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「こんなのクラウドネイティブじゃない」と思うこと草間一人×青山真也 クラウドネイティブ対談(4)(1/2 ページ)

本連載では、2019年7月の「Cloud Native Days Tokyo 2019」でCo-chairを務めた青山真也氏と草間一人氏に、クラウドネイティブに関してじっくり語ってもらった対談の内容を、4回に分けて掲載している。今回は最終回として、「『こんなのクラウドネイティブじゃない』と思うこと」をお届けする。

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 本連載では、2019年7月の「Cloud Native Days Tokyo 2019」でCo-chairを務めた青山真也氏と草間一人氏に、クラウドネイティブに関してじっくり語ってもらった対談の内容を、4回に分けて掲載している。第1回は「クラウドネイティブは、どう誤解されているか」第2回は「CNCFのCloud Native Trail Mapを、クラウドネイティブ活動の指針としてどう考えるか」第3回は「結局『クラウドネイティブ』で、何をすればいいのか」といったテーマを扱った。今回は最終回として、「『こんなのクラウドネイティブじゃない』と思うこと」をお届けする。

――では、「こんなのクラウドネイティブじゃない」と思うことを、それぞれ5つくらいずつ挙げていただきたいと思います。交互にいきますか?

青山 第1位からでいいですか? 「このアプリは絶対落とさないでください」です。

このアプリは絶対落とさないでください #こんなのクラウドネイティブぢゃない

草間 あーっ、すごくよく分かる(笑)。そういう人って「SLA 100%」という非現実的な数字を求めたり、コンテナとか仮想マシンが落ちた理由の詳細を求めたりしますよね。落ちない仕組みを追求するより、落ちることを前提に考えるのがクラウドネイティブのはずなのですが。

青山 講演などの後に、「絶対落としたくないアプリケーションがあるんですけど、Kubernetesではどうすればいいですか?」という質問を受けることがあります。これはわりと本末転倒で、「考え方を変えてください」以外の答えが見つかりません。

「温かみのある、手動リリース」

草間 僕の第1位は、「温かみのある、手動リリース」です。

温かみのある手動リリース #こんなのクラウドネイティブぢゃない

青山 うわっ(笑)

草間 本番にデプロイするときは、会議で必ず承認をもらい、OKが出たら手動でツールによってリリースするというパターンです。ステージング環境のリリースまでは自動化しているのに、本番だけは許されない。結局それは、「会社のポリシーとして、何をやるにしても承認をとらなければならない」というルールが先行してしまっているわけです。そこを説得して変えることができない、でも、現場としては効率化したいという思いがある。何とか妥協点を見つけようとした結果、こういうやり方になってしまった。

青山 それ、私も2位に挙げました。「怖いので自動更新できません」みたいな話ですよね。

青山 私の第3位はこれです。更新や復旧について、ドキュメントに手順がずらずらと、長く書かれている。その中には手動でやらなければならないことがたくさん含まれていて、自動化が全く進んでいない状態です。先ほどの「手動でkubectl」という話に近いですが、ある程度の自動化はしておいて欲しいなと思います。

「更新・復旧の手順は…………」(長いドキュメント) #こんなのクラウドネイティブぢゃない

――「ある程度」でいいんですか?

青山 さっきも話題に出たように、クラウドネイティブは、結局大部分の自動化を行っていくことに近いので、どこまでやるかという話はあります。「これをやってください」ということがドキュメントにダーっと書いてあるのは違うと思います。少なくとも、ワンポチぐらいにはまとめておいて欲しいなと。

――草間さん、次お願いします。

草間 「クラウドネイティブ外注」です。RFPには、「コンテナ技術を使うこと」「DevOpsを実践すること」といった記述はあっても、結局それは自分たちでやるわけでなく、外注している、みたいな。これでは、外注先が使う技術が新しくなるだけであって、クラウドネイティブには全く関係ないな、と思ってしまいます。

クラウドネイティブ外注 #こんなのクラウドネイティブぢゃない

 繰り返しになりますが、クラウドネイティブは、CNCFの定義でも「スケーラブルなアプリケーションをつくる能力を組織にもたらします」となっています。SIerに能力がもたらされてもあまり意味がないです。

――そういうところは、「クラウドネイティブを目指す資格がない」ということになりますかね。

草間 そうですね。先ほどから話題になっている、「何のためにクラウドネイティブをやろうとしているのか」と共通する話だと思います。

青山 「それなら、外注先に全て任せて作らせればいいんじゃないか」っていう感じになっちゃいますね。

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