日本上陸、「3才からプログラミングが学べる」という知育玩具「キュベット」を使ってみた:Kickstarterで大成功
「3才からプログラミングが学べる」というおもちゃ、「キュベット(Cubetto)」の国内販売が始まった。筆者はクラウドファンディングサイトを通じて、2016年12月に入手している。本記事ではそのインプレッションをお届けする。
クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で、6500人以上のバッカー(支援者)から約160万ドル(1ドル=113円換算で約1億8000万円)を集めた知育玩具、「キュベット(Cubetto)」が、2017年2月中旬より日本国内の店頭などでも購入できるようになった。筆者はKickstarterのバッカーの1人として、2016年12月にこれを入手している。そこで、利用インプレッションをお届けしたい。
キュベットはシンプルなおもちゃだ。「キュベット」という名前の箱型ロボット、操作盤として機能する「ボード」、ボードにはめ込む「ブロック」で構成されている。そして、ボードにどのブロックをどの順番ではめ込むかによって、ロボットの動きをプログラムできるようになっている。
ブロックは、色にロボットの動きが割り当てられている。緑色が「前進」、赤色が「右に90度回転」、黄色が「左に90度回転」。水色は「ファンクションブロック」で、後述するがこれがキュベットの面白さにつながっている(なお、開発元の英Primo Toysは、Kickstarterでの成功を記念して、バッカー向けにランダム、後退のブロックを追加提供したが、日本で販売されているパッケージには含まれていないようだ)。
さまざまな色のブロックを、ボード上の線(「キュー」)に沿って好きな順ではめ込む。終わったらボード上の丸いボタンを押す。すると、ブロックの順番でロボットが動く。
これを使って簡単な迷路ゲームのようなものができる。「ワールドマップ」というシートと、これにマッチした簡単な絵本のような「ストーリーブック」があり、これに沿ってシート上の特定のマスにたどり着くようなプログラミングを、大人が子供に促すなどができる。
また、1回の前進距離が15センチだということを利用して、シートを使わずにテープなどで道を作り、ロボットにたどらせるといったこともできる。「障害物の間を縫うように動かす」「ロボットの上に軽い物を置いて運ばせる」なども考えられる。
「関数」も表現できるようになっている
上記のように、キュベットはボードに前もって入力した命令を、順序に従ってロボットが実行するおもちゃ。動きは前進(および後退)と回転のみ。それだけといえばそれだけだ。
それだけだが、キュベットを、より「プログラミングが学べる知育玩具」らしくしている要素として、ファンクションブロックの存在がある。
キューにはブロックを最大12個しかはめ込めず、これだけでは複雑な動きが実現できない。だが、ボードの最下部には「ファンクションライン」と呼ばれる部分があり、ブロックを最大4個はめられるようになっている。これを関数として扱える。
ファンクションラインに並べたブロックを、水色のファンクションブロック1個でまとめて表せる。これにより、キューに配置できるブロック数の限界を超えた、多様な動きを作り出すことができる。子どもにとっては、命令の階層化を無意識のうちに体験しやすくなっている。
知育玩具らしい点をもう1つ指摘することができる。ボード上でブロックをはめ込む部分の横にインジケーターランプのようなものが付いていて、「今、ロボットは『プログラム』のどこを実行しているか」が視覚的に追えるようになっている。また、ステップごとの実行、およびプログラム実行の終了を、音で知らせるようになっている。
3、4才くらいの子どもに適している?
上記でお分かりのように、キュベットを「プログラミングが学べるおもちゃ」と表現するのは多少行き過ぎのように思われる。少なくとも「レゴ マインドストーム」や、キュベットの日本上陸と同時期にデビューしたソニーの「KOOV」などと比較すべきものではない。それよりも、「男の子、女の子を問わず、プログラミング的なことに興味を持つきっかけとなり得る、面白いおもちゃ」と捉えると、キュベットの魅力が理解しやすい。
キュベットはシンプルさが身の上だ。子どもが千差万別なのは承知の上で私見を述べると、物を自分の意思通りに動かすことに喜びを持ち始める3、4才の頃、特に他の子どもと一緒に遊べる機会があれば、はまりやすいのかもしれない。
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