無償公開! AI関連のPDF『Future Computed』、I/O 2018 & Build 2018 のセッション動画:気になるニュース&ネット記事
電子書籍『Future Computed: 人工知能とその社会における役割』が無償公開。また、Google I/O 2018 と Microsoft Build 2018のセッションビデオも無償公開。さらにpandasの新バージョンリリースなど。機械学習関連の最新情報まとめ。
ご注意:本記事は、@IT/Deep Insider編集部(デジタルアドバンテージ社)が「deepinsider.jp」というサイトから、内容を改変することなく、そのまま「@IT」へと転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。
今回は、前回公開日2018年5月16日から本日25日までの、特に目を通しておきたい機械学習関連の最新情報をできるだけコンパクトにまとめた。ニュース情報で取りこぼしがないか、ざっとチェックしてみてほしい。
製品リリース関連
pandas 0.23.0 リリース
2018年5月15日、半年ぶりのpandasのメジャーリリースが行われた。
今回の注目機能として以下が挙げられている。詳しくは上記リンク先を参照されたい。
- Round-trippable JSON format with ‘table’ orient
- Instantiation from dicts respects order for Python 3.6+
- Dependent column arguments for assign
- Merging / sorting on a combination of columns and index levels
- Extending Pandas with custom types
- Excluding unobserved categories from groupby
注目のネット記事
無償ダウンロード: 『Future Computed: 人工知能とその社会における役割』
マイクロソフトが、日本語150ページの電子書籍(PDF)を下記リンク先で無償公開している。
内容は、「今から20年後という、AIが日常世界に存在する未来」に対して、マイクロソフトがどのようなビジョンや考えを持っているのかが示されている。章立ては以下のようになっている。
- 第1章 人工知能の未来
- 第2章 責任あるAI利用のための基準、政策、法規
- 第3章 AIおよび職業と雇用の未来
- さいごに 人間の創造性を強化するAI
イベントレポート: 機械学習工学研究会 キックオフシンポジウム
現在のところ、機械学習とソフトウェア工学は切り離された世界で進められることが多い。しかし最終的には、AIや機械学習はシステム全体の開発プロセスの一端に過ぎないのだから、「機械学習が含まれる開発・運用プロセスにソフトウェア工学の知見をもっと生かしていこう」という議論から、この研究会が設立されたとのこと。
その機械学習工学研究会(MLSE、「メルシー」と読む)の発足イベントが、2018年5月17日に開催された(ちなみに、筆者も参加して、手元にノートが残っているので近いうちに公開する予定)。下記リンク先の記事では、「基調講演1: ソフトウェア工学における問題提起と機械学習の新たなあり方」のセッション内容がまとめられている。
技術解説: Arm MLプロセッサ
Arm(アーム)社は、Arm MLは、主にモバイルデバイスやエッジデバイスをターゲットにした機械学習用のプロセッサである。その内容を説明する記事が公開されている。
- 【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】Armが機械学習専用プロセッサ「Arm ML」を投入へ - PC Watch
- ARM Details "Project Trillium" Machine Learning Processor Architecture
イベントレポート: Nervana NNPプロセッサ
一方、インテルは深層学習向けNNP(Neural Network Processor)である「Nervana NNPL-1000」についてイベントで商品提供時期などを発表している。
AIプロジェクトのアンチパターン
下記の記事の大筋は、AIプロジェクトの作業に対する理解不足があり、そのため適切な人員・役割の配置ができていないことなどが、プロジェクト失敗の原因として取り上げられている。そもそもの大本の原因として「経営層の問題」が指摘されている。
ニュース: MicrosoftがSemantic Machinesを買収
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セッションビデオ公開: Microsoft Build 2018
2018年5月7日〜9日に開催された開発者カンファレンス「Microsoft Build 2018」のセッション動画が公開されている。AIカテゴリのものは35本ある。いくつかピックアップすると以下のようなセッション動画が公開されている。
- AI Models using TensorFlow and Keras
- Machine learning at scale : Build 2018
- ML at scale on top of Azure + FPGA
- What's new with Azure Machine Learning
- Using AML Python SDK
- Deep learning at scale in Azure
- Demystifying Machine and Deep Learning for Devs
- DevOps for AI : Deploying everywhere
- Microsoft AI overview for developers
- Machine Learning and AI for .NET
- Notes from the field on customizing your AI
- Cognitive Services and Vue.js
- Cognitive Search: Announcing Azure Search
- Conversational AI: Best Practices for Building
- Cognitive Search: AI-Powered Content Augmentation
