Facebookが社内の標準開発環境を変更、「Visual Studio Code」のリモート開発拡張も強化:独自言語サポートもある
Facebookは、Microsoftのオープンソースのクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」を自社のデフォルト開発環境として採用した。Microsoftが進める同エディタのリモート開発拡張の強化に協力していることも明らかにした。
Facebookは2019年11月19日(米国時間)、Microsoftのオープンソースのクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)を自社のデフォルト開発環境として採用したことを発表した。同時に、自社エンジニアの大規模なリモート開発をサポートする取り組みの一環として、Microsoftが進めるVS Codeのリモート開発拡張の強化に協力していることも明らかにした。
自社開発の「Nuclide」はどうなるのか
Facebookは、自社エンジニアに特定の開発環境の利用を義務付けていないものの、多くのエンジニアが自社開発の統合開発環境「Nuclide」を使ってきた。「vim」や「Emacs」を使っている開発者もいる。
Nuclideは、オープンソースエディタ「Atom」をベースにしたオープンソースパッケージセットとして開発がスタートした。Facebookは2018年にNuclideのオープンソース版の開発を打ち切ったが、Nuclideの社内利用は継続していた。
社内で利用されている理由の一つは、Facebookが特定の開発言語を優先していないことにあるのだという。PythonやC++、Javaのような一般的な言語の他に、FlowやHack、Reasonのような独自に開発した言語を用いている。
このため、構文の強調表示はもちろん、フォーマッターやリントなどを含む言語サポート向けの拡張機能が存在する。例えば、2015年から同社はVS Code向けのFlow用の拡張機能を公開している。
Facebookは2018年末に、NuclideからVS Codeに移行する方針をエンジニアに伝えた。移行のために、Nuclideの既存機能や新機能をVS Codeの社内向け拡張として開発する作業が精力的に続き、Facebook社内では現在、VS Codeが広く使われている。例えば言語サービス(LSP)の改善が着実に進んでいるという。
ソースコードのバージョン管理システムについても、VS Codeへの移行対応を進めている。Facebook社内では現在、「Mercurial」を管理インフラとして用いている。このため、VS Code内で直接管理操作を実行できるようにする拡張を進めており、開発者がコードをレビューする際に使いやすいワークフローを維持できるという。
これらの社内向け拡張はいずれもβ段階にあるとした。
Facebookは、Nuclideに代わる開発環境としてVS Codeを採用した理由を次のように説明している。
「VS Codeは、Microsoftとオープンソースコミュニティーの多大な投資やサポートに支えられ、開発ツールとして非常に普及している。macOSとWindows、Linuxに対応しており、明確に定義された強力な拡張APIが用意されている。このAPIを使えば、Facebookが進める大規模開発で必要となる重要な拡張機能を継続的に開発可能だ。VS Codeはわれわれにとって、将来にわたり信頼できる開発プラットフォームだ」
リモート開発エクスペリエンスも向上
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