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Windows 10時代のアプリ互換性問題は、RemoteAppが救世主になるかも?その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(51)(1/3 ページ)

個人ユーザーには無料アップグレードが提供されているWindows 10ですが、2016年はビジネス分野への導入が進むと予想されます。その際に課題となるのが利用中のアプリの互換性。リモートデスクトップサービスの「RemoteAppテクノロジー」が、救世主になるかもしれません。

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常に新しくなるWindows 10とMicrosoft Edgeは従来型アプリにとって厄介?

 「Windows as a Service(WaaS:サービスとしてのWindows)」として提供されるWindows 10は、新機能を含む新しいバージョン(ビルド)が年に数回提供され、継続的にアップグレードされていきます。企業ユーザーには「アップグレードを延期する」というオプションが提供されますが、アップグレードサイクルが長くなるだけで、「アップグレードしない」という選択肢は提供されません(*1)。

【*1】Windows 10 Enterpriseでは、新機能が提供されず、同じビルドのまま10年間のサポートが提供される「Long Term Service Blanch(LTSB)」というものもありますが、LTSBは業務用の専用端末やインターネット接続を持たないクローズドな環境で運用されるような特殊な用途での利用を想定したものになります。



 企業内で開発した業務アプリケーションの開発者やパッケージアプリケーションのベンダーにとって、WaaSで変化し続けるWindows 10は少し厄介な存在です。2015年11月に提供された「Windows 10 バージョン1511(November Update)」は、事前に知らされることなく、発表と同時に配布が開始されました。

 Windows 10 バージョン1511にアップグレードしたことで、互換性問題により動かなくなったアプリケーションは実際に存在しました。「開発者が『Windows Insider Program』に参加して、プレビュービルドでテストしていれば避けられたんじゃないの」という人もいるでしょう。しかし、正式版でのテストを経なければ、動作保証なんてできないはずです。

 Windows 10では「Microsoft Edge」が既定のWebブラウザとなりました。Windows 10には互換性のために「Internet Explorer(IE)11」も引き続き搭載されていますが、IEを前提としたWebアプリケーションの場合、Webアプリケーションが既定のMicrosoft Edgeで開いてしまい、正常に動作しないということもあるでしょう。企業内で開発したアプリケーションであれば「グループポリシー」などを使用して、既定のWebブラウザをIEに一括変更することで対処できます。しかし、パッケージアプリケーションの場合、ユーザーに既定のWebブラウザをIEに変更してくださいと要求するのは難しいかもしれません。

RemoteAppテクノロジーが有効な解決策の一つになる?

 Windows 8.1以前からWindows 10へのアップグレードに伴うアプリケーション互換性問題や既定になるMicrosoft Edgeの問題、およびWindows 10へのアップグレード後に始まる継続的なアップグレードによる絶え間ない仕様変更の可能性には、Windows Serverの「リモートデスクトップサービス(RDS)」が備える「RemoteAppテクノロジー」が有効なソリューションになるかもしれません。

 RDSは、Windows Serverのデスクトップ環境をマルチユーザーで利用するサービスです。RemoteAppは、リモートで実行されるアプリをあたかもローカルで実行しているかのように利用できるRDSの機能です。Windows Server 2008 R2以降はWindows Serverの代わりに、WindowsデスクトップOSをHyper-V上で集中的に実行するVDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)にも対応していますが、RemoteAppはVDIの環境でも利用できます。

 懸案となっているアプリケーションがRDSの環境で問題なく動くのであれば、サーバ側でアプリケーションを集中的に実行させ、Windowsクライアントからはアプリケーションの画面をリモートで操作させるようにできます。IEに依存するアプリケーションの場合、Windows Server 2008のサーバで動かせば、IE 9をWindows Server 2008のサポート期限である2020年1月15日まで安心して維持できます。

 デスクトップ全体に接続してアプリケーションやIEを利用することもできますが、RemoteAppを利用すると素早くアプリケーションを開始し、少ないネットワーク使用帯域で、ローカルのデスクトップ上でアプリケーションの画面を統合できます(画面1)。また、アプリケーションからローカルのデータやプリンタを利用できるというメリットもあります。

画面1
画面1 「メモ帳」をRemoteAppプログラムとして公開し、クライアントから接続したところ。タスクバー上のアイコンにRemoteAppを示す印があることや、サムネイルのタイトル部分の表示を除けば、ローカルのメモ帳と区別がつかない

 また、マイクロソフトはWindowsクライアントだけでなく、Android、iOS、Mac、Windows Phone、Windows 10 Mobileを実行するさまざまなデバイスに対しても、RemoteApp対応のリモートデスクトップアプリを無料提供しています。RemoteAppを利用すれば、Windowsのバージョンやプラットフォームに影響されることなく、アプリケーションを提供できます。しかも、アプリケーションはサーバ側にあるので、アプリケーションの構成や更新を一元的に管理できます。

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