【 host 】コマンド――ドメイン名からIPアドレスを調べる:Linux基本コマンドTips(157)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ドメイン名からIPアドレスを調べる「host」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ドメイン名からIPアドレスを調べる「host」コマンドです。
hostコマンドとは?
「host」コマンドは、nslookupコマンド(第156回)同様、ドメイン名からIPアドレス、あるいはIPアドレスからドメイン名を調べるコマンドです。
nslookupコマンドとは異なり、対話モードを備えていません。シンプルな表示が特徴です。
hostコマンドの書式
host [オプション] ドメイン名またはIPアドレス [DNSサーバ]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
hostの主なオプション
短いオプション | 意味 |
---|---|
-a | DNSに登録された全てのレコード情報を表示(-v -t any相当) |
-v | 詳細な情報を表示 |
-d | デバッグモード、詳しい情報が表示される(-v相当) |
-t タイプ | 検索対象となるタイプを指定する(a、ns、md、mf、cname、soa、mb、mg、mr、null、wks、ptr、hinfo、minfo、mx、uinfo、uid、gid、unspecなどを指定可能、全てを指定したい場合は「*」または「ANY」を指定) |
-l | 完全なドメインのリストを表示する(AXFRによるゾーン転送を使用する、「本当に必要なときのみ」に使用するよう推奨されている)※1 |
-4 | 問い合わせにIPv4のみを使用 |
-6 | 問い合わせにIPv6のみを使用 |
-T | TCP/IPを有効にする |
-w | タイムアウトしない |
-W 秒数 | タイムアウトまでの秒数を指定する |
-R 回数 | DNSサーバの応答がなかった場合のリトライの回数 |
-s | SERVFAILを受け取ったら問い合わせを終了する(SERVFAILはセカンダリDNSサーバから出力されるエラーで、転送元の設定に問題がある場合に発生する) |
-r | 再帰的な問い合わせを行わない。DNSサーバが他のDNSサーバに問い合わせず、自身の情報だけを使用する |
※1 AXFR(Authoritative Transfer)は名前解決の情報(ゾーン情報)を別のサーバから取得するゾーン転送プロトコル。DNSサーバ同士の同期などに使われる。
ドメイン名からIPアドレスを調べる
「host ドメイン名」で、対応するIPアドレスを調べます(画面1) ※2。詳細な情報を表示したいときは「host -a ドメイン名」と入力します。
※2 「host IPアドレス」と実行することで、対応するドメイン名を得ることもできる(「逆引き」と呼ぶ)。逆引きができるかどうかは、対象となるサーバ側の設定によって異なる。
コマンド実行例
host ドメイン名
host www.google.co.jp
(www.google.co.jpのIPアドレスを調べる)(画面1)
host -a www.google.co.jp
(詳細な情報を表示する)(画面1)
使用するDNSサーバを変更する
「host ドメイン名 DNSサーバ」で、問い合わせるDNSサーバを指定します(画面2) ※3。
※3 インターネット上では多数のDNSサーバがドメイン名とIPアドレスのひも付けを分散管理している。ネットワーク構成上最も近いDNSサーバに、hostコマンドが最初の問い合わせを行い、そのDNSサーバ上に情報がなければ、他のDNSサーバの情報も参照する(-rを指定しなかった場合)。コマンド実行例にある「8.8.8.8」はGoogle Public DNSが運営するDNSサーバのIPアドレス。
コマンド実行例
host ドメイン名 DNSサーバ
host www.google.co.jp 8.8.8.8
(8.8.8.8に問い合わせてwww.google.co.jpのIPアドレスを調べる)画面2
筆者紹介
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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