マイクロソフト、コンテナ管理サービス「Azure Container Service」を正式リリース:オーケストレーションエンジンは「DC/OS」か「Docker Swarm」を選択
マイクロソフトはコンテナ管理サービス「Azure Container Service」の一般提供を開始した。
米マイクロソフトは2016年4月19日(米国時間)、コンテナ管理サービス「Azure Container Service」の提供を開始すると発表した。
同社は、「Dockerをはじめとするコンテナ技術を試験導入している企業は多いが、こうした企業が本番運用に向けてスケーリングしようとすると、コンテナ化されたアプリケーションワークロードのデプロイと運用の難しさを思い知らされる」と、現状のコンテナ管理の背景を説明する。コンテナを高密度かつ大規模にデプロイすると、コンテナの追跡と管理の複雑さが増大し、従来の手動の管理アプローチでは対応しきれなくなるという。
そこで、「実績あるオープンソースのコンテナオーケストレーション技術を簡単に構成し、クラウドで最適に利用できるようにすることで、こうした課題を解決する」というのがAzure Container Serviceの目的だ。数回のクリックで、大規模にデプロイされた複雑なコンテナを管理しやすいように設計したというフレームワークに基づいて、コンテナベースアプリケーションを本番環境にデプロイできるようにしたという。
Azure Container Serviceでは、Dockerイメージがサポートされ、オーケストレーションレイヤーでオープンソースソフトウェアの稼働が保証されていることから、アプリケーションはあらゆるクラウドおよびオンプレミス間で相互に移行できるという。広く使われているオーケストレーションエンジンの中で「DC/OS(Data Center Operating System)」または「Docker Swarm」を選択できる。
DC/OSについては同日、マイクロソフトを含む50社以上のパートナーとともに、米Mesosphereの「Mesosphere DCOS」をベースにオープンソース化した「DC/OS」プロジェクトが発表された。
一方、Docker SwarmはDockerスタックを使用することから、Azure Container ServiceでオーケストレーションエンジンとしてDocker Swarmを選択した場合、アプリケーションの管理にあらゆるDocker互換ツールを利用できる。Azure Container ServiceはDocker Swarmにより、「Docker Universal Control Plane」と同じオープンソース技術を使った“Dockerネイティブ”なソリューションを提供できるという。
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