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いよいよ始まる「100GbE時代」に向けたハイエンドスイッチが登場「より速く、より安く」というネットワーク機器の原点を追求

ここ数年、OpenFlowやSDNといったキーワードに注目が集まったInterop Tokyo。通信事業者やデータセンター、企業向けにイーサネットスイッチ「APRESIA」シリーズを提供してきた日立金属では、「着実に増加し続けているトラフィックをいかに高速に、低コストでさばくか」というネットワーク機器の原点に立ち返る展示を行った。

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 あらためて強調するまでもないが、インターネットトラフィックは引き続き爆発的に増加している。特に伸びが著しいのが、モバイルデバイスからのトラフィックだ。

 普段の生活を振り返ってみても、ちょっとした集まりでお店を検索したり、通勤途中の電車の中でゲームや動画を楽しんだりすることは、今さら取り上げるまでもない、ごく当たり前の風景になった。それが積もり積もって、バックボーンネットワークのトラフィックは月に二桁のペースで増加している。

 日立金属はこうした市場背景を踏まえ、ネットワーク機器の原点ともいえる「高速化」「高密度化」を追求。2015年6月10日から12日にかけて開催されたInterop Tokyo 2015のブースで最新機器の展示を行った。具体的には、キャリア/通信事業社やデータセンター事業者向けの100ギガビットイーサネット(GbE)ソリューション群だ。

通信事業者やデータセンターの頭を悩ませる課題とは

 日立金属はここ数年、鮮やかなブルーを基調としたブースで、スケールアウトが可能な「BoxCore Fabric System」や「Virtual BoxCore」といったユニークなネットワークソリューションを紹介してきた。

 中でもここ数年重点的に取り組んできたのは、柔軟なネットワーク制御を可能にするSoftware Defined Network(SDN)ソリューションだ。マルチベンダー環境でも運用可能なSDNソリューションを通じて、「複数のサービスを同一ネットワークで提供したい」「運用管理の負荷を減らしたい」といった、通信事業者らが現実に抱える問題の解決を目指したものだ。

 2015年の展示も、顧客が実際に抱える問題の解決を目指すという狙いは同じだ。その課題とは「コストを掛けずに、トラフィック増加に対応可能なインフラを構築する」ということ。日立金属ではその解決を手助けすべく、あらためてネットワークの高速化に重点を置いた製品群を紹介した。

 総務省の調査「我が国の移動通信トラフィックの現状」によると、この3年間、モバイル通信のトラフィックは伸び続けており、2013年から2014年にかけての一年だけでも1.43倍に増加しているという。またITU-Rの予測によると、今後もモバイル通信のトラフィックは増加を続け、2020年には2010年の約44倍から、最大で約80倍にまで増える見込みだ。

 日立金属 情報システム統括部 事業企画部 マーケティンググループの栗田昌典氏は、このトラフィックの爆発的な増加をにらんでいかにバックボーン帯域を拡張するかが、内外問わず通信事業者の課題になっていると指摘した。「国内でも海外でもトラフィック、特に移動通信のトラフィックが劇的に増加している。このモバイルトラフィックの伸びにどう対応していくかが課題だ。その課題に向けて、100GbEをマルチポートで収容できる製品を紹介した」(栗田氏)。

最大40個の100GbEを搭載可能な通信事業者向けイーサネットスイッチを参考出展

 今回日立金属のブースで参考展示されたのは、最大で40ポートの100GbEを搭載可能な次世代イーサネットスイッチ「Apresia26010-QC(仮称)」だ。


Apresia26010-QC(仮称)

 Apresia26000シリーズは、同社イーサネットスイッチ「APRESIA」の中でも、高い性能と信頼性が要求される通信事業者を対象としたシャーシ型の製品だ。日立金属独自のL2イーサネットリングプロトコルによって、ハードウエア制御による50ミリ秒以内の高速切り替えが可能なリング型冗長化機能「FCRP」を搭載する他、Ethernet OAMによるネットワーク遠隔保守、管理機能をサポートするなど、高い信頼性、耐障害性を備えていることが特徴だ。

