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Windows 10 Fall Creators Updateがやってきた! 急いでアップグレードするその前に……山市良のうぃんどうず日記(109:特別編)(1/2 ページ)

Windows 10の最新バージョン「Windows 10 Fall Creators Update バージョン1709(ビルド16299)」がリリースされました。「出勤しようとしたら、突然、アップグレードが始まって困った」「早く帰りたいのにPCの電源を落とせない」なんてことにならないよう、まだ準備ができていない、そして、まだWindows Updateで検出されないのであれば、今が備えるチャンスですよ。

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Fall Creators Updateがまだ来てないなら、今が備えるチャンス!

 「Windows 10 Fall Creators Update バージョン1709(ビルド16299)」が、2017年10月17日(日本時間18日未明)にリリースされ、Windows Updateによる段階的な配布が開始されました。「手動更新」の場合は、すぐにアップグレードを開始することができます。Windows Updateの場合は、「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」という名前で提供されます(画面1)。

画面1
画面1 Windows 10 Fall Creators Updateは、「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」としてWindows Updateで提供される

 この「機能更新プログラム」を取得するための数GBのファイルダウンロードからインストールの準備、そしてアップグレードの開始までにはかなりの時間がかかります。その間、コンピュータやネットワークが重く(遅く)感じられるかもしれません。そして、再起動中は一定時間、コンピュータを利用できなくなります。Windows Updateの自動更新は、あなたの今日の仕事や予定、利用中のインターネット回線の状況を考慮しれくれません。

 本連載では何度も説明してきたことですが、この「機能更新プログラム」、以前は「機能アップグレード」という名前で呼ばれていたように、“新しいバージョンのWindowsへのアップグレードインストール”です。ご使用の環境(ハードウェアやソフトウェア)によっては、ブルースクリーン(Blue Screen of Death:BSoD)が発生してWindowsを起動できなくなったり、ディスクの領域不足でアップグレードに失敗したりと、トラブルに遭遇する可能性があることに注意が必要なのです。

 まだ、Windows Updateに「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」が来ていないのであれば、潜在的なトラブルを回避する猶予があるということで、今が絶好のチャンスというわけなのです。

 お使いのコンピュータがWindows 10 Homeではなく、Windows 10 Proを実行している場合は(企業向けのEnterpriseや教育分野向けのEducationといったライセンス製品については、今回は省略します)、「設定」アプリにある「更新とセキュリティ」の「Windows Update」から「詳細オプション」を開いて、ブランチ準備レベルを「Current Branch for Business」に変更しておきましょう(画面2)。

画面2
画面2 ブランチ準備レベルを「Current Branch for Business」に変更することで、自動更新によるアップグレードをおおむね4カ月(既定)延期できる(この画面は、Fall Creators Updateからは結構変更が入るのでご注意)

 これでWindows Updateでは、おおむね4カ月先まで「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」が検出されなくなります(Windows 10 バージョン1703の場合はさらに365日延期するオプションがあります)。

 その間にゆっくりと情報収集や事前準備を行い、準備ができたら自分の都合の良いタイミングでアップグレードすればよいのです(Current Branchへの切り替え、または後述する手動更新で)。筆者は、仕事用のメインコンピュータの1台については、この方法で都合の良い時期がくるまでアップグレードを延期するつもりです(年末年始にアップグレードしようと思っています)。

 少なくとも10日間は簡単かつ素早く元のバージョンに戻す(ロールバックする)オプションが利用できます。以前は「30日間」の猶予がありましたが、Windows 10 Anniversary Update バージョン1607で「10日間」に短縮されました(バージョン1709で延長されたという話は聞いていません)。

 しかし、10日以上過ぎてから重大な問題に遭遇しないとも限りません。その場合でも、別の方法でロールバックできるように、システムのフルバックアップを作成しておくことをお勧めします。

