IBMがエッジコンピューティングのためのOSSランタイム「Quarks」をASFに提案:Kafka、Spark、Stormとの組み合わせも想定
IBMは、IoTデータストリームをゲートウェイなどのエッジデバイスで分析できるようにするオープンソース技術「Quarks」を発表した。Apacheインキュベータープロジェクトとして提案している。
米IBMは2016年2月19日(米国時間)、ストリーミングデータ分析機能をIoT(Internet of Things)デバイスに組み込む技術「Quarks」をオープンソースコミュニティーに公開したと発表した。現在の最新版はQuarks v0.3.0で、Raspberry Pi B/Pi2 Bを含むJava 8/7およびAndroidで動作テストが行われている。
Quarksは、各種の機器や乗り物、システム、アプライアンス、センサー、スマートメーターなどからの継続的なIoTデータストリームを、IoTゲートウェイやデバイス上で分析するためのAPIと軽量ランタイムを提供する。Quarksを使うことで、デバイスやゲートウェイで分析処理を行う一方、中央サーバのデータ分析システムと連携できるため、処理速度を速めつつ通信量を削減できる利点があるという。また、多様なデバイス間でも、共通のストリーミング分析モデル構築が可能だという。
IBMではQuarksをオープンソースソフトウェアプロジェクト支援団体のApache Software Foundation(ASF)にインキュベータープロジェクトとして提案しているという。
Quarksの公式サイトによると、Quarksは「Apache Kafka」「Apache Spark」「Apache Storm」など、さまざまなベンダーやオープンソースのデータ分析ツールと組み合わせて利用できるようだ。
Quarksはストリームデータ分析に特化したIBM製品「IBM Streams」を基に考案されたものだという。IBM Streamsはデータ可視化やデータアナリティクス、新商品・サービス開発のための経済的な方法として使われることが多く「高いスケーラビリティと動的な適応性を備えている」とされる(関連記事)。
なお、IBMでは2015年にIoTへの30億ドルの投資を発表し、人工知能システムの「IBM Watson」を利用したIoT事業のグローバル本社をドイツのミュンヘンに新設している。
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