- Windows AI Platform and the Intelligent Edge
ちなみに日本では5月22日〜23日に開発者カンファレンス「de:code 2018」が開催され、AI関連のセッションも大盛況だった。こちらも例年通りであれば1カ月程度でセッション動画が公開されるのではないかと思う。
セッションビデオ公開: Google I/O 2018
2018年5月8日〜10日に開催された開発者カンファレンス「Google I/O 2018」のセッション動画も公開されている。プレイリストにはAIカテゴリをフィルターする機能がなさそうだったので、筆者が見つけた以下の20本を全てピックアップしておこう。
- Get started with TensorFlow's High-Level APIs in 5 mins | Google I/O 2018 - YouTube
- Distributed TensorFlow training (Google I/O '18) - YouTube
- TensorFlow and deep reinforcement learning, without a PhD (Google I/O '18) - YouTube
- TensorFlow Lite for mobile developers (Google I/O '18) - YouTube
- Get started with TensorFlow's High-Level APIs (Google I/O '18) - YouTube
- Advances in machine learning and TensorFlow (Google I/O '18) - YouTube
- TensorFlow in production: TF Extended, TF Hub, and TF Serving (Google I/O '18) - YouTube
- TensorFlow for JavaScript (Google I/O '18) - YouTube
- Intro to machine learning on Google Cloud Platform (Google I/O '18) - YouTube
- Effective machine learning using Cloud TPUs (Google I/O '18) - YouTube
- Top 5 Firebase announcements at Google I/O 2018 - YouTube
- What's new in Firebase (Google I/O '18) - YouTube
- ML Kit: Machine Learning SDK for mobile developers (Google I/O '18) - YouTube
- Machine learning models + IoT data = a smarter world (Google I/O '18) - YouTube
- Introducing AIY: Do-it-yourself Artificial Intelligence (Google I/O '18) - YouTube
- AI Adventures: art, science, and tools of machine learning (Google I/O '18) - YouTube
- Opportunities, challenges, and strategies to develop AI for everyone (Google I/O '18) - YouTube
- Bringing AI and machine learning innovations to healthcare (Google I/O '18) - YouTube
- Design, machine learning, and creativity (Google I/O '18) - YouTube
- I/O '18 Guide - Machine Learning - YouTube
コンテスト/資格試験/アワード/認定
オンライン講座: Machine Learning with TensorFlow on Google Cloud Platform
GoogleとCourseraが共同で、オンライン学習プラットフォーム「Coursera」上で受講できる、
という新たなコースを新設した。1週間の無償トライアルの後、(執筆時点で筆者が試した限りでは)毎月5232円が課金されるようである。内容について詳しくは下記のリンク先の記事を参照してほしい。
Python 3 エンジニア認定データ分析試験
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が、
という「Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験」を策定中で、開催時期などは未定とのことだ。受験料金は、1万円(学生:5000円)+消費税の予定。
参考実装
AI・機械学習の参考となる実装例をいくつかピックアップする。概要説明はしないので、直接リンク先を参照してほしい。
- 機械の目が見たセカイ -コンピュータビジョンがつくるミライ(52) ディープラーニングによる一般物体認識(1) – Region with CNN features | マイナビニュース
- 【強化学習】UnityとPythonを使ってDQNアルゴリズム実装してみた - Qiita
事例
AI・機械学習の事例についても、ピックアップだけで、概要説明は割愛する。
- 人工知能(AI)が人類を驚愕させた10の瞬間 : カラパイア
- AIが人間の行動を観察するだけで同じ行動を模倣する技術をNVIDIAが公開 - GIGAZINE
- 京大、機械学習により「動物の行動戦略」を解読することに成功 | マイナビニュース
まとめ
勉強会は無償のものが多く、今回、取り上げた電子書籍『Future Computed: 人工知能とその社会における役割』が無償公開されたり、Google I/O 2018やMicrosoft Build 2018のセッションビデオが無償公開されていたりと、情報収集やしやすい。本当に良い時代である。Hope this helps.
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