VeloCloudとネットワンのSD-WAN、三谷産業が自社での導入について説明:VeloCloudはクラウド指向を強調
米VeloCloud Networksとネットワンシステムズは、VeloCloudのSD-WAN製品/サービスと、これに基づくネットワンの「クラウドSD-WANサービス」について説明。このなかで顧客事例として、三谷産業が本社とベトナム拠点を結ぶSD-WANの利用について語った。
米VeloCloud Networksとネットワンシステムズは、VeloCloudのSD-WAN製品/サービスと、これに基づくネットワンの「クラウドSD-WANサービス」について説明。このなかで顧客事例として、三谷産業が本社とベトナム拠点を結ぶSD-WANの利用について語った。
三谷産業は健康食品向け原料、空調設備関連のCAD設計、自動車用の樹脂成形部品などに関する事業を行っていて、ベトナムの4拠点でCAD設計業務などを行っているという。三谷産業 情報システム事業部 産業ビジネス営業部 産業ビジネス営業第二部課長の桶葭宗賢氏によると、同社はビデオ会議専用に、本社とこれら4拠点を国際専用線それぞれ1本で結んでいた。これについて2016年10月にクラウドSD-WANサービスを採用、各拠点を異なる事業者のブロードバンド回線2本で接続する構成に変えたという。
これにより、回線コストは1拠点当たり25万円から約1万円に削減できた。また、これまでは年数回、国際専用線の接続が遮断されることがあったが、複数事業者のブロードバンド回線2本の構成に変えたことにより、サービスの中断がなくなったという。
採用理由の1つとして、桶葭氏は検証の結果、テレビ会議の品質に影響がなく、ファイル転送のスループットが向上した点を挙げている。現在はビデオ会議専用の回線に使っているが、今後はグループウェアやビデオ会議ウォール、CADデータ転送などにも活用していきたいという。また、ベトナムにおける日系企業のSD-WAN利用サポートをビジネスとして推進していきたいと話している。
VeloCloudはクラウドベースのアーキテクチャを強調
VeloCloud CEOのサンジェイ・アッパル(Sanjay Uppal)氏は、同社のSD-WANソリューションの優位性として、クラウドベースのアーキテクチャ、リアルタイムアプリケーションの性能維持機能、マルチテナント管理を挙げた。「クラウドベースのアーキテクチャ」とは、VeloCloudがパブリッククラウドをIPsec VPNのハブとして使う構成(つまり全ての顧客拠点をクラウドにつなぎ込む)に基づくサービスであることを指している。アッパル氏は筆者に、「VeloCloudのWAN接続機器(CPE)を顧客拠点に導入してもらうことは、当社にとって重要ではない。シスコシステムズやジュニパーネットワークスのルータを容易につなげられるようにし、サービスのみで成立するビジネスモデルにしている」と説明した。
アッパル氏は今後の注力分野として、セキュリティやIoT、フォグコンピューティングを挙げている。セキュリティについてはパートナーとなる通信事業者やシステムインテグレーターにホステッドセキュリティサービスを提供してもらう他、WebセキュリティではForcepointやZscalerと提携、一方自社サービスではアクセス制御やマルチテナントのセグメント管理などに力を入れているという。IoTに関しては、省電力無線通信技術など、関連する通信技術への対応を進めていくという。
ネットワン ビジネス推進本部 執行役員の篠浦文彦氏は、同社がVeloCloudの技術を使って2015年10月より提供しているクラウドSD-WANサービスについて、三谷産業のように海外に展開している日本企業のSD-WAN活用を促進するため、海外でのサポート活動を強化していきたいと語った。
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