Windows Updateを「手動更新」する方法あれこれ

 まだWindows 10 Fall Creators Updateにアップグレードしていないのであれば、今のうちにお使いのコンピュータのハードウェアやソフトウェア(特にマルウェア対策ソフトに注意)について、何か重大な問題が報告されていないかどうか、対処方法が示されていないかなど、情報収集に努めましょう。Windows 10 Proユーザーなら前述の方法でしばらく猶予が得られますが、Windows 10 Homeユーザーは急いで確認した方がよいでしょう。

 特に問題がないようでしたら、後はWindows Updateにお任せしてもよいのですが、自分の都合に合わせてアップグレードしたい場合は、以下のいずれかの方法でアップグレードします(【注】EnterpriseやEducationなどボリュームライセンス製品には使用できません。また、MSDN(Microsoft Developer Network)サブスクリプションのメディアでインストールしたHomeやProエディションにも使用できないと思います)。


  • Windows 10更新アシスタント
  • メディア作成ツール

 どちらも、以下の「Windows 10のダウンロード」ページから実行できます。

 「Windows 10更新アシスタント」は、ハードウェア/ソフトウェアの互換性をチェック後、インストールソースのダウンロードとアップグレードを開始します。アップグレード対象のコンピュータが1台しかない場合はこの方法が早いでしょう。同じアーキテクチャ(x86またはx64)、同じエディションを実行するアップグレード対象のコンピュータが複数台ある場合は、メディア作成ツールを使用するのが効率的です。Windows 10更新アシスタントは、「Windows 10のダウンロード」ページで「今すぐアップデート」をクリックして開始できます(画面3)。

画面3
画面3 「Windows 10更新アシスタント」を使用した互換性チェックとアップグレード

 ただし、ディスクに空き領域が足りない場合は、アップグレードに失敗します。例えば、x86エディションの場合、8GBの空き領域が必要と言われました(画面4)。ディスク容量の少ないタブレットPCなどでは、この問題に遭遇するかもしれません。

画面4
画面4 x86版の場合、8GBの空き領域がCドライブに必要(x64版については未確認)

 空き領域が微妙な場合は「ディスククリーンアップ(Creanmgr.exe)」ツールを管理者権限で実行して、削除可能な項目を全てクリーンアップすることで、数GBの空き領域を確保できるはずです。

 もう1つの「メディア作成ツール」を使用した方法であれば、アップグレード中にインストールソースがダウンロードされないため、もっと空き領域が少ない場合でも成功する可能性があります。

 メディア作成ツールは、インストールソースをダウンロードして、ローカルコンピュータまたは別のコンピュータのアップグレードやクリーンインストールに使用できる、USBメディアまたはISOイメージ(こちらはご自身でDVDメディアへの書き込みが必要)を作成するツールです(画面5)。

画面5
画面5 「メディア作成ツール」を使用したUSBメディアまたはISOイメージの作成。ディスクの空き容量問題を回避できる可能性がある

 メディア作成ツールは「Windows 10のダウンロード」ページで「ツールを今すぐダウンロード」をクリックして実行します。完成したメディアのルートにある「Setup.exe」を実行することで、アップグレードを開始できます。

 なお、将来、より新しいビルドイメージを含むインストールソースが提供されることがあるため、メディア作成ツールによるインストールメディアの作成は、実際に作業する直前に行うことをお勧めします(将来の作業を行う場合、以前に作成したメディアがあったとしても、再作成することをお勧めします)。

 ちなみに2017年10月19日16時の時点で、筆者の個人(仕事用サブノート)のWindows 10 Proと家族用のWindows 10 HomeのWindows Updateは、まだ「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」を検出していません。仕事用のサブノートPCはWindows 10更新アシスタントで、他の2台はUSBメディアからアップグレードし(ディスクの空き容量が足りないので)、いずれも問題なく完了しました。筆者のWindows 10 Fall Creators Updateは今のところ快適ですし、ハードウェアやソフトウェアの互換性問題も発生していません。

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