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「HCIはHCIに進化」? Nutanixはどこにたどり着いたかをCEOのパンディ氏が説明20分で使えるKubernetes環境も提供開始

Nutanixは2020年9月9日、日本のプレス・アナリスト向けに同カンファレンスでの発表を説明した。創業者でCEOのディラージ・パンディ氏も参加して、「HCIはHCIに進化した」と説明した。退任を発表しているパンディ氏に、自身のことについても聞いた。

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 Nutanixは2020年9月9日、創業者でCEOのディラージ・パンディ氏も参加して、日本のプレス・アナリスト向けに開催中の年次カンファレンスでの発表を説明した。@ITでは、退任を発表しているパンディ氏に、自身のことについても聞いた。


Nutanixの創業者で会長兼CEOのディラージ・パンディ氏

 パンディ氏は、「HCIはHCIへと進化した」と話した。前者の「HCI」はハイパーコンバージドインフラで、後者の「HCI」はハイブリッドクラウドインフラだという。

 これまでNutanixは、オンプレミスのITインフラをコモディティ化するとともに、扱いやすい形で統合することに力を入れてきた。次に、2020年8月には「Nutanix Clusters on AWS」の一般提供を開始し、今回のカンファレンスでは「Nutanix Clusters on Azure」を開発中であることを明らかにしたことで、オンプレミスとクラウドにまたがる容易な一元管理を実現し、アプリケーションとデータを行き来させられる「場所の自由」を提供できるようになったとする。

 パンディ氏に「VMware Cloud on AWS」との違いを聞くと、同氏は「ライセンスを真の意味でポータブルにしていること」「パブリッククラウドのネットワークに溶け込めること」「ユーザーが自身で構築できること」を挙げた。

 「オンプレミスとクラウドの境界を曖昧(あいまい)にし、完全に同一の利用体験を実現することが目的だ」(パンディ氏)

 NutanixはマネージドKubernetes管理サービスの「Karbon Platform Services」を提供開始したことも発表した。より上のレイヤーでハイブリッド/マルチクラウドが実現できるとする。

 Karbon Platform Servicesの実態はSaaSとして提供されるKubernetesのコントロールプレーンに、クラウドネイティブ分野のさまざまなオープンソースソフトウェア(OSS)を組み合わせたもの。実際のコンテナクラスタはオンプレミスやパブリッククラウド(のNutanixクラスタ)で稼働する。VMwareやRed Hatのコンテナサービスとの比較では、開発チーム、ITインフラ担当のいずれにとってもシンプルで使いやすいとしている。数クリック、20分程度でストレージやネットワーク、モニタリング/ロギングを含めたマルチマスターKubernetes環境の導入作業が終了するという。

 性能面では、NVMe SSD、Intel Optane SSDへの対応により、ストレージI/Oが50%向上したという。IntelのSPDK(ストレージパフォーマンス開発キット)には、HCIで初めて対応したとしている。

パンディ氏が後継者に期待すること

 パンディ氏は後継者が決まり次第、退任することを明らかにしている。そこで、自身に対する評価や後継者に期待することを聞いてみた。

――パンディさんは以前私に数回、日本の「我慢」という言葉が好きだと話していました。自身のこれまでの我慢について、自己評価してみてください。

 (創業から現在までの)11年間は我慢の連続で、終わらないマラソンのようだった。大して株を売るわけでもなく、短期的な利益は放っておいて、長期的な利益を追求した。過去3年間は、アプライアンスからソフトウェアライセンス、さらにはサブスクリプションへのビジネスモデルの移行で、また違った種類の我慢だったが、全ての瞬間を楽しんでいた。顧客体験を変えないようにするなど、細部にわたる配慮が必要だった。「こだわり」という言葉も好きだが、プライベートクラウドとパブリッククラウドを同じように見せ、あたかも単一のクラウドであるかのように扱えるという点にこだわる企業として知られたい。

――後継者に残された仕事は何ですか? 後継者に何を期待しているのでしょうか?

 変わることが多いほど、変わらないことも多い。「HCI」という言葉を、「ハイブリッドクラウドインフラ」という新たな意味に導き、マルチクラウドの利用体験を「ハイパーコンバージ(高度に統合)」できさえすれば、当社は「どこであってもコンピューティングを意識しないで済むようにする」という旅を続けていくことができる。

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