【 suspend 】コマンド――シェルを一時停止する:Linux基本コマンドTips(323)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、シェルを一時停止する「suspend」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、シェルを一時停止する「suspend」コマンドです。
suspendコマンドとは?
「suspend」はシェルを一時停止するコマンドです。他のプロセスから再開シグナル(SIGCONT)を受け取ることで処理を再開します(シグナルについては、Linux再入門第16回を参照)。
bashの内部コマンド(ビルトインコマンド、シェルコマンド)であるため、「man」コマンドではなく、「help」コマンドで詳細を表示できます。
suspendコマンドの書式
suspend [オプション]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
suspendの主なオプション
オプション | 意味 |
---|---|
-f | ログインシェル上でも強制的に一時停止する |
シェルを一時停止する
「suspend」でシェルを一時停止します。
[CTRL]+[Z]キーで一時停止した場合、シェルが実行しているジョブを一時停止するのに対し、suspendコマンドはシェルそのものを停止します。
コマンドラインで誤ってsuspendコマンドを実行してしまうと、シェルが停止するためキー入力ができなくなります。この場合、他のシェルなどから再開シグナル(SIGCONT)を受け取るまでは再開できません。
コマンドラインでは、シェルから別のシェル呼び出して実行しているときにsuspendを実行することで、元のシェルに制御を戻すことができます。この場合、「fg」コマンドを用いて、suspendで停止していたシェルに戻ります(fgコマンドについては、Linux再入門第15回を参照)。
コマンド実行例
suspend
(現在実行中のシェルを停止する)(画面1)
画面1では、「su」コマンドを使って、root権限で別のシェルを実行しているさなかに、suspendコマンドを実行しました。
画面2の流れは画面1と同じです。ただし、どのような処理になっているかを調べるために、各シェルで「ps」コマンドを実行しています。
他の端末からシェルを再開する
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