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【 mv 】コマンド――ファイルやディレクトリを移動する/名前を変更するLinux基本コマンドTips(22)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「mv」コマンドです。

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 本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、ファイルやディレクトリを移動するための「mv」コマンドです。また、mvコマンドは、ファイル名やディレクトリ名の変更にも使用できます。

mvコマンドとは?

 「mv」は、ファイルやディレクトリを移動したり、リネームしたりするコマンドです。「mv ファイル 移動先ディレクトリ」とすると、ファイルが指定したディレクトリに移動されます。異動先にファイル名を指定した場合は、「ファイルからファイルへの移動=リネーム」となります。この場合、既存のファイルを指定すると「上書き」となります。


mvコマンドの書式

mv [オプション] 移動元 移動先

mv [オプション] ファイル1 ファイル2…… 移動先ディレクトリ

※[ ]は省略可能な引数を示しています



mvコマンドの主なオプション

 mvコマンドの主なオプションは次の通りです。

短いオプション 長いオプション 意味
-f --force 移動先に同名ファイルがあっても確認せずに上書きする
-i --interactive 上書き前に確認する
-n --no-clobber 既存のファイルを上書きしない
-u --update 移動先にある同名ファイルのタイムスタンプが同じ、または新しい場合は移動しない
-t ディレクトリ名 --target-directory=ディレクトリ名 「-t」で指定したディレクトリに移動する
-T --no-target-directory 移動先(最後の引数)がディレクトリでも特別扱いしない(「cp」コマンド[応用編その1]参照
--strip-trailing-slashes 移動元ファイルの最後にあるスラッシュ(/)を取り除く
-b --backup=方法 上書きされるファイルのバックアップを作る(「ln」コマンド参照
[方法]:「numbered」または「t」の時は番号の添え字、「simple」または「never」の時は、ファイル名の末尾に「~」または「-S」オプションか環境変数で指定した文字を付けるシンプルなバックアップ(「-b」と同じ)、「existing」または「nil」の時は既にあるファイルに従う(ない場合はで「simple」と同じ)
-S --suffix=接尾辞 バックアップファイルを作る際の、ファイル名末尾に付ける文字(無指定時は、「~」1文字、または環境変数「SIMPLE_BACKUP_SUFFIX」に従う)
-v --verbose 経過を表示する
※「-f」「-i」「-n」を同時に使った場合は、最後に指定したものが有効になります


ファイルを移動する

 「mv ファイル1 ディレクトリA」と指定すると、「ファイル1」が「ディレクトリA」に移動されます。「mv ファイル1 ファイル2 ファイル3 ディレクトリA」のように、複数のファイルを指定することもできます。

コマンド実行例

mv ファイル1 ディレクトリA

mv ファイル1 ファイル2 ファイル3 ディレクトリA


$ ls -F
dir1/  file1.txt  file2.txt  file3.txt(カレントディレクトリにはファイル「file1.txt」「file2.txt」「file3.txt」と、ディレクトリ「dir1」がある。「-F」はファイルの種類を末尾に表示するオプション。ディレクトリの場合は「/」記号が表示される)
$ ls -F dir1/
$	(「dir1」には何もない)
$ mv file*.txt dir1/	(「file*.txt」を「dir1」へ移動。メッセージは表示されない)
$ ls -F
dir1/	(カレントディレクトリにあるのは「dir1」のみ)
$ ls -F dir1/
file1.txt  file2.txt  file3.txt	(「dir1」内に「file1.txt」「file2.txt」「file3.txt」が移動された)
$ mv dir1/file*.txt .	(「dir1」内の「file*.txt」をカレントディレクトリに移動)


ファイル名を変更する

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