連載
“死のブルースクリーン”が発生したが、自動フェイルオーバーされなかった(フェイルオーバートラブル):SQL Serverトラブルシューティング(35)(2/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は「BSODが発生しても自動フェイルオーバーされなかった場合の対処方法」を解説します。
解決方法
まず、BSODが発生したノードの障害をあらためて確認し、ノードの復旧を試みます。
もし復旧に時間のかかる障害だった場合は、「強制クォーラム」(*2)を使って投票権を移し、正常なノードのみで起動させることを検討します。
そして、障害が復旧したら、必要に応じて投票の構成を見直します(*3)。今回の例のように2ノード構成であれば、監視ファイル共有を加えて投票数が奇数になるように変更するとよいでしょう。
「BSODが発生しても自動フェイルオーバーされなかった」場合の対策手順
- クラスタサービスの状況を確認する
- 復旧に時間がかかる場合には、「強制クォーラム」によりクラスタサービスを起動する
- 復旧後、必要に応じて投票権の設定を変更する
本トラブルシューティングの対応バージョン:SQL Server 2012以降
筆者紹介
内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)
ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。
椎名 武史(しいな たけし)
ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「SQL Server 2016」に搭載される新たなセキュリティ対策を追う
パブリックプレビューが公開されているマイクロソフトのRDB次期版「SQL Server 2016」。特徴の1つとするセキュリティ対策機能のポイントと目指すところをキーパーソンに聞いた。 - そもそも、リレーショナルデータベースとは何か?
データベースを基礎から勉強し理解を深めていくことは簡単なことではありません。本連載では、データベースに対するハードルを少しでも低くするために、初心者の方に必要なデータベースの基本から、障害対策やチューニングといった実践に即した内容までを幅広く解説していきます。今回は、データベースの役割と、それを管理するソフトウェアであるDBMSの基本機能について解説します。【更新】 - データの登録を行うINSERT文
- 複数の条件を指定してSELECT文を実行する
前回は、SELECT文の初歩の初歩を解説しました。今回は、複数の条件を指定して、目的のデータを取り出す方法を解説します(編集部) - Oracle運用の基本「ログ」を理解しよう
本連載では、Oracle Database運用の鍵となるトラブル対処法について紹介していきます。第1回、第2回では情報収集の要となるログについて見ていきます。ログの出力情報は10gと11gとでは大きく異なる点がありますので、それぞれについても確認しておきましょう。