Microsoft、アプリ開発管理支援ツールの最新版「Team Foundation Server 2017 Update 2」を公開:全チーム、全作業の進捗を把握するための管理機能などを強化
Microsoftが、Visual Studioによるアプリ開発やチーム支援ソフトウェアの最新版「Team Foundation Server 2017 Update 2」を公開。アプリケーション開発におけるバージョン管理やコード共有、タスク管理、プロジェクトを円滑に進めるためのチーム間連携を支援する。
Microsoftは2017年7月24日(米国時間)、「Team Foundation Server(TFS)2017 Update 2」を公開したと告知した。
TFSは、アプリケーション開発におけるバージョン管理やコード共有、タスク管理と、プロジェクトを円滑に進めるためのチーム間連携を支援する、Visual Studioと組み合わせて使うツール群。TFS 2017 Update 2で更新された主要機能は以下の通り。
配信計画
「配信計画」は、共通のタイムライン上で複数のチーム単位での作業を一元的に把握できるようにする機能。作業を任意の粒度で表示し、期限に向けた全チーム、全作業の進捗を把握するための管理体制を支援する。
配信計画は特に、組織内で4つ以上のチームで作業を進めている場合に効果があるという。TFS 2017 Update 2以降に「Delivery Plans」拡張をインストールすることで利用できるようになる。
作業項目の検索
作業項目の検索を、コード検索で使うものと同じ「Elastic Search」ベースのインフラを使って実現する。これまでより直感的に作業項目を探せるようになる。
プル要求とブランチポリシー
プル要求とブランチポリシーも多くの点で改良。例えば、以下のことをできるようになった。
- プレビュー版への参加メンバー追加、また、これらのメンバーがプレビュー版更新の通知を受け取り、かつ更新の追跡を行うといった管理が容易になった
- コメントの管理(フィルター処理、返信、解決、完了の追跡)が容易になった
- ブランチポリシーが編集しやすくなった
- 1つのブランチに複数のビルドを構成できるようになった
新しいGit機能
コミット履歴グラフや、Gitタグの追加/検索のサポートといった新しいGit機能が追加された。
新しいビルド定義エディタ
TFSのビルドシステムにも多くの改良が加えられた。この大きな改良点の1つが「ビルド定義エディタ」となる。
具体的には、アプリケーションの種類に応じたビルドテンプレートを使って、効果的にビルドを開始できるようになる。また、ドラッグ&ドロップでタスクを作成できるようになったことで、ビルドプロセスの構築作業も容易になった。
この他、ビルド定義やテンプレートで新しいプロセスパラメータを使うことで、主要な引数を指定してタスクに渡せるようになる。条件付きビルドタスク機能として、整理整頓的作業や異常時のメッセージ送信などのビルドタスクを効果的に制御するための工夫も盛りこまれている。
リリース管理
リリース管理とデプロイ機能も細かい部分で改良されている。
- コンテナベースアプリケーションのデプロイ、例えば、Azure Container Service、Azure Service Fabric、Kubernetesなどをサポート
- 並行デプロイをサポート
- Java、Node、PHP、Python Azure Webサイトのサポート
- iOSアプリの署名とApple Storeへの公開サポート機能を改善
- 複数のトリガーソースやGitリポジトリのブランチなど、リリーストリガーが多様になった
- リリース承認機能の改善
- Azure Government Cloudへのデプロイのサポート
「ビルド」「リリース」「テストの自動化エージェント」が統一
最後に、TFS 2017 Update 2では「ビルド」「リリース」「テストの自動化エージェント」が統一された。
これによって、プールでエージェントを共有しやすくなる。Web UIからの自動テストの手動トリガーも新たにサポートしている。
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