研究所の最先端技術をシリコンバレーのスタートアップと事業化――NEC、新会社「NEC X」を設立
NECが米シリコンバレーに子会社「NEC X」を設立。画像解析やAI分析といったNECの研究所が持つ技術を核に、シリコンバレーのスタートアップ企業やベンチャーキャピタルとの連携により、新事業開発を推進する。
NECは2018年6月20日、新会社「NEC X(エヌイーシー エックス)」を米国カリフォルニア州サンタクララに2018年7月に設立すると発表した。シリコンバレーのスタートアップ企業と連携し、エコシステムを活用した新事業開発を目指す。
NEC Xでは、NECの研究所が持つAIなどの先端技術と人材を核に、エコシステムを活用したオープンイノベーションによる事業化を推進する。シリコンバレーの企業家精神を備えた人材や競争力を持つ技術を育成するとともに、新事業の共創につなげたい考えだ。
ベンチャーキャピタルやアクセラレーター(スタートアップの事業支援プログラムや支援企業・団体)による事業創出支援を受けながら、新事業開発のエコシステムを展開し、先端技術や新事業アイデアを積極的に提供することで、アウトバウンド型の事業を立ち上げていくという。
まずは2018年7月から、シリコンバレーの研究開発企業Singularity Universityとともに、最短1年で新事業を立ち上げる「NEC アクセラレーター プログラム」を開始する。
なお、NECは、2018年1月に発表した「2020中期経営計画」で、競争力のある技術の収益化を加速する取り組みとして、共創型ソリューション開発の推進などによる事業開発力の強化を掲げている。今回のNEC Xの設立は、これを具現化する取り組みだという。また、NEC Xに先行して、2018年4月には米国カリフォルニア州クパチーノに、AIデータ分析ソフトの開発会社「dotData」(ドットデータ)を設立している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NEC、カメラ映像内の出現パターンを数値化し、不審者を高精度で絞り込む自動分類技術を開発
NECは、カメラの映像に出現する行動パターンの違いに注目し、不審者を高精度で絞り込む自動分類技術を発表。うろうろしている人、長時間立ち止まっている人などの出現パターンを、出現頻度、動き、滞在時間などで統計処理して数値化、可視化する。 - 人員削減に踏み込むNECは成長軌道に回帰できるか
NECが2020年度までの新たな中期経営計画を発表した。長らく厳しい経営状況が続く同社だが、果たして成長軌道に回帰することができるか。 - ITは進化し続ける、人間はどう進化できるか――NEC・新野社長
「共創」によって、企業のデジタル変革を進めるNEC。全てのものがつながり、AIの普及によって「進化し続けるIT」が当たり前になりつつある今、「人間が進化できるか」が今後の課題になると新野社長は考える。 - JSR、AI活用で品質検査を自動化するNECの「AI Visual Inspection」を導入 検品工数50%削減へ
JSRは、AIを活用して製造現場の検品業務を省力化するNECの「AI Visual Inspection」を導入。半導体材料の品質検査業務で稼働を開始し、検品業務の工数削減、製造品質の均一化などを図る。 - 水中カメラの映像からAIで養殖魚の体長や体重を自動測定 測定工数を6分の1に――ニッスイとNECが共同開発
NECとニッスイは、養殖魚の体長などの測定をAIで自動化するソリューションを共同開発した。水中カメラで撮影した魚群の映像から体長を自動測定し、体重も算出する。養殖魚全体の体長と体重の平均値や分布も把握可能。NECでは、2018年度下期に「魚長等測定自動化サービス(仮)」としてクラウドでの提供を予定している。 - NEC、スーパーマーケットでAIを活用するソリューションを発表
NECが、購買行動データや商品属性を活用したマーケティング、需要予測などにAIを活用するスーパーマーケット向けソリューションの提供を開始した。併せてIaaS対応の本部基幹業務ソフトとセミセルフPOS端末の新製品も発表。