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【 yum 】コマンド(応用編)――ファイルから収録パッケージを調べるLinux基本コマンドTips(43)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「yum」コマンドの応用編です。

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 本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、ソフトウェア(パッケージ)のインストールなど、“パッケージ管理”を行う「yum」コマンドの応用編です。

yumコマンドとは?

 「yum」は、Red Hat系のLinuxディストリビューションで使われている“RPMパッケージ”を扱うためのパッケージ管理コマンドです。


yumコマンドの書式

yum [オプション] コマンド [パッケージ名など]

※[ ]は省略可能な引数を示しています



yumコマンドの基本操作

yum install パッケージ名

(パッケージおよびそのパッケージに必要なパッケージを同時にインストールする)

yum update パッケージ名

(指定したパッケージがインストールされている場合、アップデートする。パッケージを指定しなかった場合はシステム全体がアップデート対象となる)

yum erase パッケージ名

(パッケージをアンインストールする。指定したパッケージに依存するパッケージも削除するかどうかの確認メッセージが表示される)




yumの主なコマンド

 yumで使える主なコマンドは次の通りです。

●パッケージ操作関係
コマンド 実行内容
install パッケージをインストールする
reinstall パッケージを再インストールする
downgrade パッケージをダウングレードする
erase パッケージを削除する
update システムのパッケージを更新する
update-minimal 「重要な更新」だけを更新する
upgrade 不要になったパッケージを考慮しながらパッケージを更新する
distribution-synchronization 最新の利用可能なバージョンへインストール済みパッケージを同期する
localinstall パッケージファイル(RPMファイル)を指定してインストールする
localupdate パッケージファイル(RPMファイル)を指定してアップデートする

●情報関係のコマンド
コマンド 実行内容
info パッケージもしくはパッケージグループの詳細を表示する
list パッケージグループの一覧を表示する
deplist パッケージの依存性の一覧を表示する
groups パッケージグループの情報を表示する
search 指定した文字列でパッケージの詳細を検索する
provides ファイルなどを指定して、該当するファイルを提供するパッケージを検索する
repolist ソフトウェアリポジトリの構成を表示する
version ホストが利用できるリポジトリのバージョンを表示する

●メンテナンス関係のコマンド・その他
コマンド 実行内容
check rpmデータベースの問題を確認する
check-update 更新に利用できるパッケージを確認する
clean キャッシュデータを削除する
shell 対話型のシェル(yumシェル)を実行する
updateinfo リポジトリの更新情報を表示する


yumコマンドの主なオプション

 yumコマンドの主なオプションは次の通りです。

短いオプション 長いオプション 意味
-y --assumeyes 全ての問い合わせに「yes」で応答したものとして実行する
--assumeno 全ての問い合わせに「no」で応答したものとして実行する
-t --tolerant エラーを黙認する
-R 分 --randomwait=分 最大の待ち時間を指定する
-c 構成ファイル --config=構成ファイル 構成ファイルを指定する
--installroot=場所 インストール先を指定する
--downloaddir=場所 ダウンロード先を指定する
--downloadonly ダウンロードだけを行う
-C --cacheonly パッケージの情報をダウンロードせずキャッシュだけを使用する
-x パッケージ --exclude=パッケージ 除外するパッケージを指定する(ワイルドカードも使用可能)
--color=指定 出力メッセージを色付きにするかどうかを「always」「auto」「never」のいずれかで指定する
-q --quiet 実行時にメッセージを出力しない
-v --verbose 詳しいメッセージを出力する


どのパッケージのファイルなのかを調べる

 「yum provides ファイル名」で、指定したファイルがどのパッケージからインストールされたものなのかを調べることができます(画面1)。

コマンド実行例

yum provides /etc/festival

(ファイル「/etc/festival」が、どのパッケージからインストールされたものなのかを調べる)


画面1
画面1 「yum provides /etc/festival」を実行。ファイル「/etc/festival」は、「festival」というパッケージのファイルであることが分かる


パッケージの情報を調べる

 「yum info パッケージ名」で、パッケージの情報を調べることができます(画面2)。パッケージ名は「Tab」キーで補完することができます。

コマンド実行例

yum info festival

(パッケージ「festival」の情報を調べる)


画面2
画面2 「yum info festival」で、「festival」パッケージがどのようなものなのかを調べる(【※】festivalの場合はインストール済みなので「man festival」で、festivalコマンドの詳細を調べることも可能)

 なお、インストールされていないパッケージも同じように表示できます。



パッケージのリストを表示する

 「yum list」でパッケージのリストを表示できます。既にインストールされているパッケージだけならば「yum list installed」、インストールしていないもの(=利用可能なもの)は「yum list available」で表示できます。どちらも指定しなかった場合は、両方が表示されます(画面3)。

コマンド実行例

yum list installed

(インストール済みのパッケージを表示する)

yum list available

(インストール可能なパッケージを表示する)

yum list

(全てのパッケージを表示する、「yum list all」相当)


画面3
画面3 「yum list」で全てのパッケージのリストを表示(数が多いので「more」コマンドを使っている)


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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