー版に当たるもので、CTCのTSCは日本のみならず、アジア太平洋地域においても最初の認定を受けた施設だ。検証体制や機器設備など、さまざまな面から約半年にわたるアセスメントを経た上で承認されたという。

 もちろんTSCでは従来から、オラクルソリューションの検証サービスを提供してきた。2010年に設置された、データベース高速化の検証施設「Oracle Performance Lab」もその1つで、オラクルデータベースシステムのボトルネックを分析し、改善効果の検証を行ってきた。


伊藤忠テクノソリューションズ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第2部 部長 エグゼクティブエンジニア 中川裕路氏

 だが、ITシステムへの投資にはますます相応のリターンが求められるようになっている。そうした背景から、「昨今ますますPoCの重要性が増しており、それが導入を決めるポイントとなるケースも多い。こうしたニーズに応え、より深く、きっちりした形で連携ソリューションの検証を実現したいという考えから、あらためてOASC認定を受けることとした」と、伊藤忠テクノソリューションズ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第2部 部長 エグゼクティブエンジニア 中川裕路氏は語る。

 OASCの認定を得たことは、「Oracle Database」などの製品単体にとどまらず、データベース統合基盤の「Oracle Exadata Database Machine」やインメモリデータベース、Flashストレージをはじめとするストレージ製品、さらには旧サン・マイクロシステムズ時代からのノウハウを持つSPARC Solaris製品など、幅広い製品群を活用したソリューション全体、システム全体を対象に、一層深い検証作業やデモンストレーションなどが行えることを意味する。

 その第一弾として、CTCはOASC認定と同時に、SPARCサーバー上でOracle Solarisの仮想化統合基盤を実現し、移行を支援する「SPARC仮想化統合ソリューション」、Oracle Databaseとハードウェアを一体化したエンジニアド・システム「Oracle Database Appliance」にテンプレート化されたデータベース設計、構築ガイドを組み合わせて提供する「シンプル・データベース・ソリューション」という2つのソリューションも発表している。

 加えて、オラクル側開発チームとの距離が近くなることもポイントだ。CTCは、ソリューション検証の中で浮かび上がってきた顧客からのニーズをくみ取り、オラクルにフィードバックする役割も果たす。「開発に近いエンジニアもいることから、何か問題があったときに迅速な対処が期待できるのはもちろん、顧客の声をフィードバックし、次の製品開発に役立てられることもメリットだ」(中川氏)。

カタログ通りにはいかない実システム、そのイメージをあらかじめ確認


伊藤忠テクノソリューションズ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第2部 DB&システムズ技術推進課 課長 六車朝信氏

 新たなシステムを導入したり移行したりする際には、「これで処理がもっと速く、もっと低コストになるだろう」と、とかく期待が膨らむものだ。だが、伊藤忠テクノソリューションズ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第2部 DB&システムズ技術推進課 課長 六車朝信氏は「新しい技術を導入したからといって、必ずしも、カタログスペック通りの性能が得られるとは限らない点に注意が必要だ」と釘を刺す。

 「カタログに『性能が何十倍も向上する』と書かれている製品でも、実際に自社システムで導入したときにそうなるかどうかは分からない。使うデータや処理方法、パラメーターによって、数倍から数百倍まで、性能は大幅に変わってくる」(六車氏)。例えば、最近はやりのインメモリデータベース一つとっても、データ構造や使い方、パラメーターのチューニングによって性能は大きく変わってくるものだ。場合によっては、既存データベースのオプションを活用することで、必要十分な性能を備えたインメモリデータベースが実現できる可能性もある。OASCは、そんな複数の選択肢の中から最適解を見つけ出す役割を担う。

 「実際の要件に即して検証を行い、性能に関する情報をあらかじめ提供することにより、お客さまに納得してもらった上で安心して導入できるようにしたい。こうしたPoCを通じて、システムを移行する際に、何がどのように変わるのかをイメージしやすくなる」(六車氏)という。例えば、複数のWebLogic ServerをOracle Exalogic Elastic Cloudに移行するとして、何台程度統合できるのか、またその際の性能はどの程度かをあらかじめ把握した上で、移行の可否を見極めることが可能だ。同様に、オラクルデータベースでの組合せについても最適なチューニングのレベルまで検証ができるという。


伊藤忠テクノソリューションズ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第2部 DB&システムズ技術推進課 青山直樹氏

 面白いことに、CTCがいくつかインテグレーションを進めてきた中では、トレンドに“逆行”することが顧客にとっての最適解になるケースもあるという。例えば「クラウド」。世の中、猫も杓子もクラウド移行という勢いだが、「コストが削減できるかに見えて、データのやりとりが頻繁に発生するとかえってコストがかさむケースもあるし、カスタマイズ志向の強いシステムでは全てをクラウドに移行するのは難しい。クラウドにしたものをオンプレミスに戻す、という選択肢も含め、きっちり検証し、見極めの材料を提供していく」という。

 同様に米国では、いったんIAサーバーに移行したシステムでも、コストやミッションクリティカルなシステムに求められる堅牢性などを評価し、SPARC Solarisに戻ってきた事例もあるという。「Solarisを使うことによって、今どんなことが可能になるのか、またSolarisの仮想化技術をベースにしてどのようなシステム統合が可能になるのかを示し、検証からお手伝いすることでハードルを下げていきたい」と、伊藤忠テクノソリューションズ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第2部 DB&システムズ技術推進課 青山直樹氏は述べている。


総合検証センター「Technical Solution Center(TSC)」には最新の機材が並ぶ

「今あるシステムをよりよくしたい」、そのために必要な材料を提供

 オラクルの認定から約半年が経った。早くも50社ほどが、Oracle製品を用いたソリューションの検証にOASCを活用しているという。「より体系立てて、スピーディに、スムーズに検証できる体制を整えている。こうした環境を用意し、活用できるようにしていることがCTCの強みでもある」と中川氏は振り返る。海外の他のOASCとのミーティングを通じて情報交換も行っており、さらに知見を蓄積しているということだ。

 今あるシステムをよりよくしたいが、その際どんなリスクが生じるか、既存のシステムをどうすればいいか、どのような方向付けで臨めばいいのか——そんな悩みを抱えている場合、客観的な比較検討の材料作りの場として、最新の環境をそろえたTSC/OASCを用意した、と中川氏は話す。今後は気軽に参加可能なワークショップの開催なども視野に入れているという。

 Oracleソリューションはもちろん、ビッグデータ、あるいはネットワークも含めた仮想化など、とにかく何らかの「課題」に直面している企業にとって、心強い味方になるのではないだろうか。


左から伊藤忠テクノソリューションズ ITインフラ技術推進第2部 青山直樹氏、ITインフラ技術推進第2部 部長 中川裕路氏、ITインフラ技術推進第2部 DB&システムズ 技術推進課 課長 六車朝信氏

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※OracleとJavaは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
※本文中に記載の各社社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。内容は予告なく変更されることがあります。


提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年12月14日

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伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
テクニカルソリューションセンターチーム
E-Mail: ctc-oasc@ctc-g.co.jp

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