S3互換のプライベートクラウド向けオブジェクトストレージに新ラインアップ:エンタープライズ導入を意識
クラウディアンのオブジェクトストレージ製品がエンタープライズ向けにアプライアンスやパッケージでの展開を強化。パートナー各社による販売も進める。
クラウディアンは2015年1月30日、同社のAmazon S3互換の分散型オブジェクトストレージ環境構築・運用基盤製品である「CLOUDIAN HyperStore」を搭載したアプライアンス製品およびパッケージ製品群である「CLOUDIAN HyperStore Ready」ラインアップを発表した。
同社では従来、データセンター事業者など、比較的技術者を多く抱える企業・組織向けに製品を展開してきたが、昨今では一般企業におけるクラウド環境導入や、統合管理する蓄積データ量の増加トレンドにあることから、より一般企業に使いやすいスケールアウト型オブジェクトストレージを、効率よく導入できるラインアップ強化を目指したという。
「CLOUDIAN HyperStore」はオブジェクトストレージ環境構築・運用ソフトウエア。汎用のIAサーバー機器を使ってストレージサーバーを構築できる。Amazon S3と同等の機能と、互換性の高いAPIを用意している点に特徴がある。
同社は2014年7月にはAWSと提携し、パブリッククラウド(AWS)とオンプレミス(同製品)とのハイブリッドクラウド環境での互換性を強化している。
また、同製品の管理ツールである「ハイパーストア・マネージャ」を介して、データの性質ごとに運用方法を指定、複数データセンター間での同期・非同期複製を目的ごとに設定して自動実行できる特徴も持つ。これにより、広域での共通ストレージ基盤として、散在するストレージシステムを統合する基盤として利用することもできる。
ハイパーストア・マネージャの管理機能としては、データセンター間での複製の他、統計情報の表示機能、課金管理機能やユーザー管理、監視機能も提供している。
また、AWS以外のプロダクトとの連携も幅広くカバーしている。HDFSとの連携は、S3 API互換であることからHDFS側のS3 Native File Systemを介して接続できる。また、OpenStack環境ではSwiftなどのコンポーネントの代替として利用可能だ。
アプライアンス
今回発表となったCLOUDIAN HyperStore Readyラインアップのうち、アプライアンス製品は以下の通り(括弧内は製品提供ベンダー)。
- 分散仮想オブジェクトストレージストアパッケージ(日立システムズ)
- Nimbusストレージ(トゥモローネット)
- Hybrid CloudScale型フルユニファイドストレージ「UniSTOR Cloud Scale」(コアマイクロシステムズ)
- コンバージド・クラウドストレージパッケージ(NECネッツエスアイ)
サービス・ソリューションパッケージ
今回発表となったCLOUDIAN HyperStore Readyラインアップのうち、サービス提供およびソリューションパッケージは以下の通り(括弧内は提供ベンダー)。
- CLOUDIAN HyperStore+JINSOKU+AEROZワンストップソリューション(ACCESS)
- 次世代ハイブリッドクラウドファイルサーバー(ファイルフォース)
- エンタープライズサーチ(スマートインサイト)
同社では引き続き、CLOUDIAN HyperStore Readyプログラムの参加パートナーを募っている。
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