ベリタスがバックアップツールをバージョンアップ、仮想化やクラウド対応機能を強化:360度データ管理とは
ベリタステクノロジーズは、バックアップ製品の最新版「Veritas NetBackup 8.0」を提供開始した。Windows Server 2016とVMware vSphere 2016に対応し、Microsoft AzureやOpenStackなどクラウドストレージへの互換性を強化した。
ベリタステクノロジーズは2016年12月6日、エンタープライズ向けバックアップ製品の最新版「Veritas NetBackup 8.0」(以下、NetBackup)を提供開始した。併せて、「360度データ管理ソリューション」を2017年1月以降に提供開始すると発表した。
NetBackup 8.0では、仮想化やクラウドに対応するバックアップ機能を強化。Windows Server 2016あるいはVMware vSphere 2016のシステムに対応し、仮想マシンをバックアップする際に、ゲストOSへのバックアップ用エージェントの組み込みを不要とした。また、必要とする個々の仮想ディスクファイル(VMDK)のみをリストアできるようにし、より高速にリカバリーできるようにした。Hyper-Vによる仮想マシンのバックアップは、新たに備えた「NetBackup Accelerator for Hyper-V」によって、従来比で最大100倍高速化できるという。
Microsoft AzureやOpenStackなどに構築するクラウドストレージへの互換性も強化した。オンプレミス環境からクラウド環境までのバックアップに対応し、バックアップイメージをクラウドストレージに保存することも可能。Amazon Web Services(AWS)のマシンイメージも用意しており、AWSにNetBackupを素早く配備できる。
一方、360度データ管理ソリューションは、NetBackupを中核に、非構造化データを可視化する「Veritas Information Map」、リカバリー向けの「Veritas Resiliency Platform」、コピーデータ管理用の「Veritas Velocity」の3つの機能を統合したもの。
ベリタステクノロジーズによると、同ソリューションを利用することで、「データがどこに存在していてもバックアップとリカバリーの成功率はほぼ100%となる。既存の環境のままグローバルに散在するデータを可視化することで、ビジネス回復力を高め、コピーデータの統合管理が実現し、企業は最も重要な資産であるデータを保護、管理、活用できる」としている。
Veritas Information Mapは、NetBackupでバックアップしたデータをグラフィカルに表示するツールだ。NetBackupカタログのデータを可視化し、リスクとコンプライアンスの管理やストレージの使用容量の最適化に役立つという。
Veritas Resiliency Platformは、NetBackupと統合することで、マルチプラットフォーム、マルチベンダーのプライベートクラウド環境、パブリッククラウド環境、ハイブリッドクラウド環境を問わず、ワークロードの移行、フェイルオーバー、フェイルバック、データ保護、中断なしのリカバリーテストなどを実行可能にする。
Veritas Velocityは、NetBackupによるバックアップデータに対して、利用者がセルフサービスでアクセスできるようにするもの。管理者による、物理コピーやリソース依存関係の管理を不要にする。バックアップデータから仮想マシンのデータに変換し、プロビジョニングすることも可能だ。
なお既存のNetBackupのユーザーは、現行のメンテナンス契約でバージョン8.0に無償アップグレードできる。さらに、ビジネス要件に応じて360度データ管理ソリューションも利用できるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NetBackup 7.5は「100倍の高速化」でバックアップ統合目指す
- VMware Consolidated Backupのメリットと課題
VMware Consolidated Backup(VCB)は、各仮想マシンで別個にバックアッププロセスを走らせることなく、統合的なバックアップを実現する。このためバックアップにおけるサーバへの負荷が大幅に軽減される。しかしVCBの利用が必ずしも適さないケースもある - ディスクドライブの利用効率化機能も強化:新NetBackupは“まとめる”、“広げる”