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「Puppet」がもたらすインフラ構築自動化と“それ以外”のメリット「Puppet」ユーザー会が発足(2/3 ページ)

インフラ構築自動化ツールの一つ、「Puppet」に関するユーザーやベンダーの情報交換を促す「Puppetユーザ会」が設立された。第一回の会合に合わせて来日したPuppet LabsのCIO カーステン・ナイジャル氏とユーザー会代表の菅原亮氏に、その特徴とメリットを聞いた。

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負荷の削減と品質向上——自動化がもたらすさまざまなメリット

 インフラ構築、運用を自動化したいというニーズは、仮想化技術やクラウドの普及によってさらに加速している。むしろ「クラウドの普及によってサーバーの数は爆発的に増加しており、人の手でやるのはもう限界だ」(菅原氏)という方が正確だろう。

photo Puppet LabsのWebサイト

 こうした状況においてPuppetは、誰にでもできる退屈な「仕事」からエンジニアを解放し、より付加価値の高い仕事に専念できるようにするツールという位置付けになる。ナイジャル氏自身、「かつてグーグルで勤務していたときから、Puppetで多くの『作業』をやってもらっていた。その分を他のさまざまなエンジニアリングに活用できた」と言う。

 「一度マニフェストでワークロードやアプリケーションを定義すれば、あとはそれを適用するだけ。クラウドに展開することも、逆にクラウドからオンプレミスに展開することもでき、あらゆる場所で動かすことができる。真の意味での『Software Defined Infrastructure』を実現できるといっていいだろう」(ナイジャル氏)

 菅原氏は、Puppetによる自動化でエンジニアの負担を減らし、効率向上をもたらすだけではなく、「品質を上げる効果ももたらす」と付け加えた。「人的作業は、どうしてもヒューマンエラーが避けられない。自動化することで、品質向上に貢献できるはず」(菅原氏)

ネットワークやストレージといった領域の自動化も視野に

 Puppetの適用領域はさまざまだ。最近のトレンドで言うと、OpenStackやHadoopクラスターの構築に活用している企業があるという。「特にHadoopの場合は非常に多数のノードを構築しなくてはならないので、そもそも『手動ではやっていられない』。日本でもそうしたケースが増えている」と菅原氏は述べる。

 今のところ、サーバーの構築自動化に力点が置かれているPuppetだが、今後は「ネットワークベンダーとの協業にフォーカスしていく。パートナーであり出資者でもあるシスコシステムズをはじめ、ジュニパーネットワークスやF5ネットワークス、ファーウェイなどと協力し、ネットワーク設定の自動化に取り組んでいく。現にファーウェイのスイッチには、設定用にPuppet Enterpriseがバンドルされている」(ナイジャル氏)。同様に、ストレージ構成の自動化にも取り組んでいく考えも示した。

 一方日本では、Puppetユーザ会の活動を通じて、エンタープライズ版のユーザーを増やしたいと考えているという。Linuxの世界におけるレッドハットのアプローチと同じように、パートナーであるネットワールドや日本サード・パーティの協力も得ながら裾野を広げていく計画だ。

 ただ、その根底には、オープンソースコミュニティで培われたオープンな「共有」の文化がある。「公開し、吸収することが生き延びる最善の方法。悪いアイデアは淘汰され、いいものは生き残るだろう」とナイジャル氏。菅原氏も「ノウハウや知識の交換を通してみんなで成長していければ」と述べている。

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