検索
ニュース

「WSL 2」の一般提供は「Windows 10 バージョン2004」で開始WSL 2のLinuxカーネルは自動インストールと更新が可能に

Microsoftは、「WSL 2」について「Windows 10 バージョン2004」(開発コードネーム「Windows 10 20H1」)で正式版の一般提供を開始すると発表した。併せてWSL 2のLinuxカーネルのインストール方法とサービス提供方法の変更についても説明した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 Microsoftは2020年3月13日(米国時間)、「Windows Subsystem for Linux(WSL)2」の一般提供について発表した。Windows 10の次期バージョン「Windows 10 バージョン2004」(開発コードネーム「Windows 10 20H1」)で正式版の一般提供を開始する。併せてWSL 2のLinuxカーネルのインストール方法とサービス提供方法の変更についても説明した。

 Microsoftは、Linuxカーネルのインストールの効率化を目的に、LinuxカーネルをWindows OSイメージから削除し、Windows Updateでユーザーのマシンに配信するように変更する。これは現在、サードパーティードライバ(グラフィックスやタッチパッド向け)がマシンにインストールされて、更新するのと同じ方法だ。この変更によって、WSL 2のLinuxカーネル更新がより柔軟に行えるようになるという。

 Microsoftによれば変更の最終目標は、ユーザーが意識しなくても、Linuxカーネルを最新の状態に保つことだとしている。デフォルトでは、通常の更新のように、Windowsが全てを処理する。

 ただし、Windows 10 バージョン2004の初期リリースとWindows Insider Previewのスローリングのビルドでは、ユーザーが一時的にLinuxカーネルを手動でインストールする必要がある。数カ月後に配布を予定する更新プログラムによって、自動インストールとサービス機能を追加する。

 Microsoftは既に提供方法の変更を進めており、後日配布するパッチによって、WSL 2の最初の正式版について、全てのユーザーが、新しい動的なサービスモデルを通じてサービス提供を受けられるようにする。

自動インストールと更新

 [Windowsの設定]−[更新とセキュリティ]−[Windows Update]で[更新プログラムのチェック]をクリックすると、WSL 2のLinuxカーネルが更新される。これは「Windows Defender」のマルウェア定義や、新しいドライバなど、Windows OS以外のアイテムを更新するプロセスと同じだ。

 つまり、Windowsイメージの更新プログラムの利用とは独立して、最新バージョンのLinuxカーネルを入手できるようになる。[更新プログラムのチェック]ボタンをクリックして、最新カーネルを手動でチェックして入手することも、通常のように、Windowsに最新状態の維持を任せることも可能だ。


Windows Updateと同じ方法でLinuxカーネルを入手できる(出典:Microsoft

 WSLを初めてインストールする場合は、インストール過程でWindowsが更新をチェックし、最新のLinuxカーネルをインストールする。

一時的にLinuxカーネルの手動インストールが求められる

 Windows 10 バージョン2004とWindows Insider Previewスローリングビルドでは、Linuxカーネルを一時的に手動インストールしなければならない。

 Windows 10 バージョン2004のプレビュービルド「Windows 10 Insider Preview Build 19041.153」に更新した後で以下のいずれかのコマンドを実行すると、カーネルの更新を求める1回限りのメッセージが表示される。「wsl」コマンドにオプションを付けずに実行すると、WSL 2のディストリビューションをそのまま使う。

wsl 
wsl --set-version ディストリビューション名 2, - wsl --set-default-version 2
wsl --import と wsl --export ターゲットとするWSL 2

 表示されるメッセージは、ユーザーに対して「https://aka.ms/wsl2kernel」へのアクセスを求めている。


特定のビルドで表示されるメッセージ(出典:Microsoft

 インストール完了後は、指示に従ってMSIパッケージをダウンロード、Linuxカーネルをインストールする。これでWSL 2が使えるようになる。

 Linuxカーネルの自動インストールと更新機能は、後日配布予定の更新プログラムで追加される。その後は、手動の作業は不要になる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る