第4回 手を動かして強化学習を体験してみよう(自動運転ロボットカーDeepRacer編):AWS DeepRacer入門(3/3 ページ)
強化学習が初めての人に最適な「AWS DeepRacerのコンソールとシミュレーション環境」を使って、ディープラーニングを体験してみよう。コンソール上で強化学習の各ハイパーパラメーターを設定してモデルに学習させ、さらに評価し、バーチャルレースにデプロイするまでの手順を解説する。
リソースの削除。忘れずに実行しよう!
公式ブログでも説明さているが、非常に重要なので、本稿でも具体的な手順を取り上げておく。
ステップ1: モデル作成のページを開く
DeepRacerコンソールを開いて、図36に示すように、左にあるメニューから[Reinforcement learning](強化学習)リンクをクリックして[Reinforcement learning]ページを開き、[Create model]ボタンをクリックして[Create model]ページを開く。
ステップ2: 関連リソースをリセットする
[Create model]ページが表示されたら、[Account resources]欄の[Reset resources]ボタンをクリックする(図37)。これにより、IAMロールやDeepRacerリソーススタック(具体的には「Amazon SageMaker」や「RoboMakerシミュレーションアプリケーション」などの関連リソース)が自動的に削除される。
削除にかかる時間は、リソースのサイズなどによって異なると考えられるが、最もシンプルなものだと2分程度である。
リソースの削除はこれだけで十分だが、モデルを保存している「S3バケット」だけは自動削除されない。S3バケットには、学習済みのモデルなど重要なデータが保存されており、間違って削除してしまうと取り返しが付かない。自動削除されないのは、そういった問題を回避するための対処である。なお、S3バケットの料金は非常に安価であるため(本稿の実行内容だけであれば1カ月数百円程度と見てよい。厳密には公式の料金表を参照してほしい)、「削除しなくても大きな問題はない」とAWSは判断しているようだ。
ちなみに、本稿の内容を実行した場合の筆者の課金例(※1米ドル=110円で計算)は、以下の通りで、S3(2回程度実行かつ1日のみ)は4円程度だった。
- RoboMaker: 459円
- SageMaker: 110円
- S3: 4円
- Kinesis Video Streams: 2円
- 合計: 575円
ステップ3: S3バケットを削除する
学習済みモデルも含めて全て削除するには、手動でS3バケットも削除する必要がある。具体的には、S3コンソールのホームページを開いて、図38のように、対象のS3バケットを選択して[削除]ボタンをクリックすればよい。
課金内容の確認について
課金の状況は、[Cost Explorer]ページ(図39)や[請求ダッシュボード]ページ(図40)で確認できる。
ただし、課金内容は即座には反映されない。数日後など時間をおいてからアクセスし、確認してみてほしい。
さらなる学習コンテンツ
基本的な解説は今回までとなるので、応用的な内容に進みたい読者のために、お勧めの学習コンテンツを簡単に示しておこう。
- DeepRacer公式の日本語チュートリアル(あらためて読みながら再実践するのもお勧め)
- AWS DeepRacer公式の開発者ガイド(全ての基本情報が記載されている)
- レースで速く走らせるためのヒント(非公式コンテンツ): ピットストップ - AWS DeepRacer | AWS(レースで勝ちたいなら、ここでヒントを探したり、ネット検索したりしてみよう)
- AWS DeepRacer公式の無料オンライン講習(履修推定時間は90分:図41、実機を含む解説:図42、英語音声だが日本語字幕あり:図43、履修証明書あり:図44)
今回は実践編として、学習&評価してバーチャルレースで走らせるまでの手順を解説した。
ちなみにDeepRacer実機は、米国でもまだ予約購入しかできない状態で、リリースされていない。実機の解説などは、日本での製品リリースが行われてから検討する予定だ。本連載は今回まででいったん完結とする。Please follow on Twitter @DeepInsiderJP.
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