Microsoft、「Visual Studio 2019」のリリース候補版(RC)を公開:Community版でCodeLensが利用可能に
Microsoftは、統合開発環境「Visual Studio 2019」のリリース候補版(RC)を公開した。
Microsoftは2019年2月27日(米国時間、以下同)、統合開発環境「Visual Studio 2019」のリリース候補版(RC)を公開したと発表した。現在、公式サイトのダウンロードページからダウンロードできる。
同社は、2019年4月2日に正式版(GAリリース:Generally Available release)の提供開始をバーチャルローンチイベントで発表する計画を明らかにしており、今回のRCの公開は、それに先立つ最終ステップの一つだとしている。
「リリースチャネル」と「プレビューチャネル」を導入して提供
MicrosoftはVisual Studio 2019 RCの公開を機に、「リリースチャネル」と「プレビューチャネル」という2つの製品チャネルを導入した。2月27日以降、リリースチャネルでは「Visual Studio 2019 RC」が、プレビューチャネルでは「Visual Studio 2019 Preview 4」が提供される。両バージョンは共存させてインストール、利用できる。現時点では、両方のチャネルで同じ内容が提供されている。
4月2日以降、リリースチャネルでは正式版が提供され、導入済みのリリースチャネルビルドは正式版にアップグレードできる。正式版は本番環境に対応できるようになっている。プレビューチャネルでは、次のバージョンのプレビュー版(追加される新機能の早期リリースを含む)が引き続き提供される。
Microsoftは、Visual Studio 2019のこれまでのプレビュー版をインストールしている場合は、Visual Studio 2019 RCを共存させてインストールすることを勧め、プレビュー版を試していない場合は、Visual Studio 2019 RCを利用することを勧めている。
Visual Studio 2019 RCは、Visual Studioの従来バージョンのRCと同様に、サポートされているリリースであり、有効なライセンスが付属するが、「あくまで完成途上のリリースであり、4月2日まで、一部の要素はプレビュー段階のものである」ことに留意する必要があるとしている。
Microsoftは2つのチャネルによるリリース予定を、以下の図で説明している。
Visual Studio 2019のエディション
Visual Studio 2019のリリースチャネルとプレビューチャネルでは、それぞれVisual Studio 2019 RCとVisual Studio 2019 Preview 4の「Community」「Professional」「Enterprise」の各エディションを選んでダウンロードできる。
これまで、Visual Studio 2019のプレビューチャネルでは、Enterpriseエディションのみが提供されていた。Enterpriseライセンスを所有し、Visual Studio 2019 Previewを使い続けたい場合は、Visual StudioインストーラでPreview 4にアップデートすればよい。それ以外の場合は、プレビューチャネルかリリースチャネルで、ライセンスを受けているエディションに切り替える必要がある。
Microsoftは、Visual Studio 2019 Previewをインストールしている場合、ライセンスがあるエディションをインストールしてから、現行のVisual Studio 2019 Previewをアンインストールするよう勧めている。
ProfessionalとEnterpriseエディションは、機能が異なっている。例えば、Enterpriseは IntelliTrace、ライブ単体テスト、モバイルアプリ用の組み込みアセンブリ、リアルタイムアーキテクチャ検証などの機能を備えている。
Enterpriseエディションの新しい機能は、スナップショットデバッガや、プレビュー版が用意されるタイムトラベルデバッギング(TTD)が挙げられる。
Communityエディションでは、参照、「Application Insights」(リクエストと例外)、テスト(テストステータス、テスト実施者)に関する情報を表示できる「CodeLens」機能が利用できるようになる。これまでこの機能はProfessionalとEnterpriseでのみ提供されていた。
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