知らないと損する、工事不要で始められるサーバーラックの電力計測:電源トラブル対策&省エネ計画に効果的
サーバーラックの消費電力や電流量を定期的に計測してトレンドをつかむことは、電源トラブル対策や省エネ計画のために重要な取り組みである。しかし、計測システムの導入には工事が必要で、高額になるケースが多いため、ほとんどの組織・企業では実施できていない。パンドウイットの「SmartZone ラックエナジーキット」は、工事が不要で運用中のシステムでも安価に電力管理を始められる電流・環境監視ソリューションである。
なかなか把握できないサーバーの電流量
自社のシステムがどれほどの電気を消費しているのか、ピーク時にはどれほどの電流が流れるのか、正確に把握できているシステム管理者はそれほど多くはないようだ。特に中小規模の企業で、システムの規模もそれほど大きくない環境では、計測しようと考えたことすらないかもしれない。
社内にラックを設置している環境はもちろん、特に古くから利用されているデータセンターやシステムでは、電流・環境監視の対応ができていないことが多い。
最近では消費電力を測れるPDU(Power Distribution Unit)も普及しつつあるが、後からそうしたPDUや計測装置を導入しようとすれば、全ての電源を落としてシステムを停止しなければならないため、なかなか実行に踏み切れない。
一方で、新しいデバイスを導入する際などには、電源に余裕があるかどうかを調査する必要がある。たいていはカタログに表記されている数値を信用して、十分に余裕を持った設計を行うものだが、注意したいのは、平常時とピーク時の差だ。特にサーバーなどは、平常時にはそれほど電力を消費せず、アクセスの集中するときや夜間のバッチ処理のときに大きな電流が流れるシステムも少なくない。電源設備への過剰な投資を避けるためにも、カタログスペックを“うのみ”にせず、稼働状態での実測値や傾向を把握すべきである。
パンドウイットコーポレーション日本支社のエンタープライズ&データセンターBU 技術コンサルタント 釼持良太氏は、「システムのピークを推し量れずに、ブレーカーを落としてしまった経験のあるシステム管理者は、電力を把握する必要性を強く感じているでしょう。そうした経験がなくとも、“測れるものならば測りたい”と考えている管理者が多いのも事実です。しかし、一般的に計測システムは高価ですし、組み込み作業の負担を考えて、二の足を踏んでしまうケースが大半です」と現状を分析する。
そこでオススメするのが、同社の電流・環境監視ソリューション「SmartZone ラックエナジーキット」(以下、ラックエナジーキット)である。
工事やシステム停止は不要!ケーブルを挟むだけで電力計測
ラックエナジーキットは、電源ケーブルに直接取り付ける「クランプメーター」が2基、監視デバイスからデータを収集・統合する「ゲートウェイ」が1台、小型の「温度センサー」が2基、PCにインストールして、データ蓄積を可能にする「モニタリングソフトウェア」で構成される。
特筆すべきは、クランプメーターだ。ケーブルを小さなパーツで挟み、モジュールをはめるだけで設置が完了する。ケーブルを傷つけることなく、抜き差しする必要もない。システムを稼働させたまま取り付けることができるのが、クランプの最大の特長である。
このクランプメーターには、4つの磁界センサーが組み込まれており、ケーブルから発せられる磁場の変化を正確に計測することで、電流値を計算している。当然のことながら、ケーブルの種類によって磁場の特性が変化するため、パンドウイットでは補正値を算出し、ゲートウェイを通じてクランプメーターで設定できるようにしている。
同社 エンタープライズ&データセンターBU チャネルアカウント営業部 テリトリーアカウントマネージャーの鬼頭陽子氏は、「現在、国内で販売されている主要なコンセントバー20種類以上に対応しています。今後も、市場の変化やユーザーの要望に応じて補正値リストを増やしていく予定です」と述べる。
クランプメーターとゲートウェイは、UTPケーブル(カテゴリ5e以上)で接続する。初期導入時に上述した補正値を設定すれば、ゲートウェイでデータの収集が開始され、クランプメーターの液晶モニターに電流値が表示されるようになる。
「独自のセンサーと計測技術で、かなり正確な電流値を測ることが可能です。もちろん直接接続しているわけではないので、急激な変化や細かな挙動を図ることは困難ですが、システムを稼働させたまま電流値を取得できる製品は他にはありません」(釼持氏)
釼持氏が述べるように、この製品はテスターのように細かな電流・電圧を測る装置ではない。長期間にわたってデータを取得して傾向を分析し、電源の安定性を把握したり、投資を計画したりするために用いるものである。
ゲートウェイにはデータを蓄積していく機能が搭載されていないが、「モニタリングソフトウェア」を監視用のPCにインストールして、最大で半年間のデータを保存・閲覧することができる。ゲートウェイとPCはLANを通じて接続するため、特殊なケーブルなども必要なく、通常のオフィスから管理すればよい。
「ラック1台当たりPDU2本とすると、このキットでラック1台から測定が可能となります。またモニタリングソフトウェアにより、最大60のPDUを一括で管理できますし、操作も非常に簡単です。消費電力や電流量は刻々と変化するため、消費の大きなラックからでよいので長期的な計測を始めて、トレンドを把握することが肝要です。消費の傾向データは、省エネのための計画を進めたり、新しいデバイスの導入を検討したりする情報として役立ちます」(釼持氏)
付属の温度センサーを使用すれば、例えばエアコンの故障などで部屋の温度が上昇したときなどに、メールによるアラート機能を組み合わせることでトラブルを把握できる。特にデータセンターのように温度管理がなされていない一般のオフィスにラックを設置している場合などで活用したい装置だ。
安価な装置で気軽にスタート。秋葉原へデモ機を見にいこう
上述したように、電力を計測するシステムは設置を含めると高額となる製品がほとんどだ。しかし、パンドウイットのラックエナジーキットは、資産登録を必要としない程度の価格で購入することができる。設置は管理者自身で簡単に行えるため、作業費用も掛からない。
「ラックエナジーキットは、いくつかの代理店を通じて販売していますが、東京・秋葉原に店舗を構える愛三電機では、実機を展示しており、クランプメーターに電流量が表示されるデモンストレーションを見ることが可能です。ぜひ実際の稼働状況を確認して、導入を検討してください」(鬼頭氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:パンドウイットコーポレーション日本支社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年11月26日