VMwareがvSANをKubernetes向けに拡張、CloudianやDataStaxなどと連携:ファイルストレージはActive Directory対応
VMwareは2020年9月15日(米国時間)、「VMware vSAN」とサードパーティーの永続ストレージを連携し、Kubernetes対応させるフレームワークである「VMware vSAN Data Persistence」を発表した。また、ファイルストレージ機能ではActive Directory対応などを実現した。
VMwareは2020年9月15日(米国時間)、同社のソフトウェアストレージ「VMware vSAN」とサードパーティーの永続(ステートフル)ストレージ/NoSQLデータベース製品などを連携し、Kubernetes対応させるフレームワークである「VMware vSAN Data Persistence」を発表した。
VMwareはコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングを統合し、さらにKubernetes環境を加えたITインフラ基盤製品である「VMware Cloud Foundation with Tanzu」で、ITインフラ担当者がvCenterを使って基盤運用を行い、開発チームはKubernetes APIを介してセルフサービス的にリソースを活用する役割分担モデルを実現する機能の実装を進めている。今回の発表は、これをステートフルデータサービスで可能にするものという。
「IT管理者は、VMware vCenterのユーザーインタフェースから『VMware vSphere』クラスタに直接、モダンなステートフルサービス(訳注:サードパーティーのオブジェクトストレージなどの製品)を簡単にインストールして展開でき、開発者には(Kubernetesの)namespaceを介してこのサービスへのアクセスを許可できる。開発者は、Kubernetes APIを通じて、セルフサービスでモダンなステートフルサービスのインスタンスを動的にプロビジョニングし、スケールできる」と、発表ブログポストは説明している。
vSAN Data Persistenceには、さまざまな永続データサービスを単一の基盤上で共存、統合運用できるメリットもある。
VMwareはvSAN Data Persistenceの最初のパートナーとして、Cloudian(オブジェクトストレージ)、DataStax(Apache CassandraベースのNoSQLデータベース)、MinIO(オブジェクトストレージ)、Dell Technologies(オブジェクトストレージ「ObjectScale」)を挙げている。
VMwareはvSAN Data Persistenceの一部として、「vSAN Direct Configuration」という機能をパートナーに提供する。これはパートナーの製品がvSANのディスクに直接アクセスして、自らに最適な構成が行えるというもの。これにより、例えばCloudianは、同社の「Cloudian HyperStore for VMware vSAN」で、Cloudian側のデータ保護機能の利用により、ストレージ効率を高めるとともにコストを低減できるとしている。
vSANでは仮想マシンやコンテナのボリュームについて、既に稼働状況や利用容量のモニタリングができるようになっている。vSAN Data PersistenceはvCenterプラグインを通じ、同様な監視機能を提供できる。
VMwareは同時に、vSANの最新バージョン、「VMware vSAN 7 Update 1」を発表した。
「HCI Mesh」という新機能では、コンピューティングとストレージとの分離が可能になったという。
また、ファイルサービス機能の「vSAN File Services」では、NFS v3/v4.1、SMB v2.1/v3に対応する。同機能では、Active DirectoryおよびKerberosとの連携も実現した。
小規模構成における対応も図られている。2ノード構成では、「witness」と呼ばれる死活監視用の仮想マシンをどこかで稼働する必要があるが、今回VMwareはこれを共有できる機能を発表した。最大64のクラスタで単一のwitnessを共有できるという。
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