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レビュー効果はそのままに、時間と手間を大幅削減する方法レビューがうまくいかない理由(2)(1/4 ページ)

レビューには時間がかかるものというイメージがある。しかし案外省略できる部分は多い。レビューの無駄取りの方法を紹介する。

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 レビューには時間がかかるものというイメージがあります。しかし案外省略できる部分は多いものです。前回はソフトウェアレビューでありがちな失敗例と成功させるための8つのポイントを紹介しました。今回はレビューを効率化するポイントを、「欠陥検出」と「レビュー会議における欠陥指摘」に分けて解説します。

なぜレビューに時間がかかるか

 レビューに時間がかかることを課題と感じている方も多いと思います。「効果は分かるんだけど何となく気が乗らない」という方の多くは、「レビューに時間がかかるのにそれに見合う効果が得られていない」と感じているのではないでしょうか。

 時間がかかって効率を落としている原因はさまざまです。レビューアーが指摘する欠陥の多くが重複していたり、検出する必要のない欠陥を検出しようとしていたり、深追いし過ぎていたりといったことがあります。また、指摘のためのレビュー会議で、欠陥や問題の説明に時間がかかっていたりすることはないでしょうか。

 例えば、次のような状況です。

レビュー会議にて……

レビューアーA この接続リクエストのトリガーが2種類あるように思います。トリガーの1つは外部の連携システム、もう1つは手作業によるリクエストです。仕様の文章を読む限りでは、トリガーは連携システムのみのように読めるので、このままで開発を進めると前提条件を誤ってしまうように思いました。明記しておいた方が良いと思います。

レビューアーB 私もそう思いました。

レビューアーC 私もそう思ったんだよ。連携システムからの接続も手作業による接続も同じくらいの頻度で起こるトリガーだしね。それにもう1つ監査用の接続リクエストがあったはず。これもトリガーの1つだから、チェックしないといけない。通常の連携システムのリクエストよりも高い優先順位で受け付けることになっているから、その通り実現できるのか確認しないとね。今回はこの部分に変更はないから大丈夫だったんじゃないかな。

リーダー Cさん、今回の更改から、監査は連携システムのうちの1つとして扱うことになったので、レビューでは監査用の接続リクエストの確認は必要なくなりました。ですので、省略しますね。

レビューアーC え、そうなの……そのことを知らずに本格的に確認したら無駄になるところだった。

リーダー こういうものが、他にもありそうですね。一度洗い出してみないといけませんね。それとAさん、Bさん、Cさんとも同じ欠陥を検出しているので、安心といえば安心なのですが、この重複もちょっと気になりますね。

 こうした欠陥検出の重複や、必要以上に深追いしているところがないか確かめ、改善することによりレビューを効率化します。本稿では、(1)欠陥検出、(2)欠陥指摘(レビュー会議)に分けて改善策を紹介します(図1)。

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図1 概要

 (1)欠陥検出では、まずレビューアー間で重複する欠陥検出を減らします。次に、検出の必要のない欠陥や、検出の優先順位が低い欠陥がないかを確かめ、それらの検出を省略できないか検討します。次に欠陥や問題がないかを確認する箇所を絞ります。(2)欠陥指摘では、説明にかかる時間を減らす方法を説明します。

 では、(1)から見ていきましょう。

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