UbuntuでのGPUディープラーニング環境の構築【Ubuntu 16.04 LTS対応】:機械学習&ディープラーニング環境構築入門(1/4 ページ)
GPUを活用したTensorFlowやChainerによるディープラーニングを実践するための環境をUbuntu上に構築する際の選択ポイントと手順を説明する。
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0. ディープラーニングのOS環境の選択指針
TensorFlowやChainerなどのライブラリを使ったディープラーニング(Deep Learning)を始めようとしたら、まずはGPU付きのPCを手に入れてから環境構築を始めるだろう。もちろんクラウド環境を利用する方法も使えるが、ディープラーニングの試行錯誤に時間がかかって課金が膨らんでしまう不安もあるので、まずは手元のPCを使いたいという方が多いのではないだろうか。
手元のPCを使うとして、ディープラーニング環境用のOSとしては、ライブラリの対応にもよるが基本的にWindows/macOS(Mac)/Linuxが利用できる。ディープラーニングを本気で始めようと思ったら、GPUは必ず使いたい。CPUよりも汎用GPU(=GPGPU)による計算処理の方が高速なので、ディープラーニングの処理スピードが大きく違ってくるからだ。となると、MacではなくPC環境の方がマシンを構成しやすいので、LinuxかWindowsに絞られるだろう。
LinuxかWindowsかについてはユーザーの好みにもよるが、もともとのライブラリがLinuxのUbuntuファーストで開発されているものが多く、Windowsや他のLinuxディストリビューションであるCentOSなどよりも選択しやすい。また、ほとんどのライブラリがNVIDIA(エヌビディア)製のGPUにのみ対応しており、GPUが有効なDocker環境を構築したいニーズがあれば、通常のDockerではなくnvidia-dockerを使う必要があるが、これがLinux OS(Ubuntuなど)にしか対応していない。よって、さまざまな手法を試しつつディープラーニングを習得し実践していこうと考えている人の場合は、Ubuntuを選択するのが最適だ。
以上をまとめてPCやOSの選択指針を示すと、以下のようになる。
- Linux(Ubuntu): 最良の選択肢。GPU付きのPCで、本格的にディープラーニングを学び実践したい人は特に。本稿の対象プラットフォーム。
- Windows: 日常使いのPCや使い慣れた環境を使いたい人にとって最良。GPUも使え、TensorFlowなども使える(Chainerも使えるが正式にはサポートされていない)。Visual Studioで開発したい人には人気がある。
- macOS(Mac): CPUを使って手元のMacでディープラーニングを試したい人にとっては良い。Mac ProにNVIDIA GPUを搭載することも考えられるが、それならUbuntuの方が情報も多いので、Ubuntuにした方がよいだろう。
- Linux(CentOS/Red Hat Enterprise Linux): 手元にある使い慣れたLinux環境でデータサイエンスを実践したい人には良い。ただしライブラリはUbuntuに対応しているものが多く、積極的にこれらを選ぶ理由はないと思われる。
とういうことで今回は、オンプレミスのUbuntuにディープラーニング環境を構築する方法を紹介する。さっそく始めよう。
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