【 e4defrag 】コマンド――ext4ファイルシステムでデフラグを実行する:Linux基本コマンドTips(197)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ext4ファイルシステムでデフラグを実行する「e4defrag」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回はext4ファイルシステムでデフラグを実行する「e4defrag」コマンドです。
e4defragコマンドとは?
「e4defrag」は、ext4ファイルシステムの断片化(フラグメンテーション)を検査、解消するコマンドです(※1)。いわゆる「デフラグ」を実行できます。
Linuxを使い続け、ファイルの作成や削除を繰り返すと、利用していない連続した領域が次第に少なくなっていきます。このときHDDにファイルを保存すると、複数の部分に分かれて保存されることがあります。これを断片化といいます。
e4defragコマンドは、ディスクの断片化を解消し、ファイルの配置を最適な状態にできます。HDDにファイルを保存する際、連続した領域を利用できるようになるため、ファイルの読み書きに要する時間が短くなります。
※1 ファイルの管理方式や管理方式にのっとってフォーマットした記憶領域のことを「ファイルシステム」という。ext4はファイルシステム自体の更新情報を記録するジャーナリングに対応したファイルシステムであり、システム障害に強い。Ubuntu 14.04 LTSではデフォルトのファイルシステムとなっている。
e4defragコマンドの書式
e4defrag [オプション] 対象……
※[ ]は省略可能な引数を示しています。対象の指定方法は3種類(ファイル、ディレクトリ、デバイス名)。
e4defragの主なオプション
短いオプション | 意味 |
---|---|
-c | 現在の状態を確認する(デフラグを実行しない) |
-v | 状況を詳しく表示する |
フラグメンテーションの状態を確認する
「e4defrag -c 対象」で、対象がどの程度フラグメンテーションを起こしているのか確認できます(画面1、※2)。「対象」にはファイルやディレクトリ、デバイスを指定可能です。実行にはroot権限が必要です(連載第68回)。
例えば、「/home」を確認したい場合は「e4defrag -c /home」のようにします。
※2 画面1と画面2は、Ubuntu 14.04 LTSで実行した結果を用いた。
コマンド実行例
e4defrag -c 対象
(対象がどの程度フラグメンテーションを起こしているか確認する)
e4defrag -c /home
(/homeの状態を確認する)
デフラグを実行する
「-c」オプションなしで実行すると、最適化を実行します(画面2)。実行にはroot権限が必要です。
コマンド実行例
e4defrag 対象
(対象を最適化する)
e4defrag /
(/を最適化する)(画面2)
筆者紹介
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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