【 lsinitrd 】コマンド――initrd/initramfsの内容を一覧表示する:Linux基本コマンドTips(299)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、initrd/initramfsの内容を一覧表示する「lsinitrd」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、initrd/initramfsの内容を一覧表示する「lsinitrd」コマンドです。
lsinitrdコマンドとは?
「lsinitrd」は、initrdとinitramfsの内容を一覧表示するコマンドです。
「initrd」は、Linuxカーネルが起動する際に使用する「初期RAMディスク(initial ramdisk)」です。カーネル2.6.13以降は新しい形式である「initramfs」も使われています。lsinitrdコマンドは、initrdとinitramfsの両方に対応しています。
lsinitrdコマンドはdracutパッケージに収録されています。Ubuntu環境の場合、「sudo apt install dracut-core」でインストールできます。
lsinitrdコマンドの書式
lsinitrd [オプション] [ファイル名]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。initramfsを使用していない場合、ファイル名の省略は不可。
lsinitrdの主なオプション
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-s | --size | initramfsの内容をサイズ順に並べて表示する |
-m | --mod | モジュールを一覧表示する |
-f ファイル名 | --file ファイル名 | initrdに含まれているファイルの内容を表示する |
-k バージョン | --kver バージョン | 表示対象のカーネルのバージョンを指定する |
initrd(initramfs)の内容を表示する
「lsinitrd」で、現在のカーネルが起動時に使用したinitramfsの内容を表示します(画面1、画面2)。他のバージョンのinitramfsを参照したい場合は、「-k」オプションでバージョンを指定します。
Ubuntu環境などでinitrdを使用している場合、「lsinitrd initrdファイル名」のように、ファイル名を指定する必要があります(画面3)。
lsinitrdを実行すると、kernelディレクトリ下のファイルを表示します。Dracutというツールを使って構築されたinitrd(initramfs)の場合、続いて、モジュールを表示し、さらに、initrdに含まれるファイルを表示します。モジュールの後に表示されるファイル名が不要な場合は「-m」(--mod)オプションを使用します。
伝統的に、initrdにはカーネルがルートファイルシステムをマウントするために必要な最小限のファイルだけが含まれています。この仕組みによって、フロッピーディスクで起動しなければならないような制限された環境でも、Linuxが使用できるようになっていました。
コマンド実行例
lsinitrd
(起動時に使用したinitramfsの内容を表示する)(画面1、画面2)
lsinitrd -k カーネルバージョン
(指定したカーネルバージョンのinitramfsの内容を表示する)
lsinitrd /boot/initd.img-バージョン
(指定したinitd.imgファイルの内容を表示する)(画面3)
initramfsにあるファイルの内容を表示する
「lsinitrd -f ファイル名」で、initramfsにあるファイルの内容を表示できます(画面4)。指定したファイルが存在しない場合、何も表示しません。画面4では、画面2で表示されていた「/etc/group」を指定しています。
コマンド実行例
lsinitrd -f ファイル名
(initramfs内にある指定したファイルを表示する)(画面4)
lsinitrd -f /etc/ld.so.conf
(initramfs内の/etc/ld.so.confを表示する。先頭の「/」は省略可能)
筆者紹介
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
元々はDOSユーザーで「DOS版UNIX-like tools」を愛用。ソフトハウスに勤務し生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当、その後ライターになる。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。地方自治体の在宅就業支援事業にてMicrosoft Officeの教材作成およびeラーニング指導を担当。会社などの"PCヘルパー"やピンポイント研修なども行っている。
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