Oracle、「Java SE 11(JDK 11)」の一般提供を開始:2026年までアップデートが提供される長期サポートリリース
Oracleは、「Java SE 11(JDK 11)」の一般提供を開始した。「TLS 1.3」「HTTP/2」をサポートし、開発生産性を高める多数の改良が加えられているという。
Oracleは2018年9月25日(米国時間)、「Java SE(Standard Edition)11/JDK(Java Development Kit)11」の一般提供を開始したと発表した。Java SE 11(JDK 11)は、「TLS 1.3」「HTTP/2」をサポートし、開発生産性を高める多数の改良が加えられているという。
Oracleは2017年に新しい6カ月ごとのリリーススケジュールを発表している。JDK 11は、このスケジュールに従った最初の「長期サポート(Long Term Support:LTS)」リリースだ。OpenJDK CommunityとJCP(Java Community Process)を通じて、Oracleのエンジニアと世界のJava開発者コミュニティーのメンバーとの幅広い協力によって開発された。
Java SE 11はOracleの長期サポート(LTS)の適用対象であり、Java SE 8を利用する企業は、Java SE 8の商用サポートが切れる2019年1月までに、自社のビジネスニーズに合わせて移行する必要がある(個人ユーザーのサポートは2020年12月まで)。Java SE 11のセキュリティとバグ修正アップデートは2026年まで提供される。
Java SE 11の主な新機能は以下の通り。
- ネストベースのアクセス制御:コンパイラがaccessibility-broadening bridgeメソッドを挿入する必要性をなくす
- 動的クラスファイル定数:新しい形式の実体化可能なクラスファイル定数の作成に伴うコストや混乱を軽減する
- ZGC:完全に受動的なGC(ガベージコレクタ)の実装。割り当て制限が限定されており、レイテンシのオーバーヘッドが最小限に抑えられている
- フライトレコーダー:JavaアプリケーションやHotSpot JVMのトラブルシューティングを行うための低オーバーヘッドのデータ収集フレームワーク
なお、Oracleは、企業全体でのJava SEのインストール、更新、アップグレードを管理できる有償のサブスクリプションサービス「Oracle Java SE Subscription」を提供している。セキュリティアップデートなど、企業がJava SE 11のサポートを受けるには、同サービスを契約する必要がある。
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