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Microsoft、「Azure Edge Zones」としてエッジコンピューティングの包括的な取り組みを発表「AWS Local Zones」と同様なエッジクラウドも発表

Microsoftは2020年3月31日(米国時間)、「Azure Edge Zones」という総称で、エッジコンピューティングへの取り組みを発表した。これにはMicrosoft自身が運営するエッジクラウドも含まれている。

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 Microsoftは2020年3月31日(米国時間)、エッジコンピューティングへの取り組みに「Azure Edge Zones」という総称を付け、具体的な展開計画を示した。これにはMicrosoft自身が運営するエッジクラウドも含まれている。同社は、(5G)モバイル事業者、エンドユーザー組織、Microsoft自身の3者による展開シナリオで、“エッジクラウド化”を進める。


Azure Edge Zonesでは、通信事業者、エンドユーザー組織、Microsoft自身の3者による展開シナリオにMicrosoft Azureを組み合わせ、一貫したアーキテクチャを推進する

 まずMicrosoftは、Azure Edge Zonesを展開していくことを明らかにした。これはAmazon Web Services(AWS)の「AWS Local Zones」と同様、同社自身が運用するエッジクラウドだ。遅延に敏感なアプリケーションに対応するため、今後12カ月以内に幾つかの都市で提供を開始するという。

 またMicrosoftは2019年11月、AT&Tとの提携で、米テキサス州ダラスにおける5Gエッジコンピューティングサービス(あるいはMEC、Multi-access Edge Computing)の提供を発表していたが、これを「Azure Edge Zones with carriers」として、複数の通信事業者との提携に基づき本格的に展開すると発表した。

 AT&Tとは、ダラスに続き米カリフォルニア州ロサンゼルスで「晩春(late spring)」にMECの提供を開始するという。2020年中に複数の通信事業者と5Gエッジコンピューティングサービスを展開するとしている。

 プライベート拠点向けには「Azure Stack Edge」(旧Azure Data Box Edge)を提供してきたMicrosoftだが、これに機能強化を加えた「Azure Private Edge Zones」を発表した。

 Azure Private Edge Zonesでは、SD-WAN、ファイアウォール、モバイルパケットコアなどをVNF(仮想ネットワーク機能)として動かし、これを単一のポータルから統合管理できる。


Azure Private Edge Zonesにおけるパートナー

 モバイルパケットコアなどではMicrosoftが2020年3月に買収を発表したAffirmed Networksの他、Druid Software、Expeto、Mavenir、Metaswitch、Nokia Digital Automation Cloudをパートナーとしている。またSD-WANではNetFoundry、Nuage Networks、VMware(VeloCloud)、ファイアウォールではPalo Alto Networksと提携していることを明らかにした。

 Microsoftのブログでは、今回の発表を次のように総括している。

 「Azure、Azure Edge Zones、およびAzure Private Edge Zonesを組み合わせることで、共通で一貫性のあるアーキテクチャにより、分散型アプリケーションの全く新しい可能性を切り開くことができる。例えば、本社のインフラをAzure上で運用している企業は、遅延に敏感な、インタラクティブな顧客体験のためにAzure Edge Zoneを活用し、自社の遠隔拠点ではAzure Private Edge Zonesを活用できる。法人向けのソリューションプロバイダーは、一貫した開発者、管理者、セキュリティの枠組みを利用できる。開発者はGitHub、Azure DevOps、Kubernetes関連サービスを引き続き使用し、Azure上でアプリケーションを開発し、顧客の要件に応じてAzure Edge ZonesやAzure Private Edge Zonesに移動させるだけで済むようになる」

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