JCB、手のひら静脈認証で実現するカードレス決裁システムを構築
JCBが、手ぶらで決裁できる新たな決裁システムを構築した。富士通の手のひら静脈認証技術を用い、カードレス化を実現する。
クレジットカード大手のジェーシービー(以下、JCB)が、グローバル決裁ネットワークに富士通の手のひら静脈認証技術を取り入れたカードレス決裁システムを構築した。2015年10月7日にシステムを共同開発した富士通と富士通フロンテックが発表した。
同システムはクレジットカード情報と本人しか持ち得ない自身の手のひら静脈情報をひも付けて、カードレスでの本人認証を実現する新たな決裁手段。2015年7月にJCB本社の社員食堂で社員数百人が使う実証実験も行い、その有効性を確認したという。
手のひら静脈は、体表情報である指紋と比べて偽造が困難な生体情報。富士通の検証によると、手のひら静脈認証は本人拒否率0.01%、他人受入率は0.00008%以下とする高い認証精度を持ち、かつ、非接触型認証装置のため直接触れずに使えることから、心理的な抵抗感を小さくできる特徴がある。ATMなどの設備のほか、いわゆる「パスワード限界説」などに基づいたクライアントセキュリティ強化にも有効であることから、マイナンバー制度や標的型攻撃対策を目的に、法人でもPCやタブレットと組み合わせた導入が進んでいる。
利用者は、JCBのカード情報と手のひら静脈情報を登録して利用する。登録データは富士通データセンター内の手のひら静脈認証サーバーに格納される。会計時に自分の手のひらを静脈センサーにかざすと、手のひら静脈認証サーバーから合致するカード情報が読み出され、決済が進む仕組み。手ぶら決裁が可能がなることで、利便性を高め、利用シーンも拡大できるメリットと共に、カードやスマートデバイスの紛失や盗難に伴う不正利用のリスクも低減できる。
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