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「サービスメッシュ戦争」も、クラウドネイティブな世界のダイナミズムとCNCFKubeCon+CloudNativeCon Europe 2019詳報(2)(1/2 ページ)

2019年5月20〜23日にスペイン・バルセロナで開催された「KubeCon+CloudNativeCon Europe 2019」では、クラウドネイティブな世界のダイナミズムを感じさせる動きが相次いだ。本記事では、OpenTracingとOpenCensusの統合によるOpenTelemetryの発足、およびMicrosoftなどによるService Mesh Interfaceの発表を取り上げ、CNCFのCOO(最高執行責任者)/CTO(最高技術責任者)であるクリス・アニズィック氏のコメントを交えてお届けする。

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 2019年5月20〜23日にスペイン・バルセロナで開催された「KubeCon+CloudNativeCon Europe 2019」では、クラウドネイティブな世界のダイナミズムを感じさせる動きが相次いだ。本記事では、OpenTracingとOpenCensusの統合によるOpenTelemetryの発足、およびMicrosoftなどによるService Mesh Interfaceの発表を取り上げ、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)のCOO(最高執行責任者)/CTO(最高技術責任者)であるクリス・アニズィック(Chris Aniszczyk)氏のコメントを交えてお届けする。

「OpenTracingとOpenCensusの統合はAPMの世界を変える」

 「掲げていた目標はお互いに似通っていた。だから一緒になるのは自然だった」。OpenTracingの共同創始者でLightStepの共同創業者であるベン・シーゲルマン(Ben Siegelman)氏と、Google CloudでOpenCensusおよびDevOpsツールのプロダクトマネージャーを務めているモーガン・マクリーン(Morgan McLean)氏は、両プロジェクトの統合についてこう話した。

 OpenTracingとOpenCensusは、どちらも分散トレーシングに関するオープンソースプロジェクト。分散トレーシングでは、マイクロサービスなどのメトリックデータを取得し、分析できる。

 OpenTracingはCloud Native Computing Foundation(CNCF)傘下で活動してきた。一方、OpenCensusは主にGoogleが、Microsoftなどの協力を得て推進してきたプロジェクト。コントリビューター数はOpenTracingの370人に対し、OpenCensusは390人であるなど、両者の規模は近い。

 そこで、一つの世界に多数のスタンダードは要らないと考え、両者を統合することにしたという。どちらが一方に吸収されるというわけではない。「OpenTracingとOpenCensusの次のメジャーバージョンはOpenTelemetryだ」(シーゲルマン氏)。2つのプロジェクトはいずれも、2019年11月にはリードオンリーになる予定(下方互換性は2年間にわたって維持する)。今後はOpenTelemetryとして、分散トレーシングに関するさまざまなコンポーネントを、疎結合の形で開発していく。


シーゲルマン氏(左)とマクリーン氏(右)は、2019年の計画を説明した

 「これは大きな成功だ。あらゆるAPMベンダーおよび分散トレーシングコミュニティが、今後単一のOSSプロジェクトとAPI群を相手にしていけばいいことになったからだ。将来は、APM分野にいる全ての人たちがOpenTelemetryを活用することになるだろう」と、アニズィック氏は評価する。

 OpenTelemetoryの誕生は、約1年半前からのCNCFによる働きかけが実ったものという。アニズィック氏によると、経緯は次の通りだ。

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