 このApresia26000シリーズのフラッグシップモデルとなるApresia26010-QC(仮称)は、最大40個の100GbEポート、または400個の10GbEポートを搭載可能で、スイッチング容量は既存モデルの4倍となる8Tbpsに達する。これからの通信事業者に求められる大容量をサポートするパフォーマンスといえるだろう。

 特徴は、「内部的なアーキテクチャを変更し、機能をスリム化して部品点数を減らすことによって、高密度化しつつコストも削減していることだ」と栗田氏は説明する。大容量化がもとめられるコアスイッチの機能に特化することで、シンプルで高性能なネットワークの構築を可能にしている。

 また、新世代の100GbE用小型トランシーバー「CFP4」の採用も、コスト削減と省スペース化、省電力化に寄与している。これによってポート密度は四倍に向上する。

 「多くの通信事業者では、収益が横ばいの中、増加し続けるトラフィックにいかに対応するかが課題となっている。Apresia26010-QC(仮称)は、大容量化を図りつつコスト削減を実現することで、こうした課題を解決する」(栗田氏)。既存のApresia26000シリーズの筐体を活用でき、電源やファンユニットをそのまま流用できる点もメリットだ。

 今回は参考展示のため静態展示という形での紹介だったが、2016年の市場投入に向け開発を進めていくという。

長距離光伝送装置「XGMC」シリーズにも100GbE対応の新製品を追加

 長距離光伝送装置「XGMC」シリーズでも新製品「XGMC-2016の100G対応ラインカード」を2種類投入した。


新伝送装置

 XGMCシリーズは、光コヒーレント技術を用いて40kmから最大80kmの長距離データ通信を実現する機器だ。一台でWDMを用いたデータセンター間接続とアクセス系の接続、両方を収容でき、コストパフォーマンスに優れる他、高度な制御機能や高い信頼性も備えている。

 新機種では伝送容量をさらに拡大し、100GbEを最大で40波長束ね、4T×4(テラ)bit/s の長距離通信が可能だ。こちらは100GbEトランシーバーとしてCFP2を採用した他、最新のDSPを採用。モジュールも固定ではなく着脱式となっており、大幅な小型化、高密度化と低コスト化の両立を図っている。

 また、既存のXGMCシリーズのシャーシを活用し、モジュールの追加によって大容量化できることも特徴だ。「既に10GbEを活用している顧客が、スムーズに100GbE環境に移行できる」(栗田氏)

 日立金属ではこのように、イーサネットスイッチと長距離伝送装置どちらの領域でも「100GbE」対応を実現。いよいよ本格化し始めた100GbE時代をリードし、通信事業者やデータセンターに求められる大容量ネットワークを実現していく。

エンタープライズ向けには認証/検疫ソリューションを紹介

 日立金属ブースでは同時に、エンタープライズ向けのセキュリティソリューションも紹介していた。認証スイッチAPRESIAとの連携が可能な日立電線ネットワークスの認証サーバー「Account@Adapter+」や検疫ネットワークアプライアンス「QuOLA@Adapter」だ。これらを活用することで、企業ネットワークにログインする際、それぞれのセキュリティポリシーに基づく認証を実現したり、セキュリティパッチを適用していないなどポリシーを満たさない端末を検疫したり、隔離したりできる。

 さらに、ストレージ機器と組み合わせたSoftware Defined Infrastructure(SDI)も紹介されていた。標的型攻撃や情報漏えいのリスクはますます高まっている上、マイナンバー対応に伴うセキュリティ体制の見直しも迫られている。これを機に、あらためてセキュリティの在り方を点検し、必要に応じてこれらソリューションを検討してみてはいかがだろうか。

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提供:日立金属株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年8月6日

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