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「AutoML」の強化から「AI Platform」まで、Google Cloudが機械学習/AIで多数の発表需要予測などを自動化する「AutoML Tables」も

Google Cloudは2019年4月10日(米国時間)、Google Cloud Next ‘19で、機械学習/AIに関する多数の発表を行った。これらは、「ビジネスユーザーのAI活用支援」と「貴重な社内データサイエンティスト/データエンジニアの生産性向上支援」の2つに分けられるという。

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 Google Cloudは2019年4月10日(米国時間)、Google Cloud Next ‘19で、機械学習/AIに関する多数の発表を行った。これらは、「社内の関連ノウハウが乏しい組織、あるいは社内のビジネスユーザーのAI活用支援」と「貴重な社内データサイエンティスト/データエンジニア(Google Cloudは「AIビルダー」と呼ぶ)の生産性向上支援」の2つに分けられるという。

死蔵データをビジネスに生かす「Document Understanding AI」

 前者に関し、Google Cloudは「Document Understanding AI」のβ版を発表した。これは紙やPDF、Wordドキュメントなどの形で蓄積されているデータにおけるフォーム項目やテキスト、表、グラフなどを識別、情報を「構造化」した形で抽出し、自然言語分析や構造化データに基づく予測などができるサービス。

 用途としては、文書を電子化し、自動分類を適用して高度なドキュメント管理を行うといった業務プロセス効率化に留まらず、さまざまな分析を通じ、死蔵されているデータから顧客理解、ビジネス成長に向けた知見などを得ることができるとGoogle Cloudは説明している。Box、DocuSign、Iron Mountainなどのサービスと容易に連携できるという。

 一方、AIエージェント(チャットボット)を活用してコールセンター業務を自動化する「Contact Center AI」は、2018年のGoogle Cloud Nextで発表されたサービスだが、今回β版を提供開始したという。同サービスは、既存のコールセンター関連製品に追加する形でシステムを構築できる。Google Cloudは今回、SalesforceやAvayaなどとの提携も発表している。

 Salesforceとの提携では、Service CloudとContact Center AIの統合ソリューションを推進する。


Service Cloudでは、Contact Center AIとの統合ソリューションを通じ、電話サポートの支援機能を強化するという

小売・流通業向けではVision Product Searchを一般リリースなど

 Google Cloudは業種に特化したソリューションに力を入れてきた。Google Clooud Next ‘19では、特に小売・流通業向けの具体的なサービスを複数発表した。

 「Vision Product Search」(GA)では、小売企業がモバイルアプリを通じた販売促進を図ることができるという。ユーザーが見かけて気に入ったものを、モバイルアプリで撮影すると、その小売企業のカタログから近似した製品を見つけ、表示するというもの。


画面右のように、偶然見かけて気に入った他人の靴を撮影すれば、同一あるいは近似した商品を特定オンラインストアのカタログから自動的に検索して表示できる

 また、「Recommendations AI」(β版)は、顧客ごとにリコメンデーションを行う作業を自動化する。さらに後述のAutoML Tablesでは、機械学習に関する知識なしに、過去のデータから売り上げや在庫などの予測が簡単にできるという。

AIエキスパートのチーム活動を効率化する「AI Platform」

 後者に関する発表には、「AI Platform」(β版)がある。

 Google Cloud AIのエンジニアリング担当バイスプレジデント、アンドリュー・ムーア氏によると、これは「熟練したAI開発者を対象とし、こうした人々がモデルの構築と適用を迅速に行えるよう支援するサービス」。チームとして単一のユーザーインターフェースを通じ、モデルの共有、訓練、推論のスケーリング管理まで、一連の機械学習/AIプロセスを管理し、実行できる。

 AI PlatformはKubeflowに基づくパイプライン機能を提供する既存サービス「Kubeflow Pipelines」と、訓練からモデル評価、推論実行プロセス管理までを担う既存サービスの「Cloud ML Engine」に、ストリーミング/バッチデータの取り込みやラベル付けの機能を統合。さらに機械学習/AI関連作業を容易にするSDKのkubeflow/fairingを新たに組み合わせるなどしている。これにより、エキスパートによる機械学習/AIのプロセスを効率化できるという。


AI PlatformとGoogle Cloudのさまざまな機械学習/AI関連サービス/機能との関係

 Google Cloudは、Google Cloud Platform(GCP)だけでなく、オンプレミスや他のクラウド、エッジにまたがり、一貫した機械学習/AIが構築できることも重要だと強調している。パイプライン機能はオープンソースのKubeflowを活用し、さらに別途発表したハイブリッド/マルチクラウドコンテナソリューションの「Anthos」を組み合わせるなどして、個々のニーズに合わせたロックインのない構成を、柔軟に構築できるという。

 Google Cloudは、既にマーケットプレイス機能を備えたユーザー組織全体におけるAIリソース管理サービス「AI Hub」を提供しているが、AI Platformはこれと連携し、開発者が構築したモデルを組織のビジネスユーザーに提供するなどが可能という。

AutoMLでは構造化データに基づく予測を自動化する「AutoML Tables」などが発表

 Cloud AutoMLは、機械学習の専門知識がなくともカスタムの機械学習モデルを構築、利用できるサービス。これまでGoogle Cloud Platformでは、画像解析の「AutoML Vision」、テキスト分析/分類の「AutoML Natural Language」、翻訳の「AutoML Translation」を提供してきた。

 今回新たに発表したのは「AutoML Tables」(β版)と「AutoML Video」(β版)。AutoML Tablesは表形式/構造化データに基づく需要予測などがコーディングなしに行える。。BigQueryや他のGCPストレージ/データサービスからデータを取り込み、予測モデルを構築するプロセスが数クリックで行えるという。一方AutoML Videoは、AutoML Visionの動画版、あるいはVideo Intelligence APIのカスタム版と表現できる。動画に映るオブジェクトやシーン遷移を認識でき、例えばメディア関連ではハイライト映像制作の自動化やCMの除去、大量の動画を対象とした分類などが可能という。

 既存のAutoML Visionでは、エッジにおける学習/推論を実現する「AutoML Vision Edge」(β版)を発表した。同サービスではEdge TPUを活用できる。また、AutoML Visionでは「object detection」という機能をβ版として提供開始。横断歩道を渡る人など、物体の相対的位置を検出できるという。AutoML Natural Languageでは、特定種類の用語を検出する「custom entity extraction」機能(β版)、感情分析の「custom sentiment analysis」機能(β版)が発表された。

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